【スペイン巡礼の話③】コロナ禍の国際便乗り継ぎの実体験&エピソード
まだまだパンデミックの影響が続く8月初旬、夫婦で考え抜いた果てに、巡礼の道Camino de Santiagoを歩くべく日本からスペインへと飛びました。
スペインに日本人が渡航できるようになったことを知ってからフライトを探し始め、且つオリンピックが終わる前には出発することを目指していたためあまり時間はなく。
それでも、エミレーツ航空でマドリードとの往復1人あたり69,240円(燃油サーチャージ含む)のチケットを見つけて購入。
パンデミックの影響で便数は減っているものの、同時に顧客獲得のために通常よりも価格が下がっていたりキャンペーンをやってたりもするみたい。
2021年7月時点で、スペイン政府が定める安全国リストに入っていない国については渡航禁止〜PCR検査に関する制限がついていましたが、日本は安全国リスト入り。
ワクチンもPCR検査も不要で、観光目的の滞在についても文字通り制限無しの入国が可能となっていました(日本への帰国時はPCR検査や隔離など諸条件あり)。
FCS Health Control Formの提出
一点いつもと違うのは、健康申告書(FCS Health Control Form)の作成・提出が入国時に必須なこと。出国2日前からオンライン上で記入が可能になります。
↑英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語の4択です。
専用のアプリからの記入も勧められていたのでダウンロードしましたが、スマホのデバイスによって英語表示ができなくなったり、終盤で実際は必要のない陰性証明の番号を求められたりして最後まで進めませんでした(不具合?)。
上のリンクからウェブサイトに飛んで入力を進めたところ、問題なく完了。(2021年8月初旬現在)
日本の状況もスペインの状況も刻一刻と変化していく情勢の中で、出発ギリギリまで両国のニュースを逐一チェック。
行けなかったら行けなかったで別のやることが出てくるし気軽に待とう、と言いながら、渡航制限がかかる可能性も考えつつ準備を進めました。
日本出国〜ドバイ到着
結局出発当日の朝まで、状況に大きな変化は無し。イレギュラーな事態の発生も頭に留めつつ、チェックインカウンターへ。
夫婦ともに、公私合わせて今まで200回以上ずつは飛行機に乗っているのに、今までに見たことのないガラガラの空港に入ると漲る緊張感。(妻は逆にリラックスしたらしい)
担当のグランドスタッフの方がフレンドリーに接してくださって、且つ状況をわかりやすく説明してくれてちょっと安心する。
両替所の方もめちゃくちゃいい人(ネット両替の予定がタイミング逃した)。換金した少額のユーロを受け取るときに、「今しかできない旅もありますから」と背中を押してくれた。
手荷物検査〜出国審査まで、人が少ない以外は全部いつも通りで、スムーズに通り抜けられた。定刻通りに搭乗開始。
機内に入ると、エミレーツのCAさんたちは感染対策で、皆ふわっとした白いカバーを上着とズボンの上から羽織ってた。
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000052636.html)
自動でスクロールされていく座席のデフォルト画面にはこんな表示が。
こちらはパンデミック関係ないけど、お祈りまでの時間と方角の表示。さすがエミレーツ。
メディテーション(瞑想)のためのチャンネルも発見。めっちゃいい。初めて見た。
しばらくすると食事のカートがやってきて、機内食の提供はいつも通り。こちらは晩ご飯。しっかり量ある。
朝食にはブルーベリージャムのパイみたいなのが配られた。賞味期限を見ると保存も3日くらいは大丈夫だったので、旅のお供に追加でもう一つもらえないかと、ひと通り配膳が終わったCAさんに聞いてみた。
Is it possible to get another one for tomorrow's breakfast? (最近知りましたが、ファスティング=食べない期間 を壊す=終える という意味でbreakfastなんですってね...!)
すると、 "Yes, yes, you can!!"
(もう一人のCAさんに) "Hey, he wants another pie!" となぜか目を輝かせて&ハイテンションの返事が。
ワンセット全部欲しい?と聞かれて「いやパイだけでいいよ」と返事をしたのに、まあまあ、とお盆ごとテーブルに置かれた。
まだいるでしょ?とパイだけもう一つ。
そして去り際に更にもう一つ「とっときな」という目で渡してくれた。
彼女たちの感じから、機内食って廃棄も多いんやろうなあと思います。
予想外に三つのパイ(食べた1つを除く)を手に入れ、袋がなかったので座席のエチケット袋を拝借して大事に持って降りました。
(次の日の朝ごはん+αになりました)
ドバイ乗り継ぎ
11年前に世界青年の船で寄港して以来、2度目のドバイに到着。
出国時点で見ていた情報では、アラブ首長国連邦はトランジットであればPCR検査は基本的に不要で、渡航先の規定に準ずるとのこと。
スペインの入国にPCR不要なためドバイは問題なくスルーできるはずで、念のため2日前にエミレーツ航空とスペイン大使館にメールで確認は取ってありました。
それでもリアルタイムで状況がどんどん変わっていってもおかしくないときではあるので、一抹の不安は抱えながらトランジットのゲートへ向かう。
ドキドキしながら手荷物検査場に着くと、えらくハイテンションの係員さんが登場(笑)。
めちゃくちゃフレンドリーに指示をくれて、なんの問題も無く通過した。検査を終えた荷物を身につけている間も会話が弾む。
スペインに何しに行くんだと聞かれ、長いトレッキングに行くんだと言うと、「何ぃ、それはもうここで降りて(入国して)UAEでやるべきだ!それはもういい道がたくさんあるぜ!」
UAEって砂漠ウォークはイメージあるけどトレッキングも有名なのか...?
(後で「UAE トレッキング」のキーワードで調べたら、Tripadvisorで出てきたTop10のコースは全部砂漠ウォークとラクダ体験でした)
場所が場所なので撮影はしていませんが、僕史上最も愉快な手荷物検査となりました。客数が少ないから暇なのかも...?
***
出発までかなり時間があったので広い出発ロビーを歩いていると、ここはそれなりに人が多い印象でした。
さすが中東のハブ空港、こんな時でも利用者は多いんやな、と思いながら歩いていたところ、ふと違和感に気づいた我々。
すれ違う人、ベンチで休んでいる人、みんな外国人にしてもえらく体が大きく、同じ色のTシャツやジャージを着ているグループがたくさん固まっている。背中には国の名前が...
...おお、オリンピックの各国代表だ。
ハンガリー代表、ブラジル代表、カザフスタン代表、チュニジア代表... 東京で勝ってか負けてか、みんなリラックスした表情で思い思いに待ち時間を過ごしていました。(スタバが大人気)
ミーハー心で話しかけるのは気が引ける&コロナ対策的にも我々は近づきませんでしたが、他の乗客たちとの境界は特に無く、各国の選手同士も容易に接触できる雰囲気で、当たり前かもしれませんが日本を出るとバブルも何も無いんやなあと妻がひと言。
それはそうと、それぞれ何の競技の代表かはわからずとも、洗練された人類最強のアスリートの皆さんを前にすると、やっぱり深いリスペクトの気持ちが湧いてきます。
朝日が昇って少し経った頃、マドリード行きの飛行機に搭乗しました。
ドバイ出発〜スペイン入国
何の問題も時間の遅れもなく、マドリード行きの飛行機に乗り込めた我々。
機内は日本ードバイ便よりも空いていて寝転ぶことができ、結構揺れましたがこれも定刻通りに到着しました。
あとはスペインの入国審査&臨時の検疫カウンター。
パスポートと、いつもとは違う健康申告書(FCS Health Control Form)のコピー↓の2つを携えて進む。
入国審査で聞かれた質問は、
マドリード経由でどこかへ飛ぶか?
→No。
観光目的か?
→Si(Yes)。
夫婦で使命感にかられてCamino de Santiagoを歩きに来たんです。
→それはいいね、いい旅を(Buen Viaje)。
これだけですぐにパスポートにスタンプ押してくれました。
検疫カウンターでは眉間にしわ寄せた怖めの職員さんたちがいて、QRコードを出して!と言われ「うわ、ここ厳しそうやな」と身構えましたが、
なんとQRをスキャン等特にすることなく、紙をチラ見するだけで通してくれました。
拍子抜けするぐらい難なく、入国完了。
制限が無いのは知っていたけれど、それでも到着前は不安があって、実際に来ると実感が湧いて体が安心するのが感じられる。
引き続き気を抜かないように意識して、初めて見る(妻は2回目の)マドリードの町並みを抜けてまっすぐ予約している宿へ。
無事に到着しました。
(↑窓からは中庭が)
***
以上、我々が体験したコロナ禍での出国〜入国の様子を、できるだけそのまんま書いてみました。
もちろんスペインの入国要件もUAEのトランジットも状況は日々変わっていきますので、渡航される方は大使館や利用される航空会社の情報を入念にチェックするようにしてください。
(本記事の情報は2021年8月上旬時点のものです)
今後海外渡航を決められた際の参考になれば幸いです。
この時の動画も作りましたのでぜひ!リアルな雰囲気が伝わるかと思います。↓