【旅の話⑦】 マレーシア・クチン 《50以上の民族が共に生きるリアル人種のるつぼ》
東ティモールからバリに戻り、クアラルンプールを経由してやっと到着。
日本ではあまり馴染みのないクチン。
マレー半島ではなく、ボルネオ島にあります。
世界最古の原生林があり、もちろん世界有数で生態系も豊か。
野生のオランウータンがいることでも有名な場所です。
(↑原生林にて。オランウータン...は見ませんでしたが、サルがわんさか)
2つの呼び名:ボルネオとカリマンタン
ボルネオ島は北側がマレーシア、南側がインドネシアで領土が分かれていて、インドネシア側ではカリマンタン島と呼ばれます(ややこしい)。
さほど大きくない島ながら、当然マレーシア側とインドネシア側で法律も国民性も違うわけですが、近年インドネシア側でカリマンタンの方で大規模な野焼きが行われ(マレーシア人から聞いた話)、ボルネオ側の大気汚染がとても深刻とのこと。
このときは季節的に大丈夫で気にならなかったですが、後日訪れた際には景色が霞み、長時間の外出は健康に影響が出るとして、不要な外出を控えるよう呼びかけられるレベルでした。
話を聞いたクチンの人によると、この件に関してインドネシア側に強く出ない現政権に不満を持っている人も多いとのこと。
また、最近では東京オリンピックに使用される木材の調達にボルネオの木々が使われ、間接的に大規模な森林破壊に寄与してしまっているという話がニュースになりました。
多民族共生の秘密は?
そんなボルネオ島にある小都市クチンは、50以上の民族が共存しながら、"City of Unity"(結束/統一の街)を掲げるスゴいところ。
中華系、インド系、マレー系、その他少数民族の多様な人種が共存していて、東南アジアの人種のるつぼと言われたりします。
確かに現地でも、違う民族同士一緒のテーブルに座る人々が印象的。
フィジーでもフィジー系とインド系がほぼ半々で共存してますが、プライベートの集まりなどは、やっぱり民族同士で分かれていることが多い。
このマレーシアの共存の秘密はなんだと、現地で出会った少数民族ルーツのマーガレットに聞いてみたら、「Respect」だそう。
言うは易し。笑
(↑ビダユー族のマーガレット)
クチンでは現地の皆さんにめちゃくちゃ良くしてもらって、人の温かさにぐあ〜〜〜っと触れる滞在になりました。
クチンの食:ラクサからドリアンまで
この旅の後に働くことになるGiFTに繋げてもらって、世界青年の船でも関わりがあった、Soonさん。
初めて来たこの地でがっつりお世話になって、めちゃめちゃ助かった。
感謝。
「旨いもんがあり過ぎるからとりあえず3食全部コーディネートは任せろ」と、言わなくてもパッションが伝わってくる。
食べるもの食べるもの、めちゃくちゃ美味かった。
サラワク・ラクサ、トゥーシューフアン、コーローミー、ABC、名前のわからない屋台飯…。
(↑ABC)
(↑サラワク・ラクサ)
日本でラクサというと大体シンガポール・ラクサ(成城石井に売ってる)ですが、サラワク(クチンがある州の名前)・ラクサはここでしか食べられない特別なラクサ。
現地のスーパーではインスタント版も売っていて、探す際は黒(小麦粉麺)か青(ビーフン)のパッケージのそれを探してみてください。
人生初ドリアンも。
臭い匂いがするのは古いドリアンだと言うSoonさん、屋台でフレッシュなのを選んでくれて彼の実家へ。
これがまた美味かった。
普通に甘くて美味しい(クセはあるが余裕でストライクゾーン)。
が、ドリアンはパワーフード過ぎて沢山食べるとエネルギー過多で体調を崩すとのこと。
ドリアンを食べた後は、分厚い皮に塩水を入れて、飲む。
これでクールダウンしないといけないらしい。
なんと。知らずに食べまくったらエライコッチャ。
そうこうしてると彼の大家族も帰ってきて、2時間くらい家時間に混ぜてもらった。
中華系マレーシア家庭体験、いい感じにカオスで楽しい。笑
そして普段のご飯が量も種類もすごい(味は最高)。
その他にも、市場、洞窟、一緒にいろんな場所へ。
(↑バウ村の近くにある洞窟、Fairy Cave)
偶然の嬉しい出会い
これだけ一緒にいてくれるから勘違いしそうになるが、いくつもの団体をマネジメントするSoonさんは実は忙しい。
なので、一人で歩き回る時間も沢山あった。
思ったよりも都会だったクチンの川を渡り、対岸へ。
気ままに歩いていると、徐々に村感が出てきた。
20分ほど田舎っぽい方へ歩いたところで、「Rain Forest Cafe」という看板を発見。
階段を上ってみると、雑多ながら自然な感じで雰囲気あるカフェ。
店長に話しかけると、まだオープンしていないとのこと。
それも普通のカフェじゃなく、起業家やYouth Groupがミーティングを行うためのスペースにしていきたいとのこと。
そして、店長の正体はマレーシア先住民の子どもたちを支援する学校の校長先生!
迷い込んだまま小1時間話をして、「何かあったら活用してちょうだい」と。
彼女にとってどんな風に活用されたら理想的か、場をどんな風に発展させたいか... いろいろと話し込んで長居してしまった。
ソーシャル・アクティビストとの、偶然の嬉しい出会いでした。
満たされたもの
書ききれませんが、この温かさをPay it forwardする気持ちになるエネルギーをたくさんもらって、次の国に進めます。
3日かけて色んなものを食べて人に会って歩き回っただけですが、
出会った人たちや連れ回してくれたSoonさんからのリスペクトが終始満たされたし、みんなにも確かなリスペクトの気持ちがある。
マーガレットが言った「Respect」、言い得て妙でした。
ちなみにボルネオ島からは、日本より一人当たりGDPの高いASEANの小国、ブルネイ・ダルサラームへもアクセス可能!
マレーシアへ旅行される際は、クアラルンプールもいいですが、足を伸ばしてクチンやボルネオ島の他の場所にも、ぜひ。
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↓アンコールワットの地で触れた、生活の質感の話につづく。
8月初旬から夫婦でCamino de Santiago巡礼の旅に出ています。出費はできる限り少なくしている旅なので、サポートは有り難く旅の資金にさせていただきます。ですが、読んでくださったり反応をいただけるだけで、一緒に旅している気分になって十分エネルギーをいただいています。^^