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海外MBAビジネススクールの選び方

こんにちは。
 MBA受験を検討されている方にとって、1番初めにぶつかる壁としてスクール選びがあると思います。

正確な数は分かりかねますが世界中に数千を超えるMBAが取得できるスクールの中から自分に合った、今後の人生に大きな影響を与えうるであろう1校を選ぶことは相当に困難であることは私自身も身を持って体験しました。

もちろん、各種ランキング等で取り上げられているスクールであればある程度は教育の質などの観点で大きな差はなく(ないはず)、どこに行っても人生を変えてくれるほど素晴らしいスクールであることは間違いないとは思っています。

とはいえ、「100に絞れたとしても、どうやって1校に絞っていくか?」という大きな論点があります。

あくまで1例ですが、私がどの様にして第一志望のスクールを選択したのかご紹介したいと思います。


◾️想定読者

  • 海外MBAに興味がある方

  • どのビジネススクールが自分に適しているかわからない方

  • 受験勉強は始めたが学校選びを後回しにしている方


前提

基本的な考え方として、第一志望のスクールを定めることはもちろん重要ですが、一方で一校だけを専願で受験すること、準備することはある程度リスクが孕んでいます。というのも、受験プロセスの中でIELTS/TOEFLなどの英語テストとGMAT/GREなどのネイティブ版センター試験の点数次第で挑戦できる学校と、出願すら諦めざるを得ない学校が出てくることがあるため、初めのうちから3〜5校程度は定めておき準備をすることをお勧めします。

イメージとしては、ドリーム校1校、本命校2〜3校、滑り止め1校を整理できていると良いかと思います。

以上の観点で私がどの様に5校を選択していったのか3つのステップに分けてご紹介します。

Step1|ざっくりと絞り込む

初めの段階は、ある種機械的にバッサリと選択肢を削っていくことが重要になります。その際には、客観的事実や指標等を用いてスクールを見ていきます。

5W1Hなどで学校の特徴はざっくりと整理ができるかと思います。

  • When:いつから、いつまでのプログラムか 

  • Where:どの地域、国、都市にある学校か

  • Who:どの様な人が同級生になるか、卒業生はどの様な人か

  • What:何が強み/弱みか、世間から何に評価されているか

  • Why:何のためにMBAプログラムを提供しているか(=学校が輩出したいリーダー像は何か)

  • How:どの様に学生を育てるか(プログラムの特徴)

  • How much:コスト(学費、生活費)はいくらか、リターンはいくらか

  • How many:何人の学生が集うか

特にWhen、Where、How Muchあたりで整理することが第一歩になるかと思います。なぜならば、これらの項目自体学生それぞれのキャリア設計や人生においてクリティカルなものであり、ノックアウトファクターになりうるからです。

そのため、初めに私は下記3つの論点から消化していきました

  1. アメリカ vs ヨーロッパ vs アジア vs その他

  2. 1年制 vs 2年制

  3. ランキングは高い方がいいか

1. アメリカ vs ヨーロッパ vs アジア vs その他

ヨーロッパ:家族(妻)がオランダ駐在をしている間に取得することを目指していたため、ヨーロッパしか選択肢にはありませんでした。
正直この論点は私にとっては簡単でしたが、人によっては悩ましい点かもしれません。

ネット上の情報からは下記の様な特徴があると言われてますが実態はかなりスクール依存が強い点をご理解ください

2. 1年制 vs 2年制

1年制:コスト面もありますが、自身のキャリアを振り返った時にオランダへ帯同した期間(1年弱)のブランクに加えて、2年間の学業への専念は困難であるため。

3.ランキングは高い方がいいか

Top100以内であればOK:MBAランキングなど色々とありますが、どれくらい拘るべきかは論点の1つになります。私自身の考え方としては、「ランキングが高い=学校自体悪くはない」というネガティブチェックくらいの感覚で捉えていました。つまりは、「だいたい100くらいのランキングに入っていればある一定数の人たちが経験してみて、それなりに良い経験ができたんだろうな〜」くらいで、「ランキング1位が30位のスクールよりも必ず優れているから1位の方がいい」という考え方は持ち合わせておりませんでした。

とりわけランキングを作成しているThe EconomistやFTなどそれぞれの機関の軸によって決められており、ある種の恣意性も考慮に入れておく必要があるからです。

また同様に、大学別についてもQS大学ランキングなどが発表されれおり、特にヨーロッパのビジネススクールは、非大学を母体としていることもあり世間一般にはあまり知られていないながら非常に優れたスクールもいくつもあります。スペインのIESEやフランスのINSEAD、イギリスのLondon Business Schoolはヨーロッパの中だけでなく、世界的に見ても評判の高いビジネススクールではありますがMBA界隈から足を踏み出すと知られていないことも多いです。

結果論ではありますが、私の場合ビジネススクール、大学ランキングの両面で一定の評価が高いスクールを選択したことになりました。


ここまでで、まずヨーロッパにある1年制のスクールまで、Top100くらいに入っているスクールまで絞ることができました。

とはいえ、ヨーロッパの中にもまだまだ沢山の国・スクールがあります。

United Kingdom

  1. London Business School

  2. University of Cambridge: Judge

  3. University of Oxford: Saïd

  4. Imperial College Business School

  5. Alliance Manchester Business School

  6. Warwick Business School

  7. Durham University Business School

France

  1. INSEAD

  2. HEC Paris

  3. ESSEC Business School

  4. EDHEC Business School

  5. Audencia Business School

Spain

  1. IE Business School

  2. ESADE Business School

  3. IESE Business School

  4. EADA Business School Barcelona

Germany

  1. Mannheim Business School

  2. WHU – Otto Beisheim School of Management

Switzerland

  1. IMD Business School

  2. University of St. Gallen

Netherlands

  1. Rotterdam School of Management, Erasmus University

Italy

  1. SDA Bocconi School of Management

Denmark

  1. Copenhagen Business School

Ireland

  1. Trinity College Dublin, Trinity Business School


Step2|自分が何を求めるかを追求する

ここからの絞り方が最も難しい点になります。
ここからは、どちらかというと客観的な指標よりも、主観的に「あなたが何を求めるか?」を徹底して追求することが重要です。

先ほどの5W1Hで言うところのWho、What、Howあたりの軸が重要になってくるかと思います。

  • Who:どの様な人が同級生になるか、卒業生はどの様な人か

  • What:何が強み/弱みか、世間から何に評価されているか

  • How:どの様に学生を育てるか(プログラムの特徴)

その為には、自己分析が重要になるかと思います。
ここではあまり触れませんが、自身のキャリアプラン、人生プラン、強みなどを明確にしておくことが重要です。

私の場合、まず初めに先ほどの地域選択に加えて、国レベルでも更に絞り込みを行いました。

1. 住みたい国

ヨーロッパの中で妻が住んでいるオランダはもちろん候補にいれつつ、オランダから比較的距離も近く世界的にも有名な大学が多いイギリス(プレミアリーグもあるし😅)、飯が美味しく、温暖な気候で幸せに慣れそうなスペイン辺りに行きたいと思いました。

一方で、フランス、イタリア、スイス、デンマーク、アイルランド辺りを選択肢から除外しました。
特にフランスには、INSEAD、HEC、スイスにはIMDなど世界的有名校が顔を揃えてはいましたが治安・物価などの側面から候補に入れませんでした。

2. プログラムの特徴

学校毎にWebサイトやYoutubeチャンネルなど詳しくみていくと、プログラムの特徴や、学校が何を重視しているのか違いが見えることがあります。
「アカデミック vs プラクティカル」「自由度低(詰め込み型) vs 自由度高」「テックに強い」「起業に強い」「ソーシャルビジネスに強い」「コンサル就職に強い」「金融就職に強い」など学校側が押し出している特徴に違いが多くあります。

私の場合は、キャリアプランを鑑みて、テックやアントレ(起業家精神)に強みがあり、アカデミックとプラクティカルのバランスが良いスクールを中心に見ていきました。

3.学校/生活面の特徴

また、プログラムだけでなく学校毎の特徴も見ていきました。「総合大学 vs 単科大学」などの違いがあるかと思います。国籍や職歴こそ多様ではありますが、とはいえ同じビジネススクールに通っている同期と戦っているフィールドは同じであり、今後も自身がキャリアを歩む中で自然と出会う様な人たちである一方で、例えば医学系の学生や、人文系の学生など今後ビジネスの世界ではなかなか出会うこともないアカデミックな学生との交流を期待できる総合大学に対しても魅力を感じ始めました。さらには、ケンブリッジ・オックスフォードの場合はCollege制と呼ばれるいわば学生寮制度があり、MBAスクールの学生以外と触れ合う機会の多いスクールもございます。

以上の観点から、最終的に5校絞り込むことになりました。

  1. ドリーム校:Cambridge 

  2. 本命校:Imperial、IE、Rotterdam Erasmus

  3. 滑り止め校:〇〇 (カテゴリの都合上失礼なので、名前は伏せます)

Cambridge、Imperialは総合大学としての環境、テック、アントレとしての評判、IEといえばアントレ、プログラム自体はあまり考慮を入れておりませんでしたがRotterdamについては現在の居住地から通うことができ、コスト全面含めるとリーズナブルであったため候補としました。

Step3|志望度を高める

結果的に「志望度が高まった」という話にはなりますが、是非これからMBAを検討されるにあたっては早めに志望度の高いスクールにビジットしたり周囲を見ることで一気に志望度を高め(逆もしかり)難しいテスト勉強を乗り越えていただきたいです。

私の場合は、9月ごろにCambridgeの学生が開催した非公式説明会を受け学生や卒業生の人柄に魅力を感じつつ、12月(遅すぎw)にスクールビジットに訪れました。ImperialについてはQSが開催するMBA FairのブースでAdmin担当から話を聞きつつ、Cambridgeと同じタイミングでビジットをしました。IEについては現地こそ訪問できませんでしたがAdmin担当と個別セッション、説明会への参加を行い、Rotterdamについてはスクール周辺を散策し雰囲気を知りました。

Imperial College London - 近代的な建物で綺麗
Cambridge - スクールビジット後の美しいCam川にて

結果的に、当初より第一志望ではあったCambridgeに対してスクールビジット、在校生との会話を行った結果、「この街に住みたい!」「自分もこのCommunityに入りたい!」「CVP、GCP(コンサルティングプロジェクト)楽しそう!」と一気に志望度が高まりました。「もう少し早く行っておけばもっと楽しみながら受験を頑張れたのに!」とやや後悔もしましたが、行って良かったです。

いざ出願へ

出願にあたっては、エッセイの準備等もあるため志望度の高い順に受けていくことにしました。特にIEについてはRound制をとっておらず柔軟に出願ができたため1月の段階でRound3の締切のあったCambridge、Imperialをほぼ同じタイミングで出願しました。2月の面接後両校から結果が来なかった為、IE、Rotterdamの出願準備にとりかかっていましたが、3月下旬頃にCambridgeから合格をもらったため、出願準備を取り止めました。

受験のプロセスの中で心の底から魅力に感じていたドリーム校(まさに自分にとって最高の学校)から合格を頂けたので良かったのですが、上記で触れていた様にもう少し早くから選んでおけば辛かった受験勉強もまた、違ったものになったかもしれないので、準備としてはかなり甘かったと反省しています。みなさんも学校選びはお早めに!

ここまで読んでくださりありがとうございました!

以上です。

何か質問があれば、コメント頂けますと幸いです。

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