散歩の途中 18 キャッチャーやります
取り残された細長い土地はマーケットの壁越しで反対側は今はビジネスホテルになっている。
この土地はうちの祖父(じい)さんがやってた酒屋の空き瓶のケースを積み上げていた場所だ。祖父さんは五、六年前まで元気に商売をやっていたが、同じ通りに安売りの酒量販店が駐車場付きでオープンして客足がぱたりと止まり、古くからの馴染み客への配達だけで細々と生き延びていた。
老舗といってもたかが酒の小売店である。いまどき食っていけんわな。そんなわけで親父はあとを継がずサラリーマンになって母親と各