第四回「星占いで子育て」男の子にかけられる呪いってなんだろう
こんにちは。
「人生を創造する星占い」竹之内かなみです♪
きりりこさんと月に一度Twitterで開催しております共同スペース「星占いで子育て4」が、7/14(金)午前11時に開催されました。
今回のテーマは、「男の子にかけられる呪いってなんだろう?」
呪い?!怖いですね!
どんな呪いなのでしょう?男の子を育てているお母さん方にとっては、気になるテーマではないでしょうか?
5月に開催して「星占いで子育て2」と同じ本を課題図書として、今回は第2章を取り扱います。
お話した内容はこちら。
男性学が問うものー「壊れてないなら直すなよ」?
『男性学入門』の著者である伊藤公雄さんによると、男性学とは「この男性中心社会、性差別構造が強い社会における男性のあり方の問題を、当事者として考えるのが男性学」だそうです。
しかし、多くの男性は、「いまの社会のままで困っておらず、とくに不自由を感じていない男性は、そもそも『男性のあり方になにか問題がある』ということ自体ピンとくることはなく、『変わる』必要性自体を感じない」ようです。
まさに「壊れてないなら直すなよ」ということです。
グレイソン・ペリー著『男らしさの終焉』に、「男性は支配や君臨をすることに駆り立てられている」とあります。
男性社会は、ピラミッドの構造に見えます。男性社会に生きる男性たちは、そのピラミッド構造の中に自分が組み込まれることに生きづらさを抱えてはいないのでしょうか?
「ホモソーシャルな絆」の支配力
ホモソーシャルな絆とは、男同士の友情やつきあい、絆のことです。友情や絆は良いものですが、問題は男性社会がピラミッドの構造であること。そして、「ホモソーシャルな集団の中では常に『誰がもっとも男らしいか』を競いあう価値観が支配的」であること。
「男らしさ」には、攻撃的な「有害な男らしさ」が混ざることもあります。つまり、男性の集団において「有害な男らしさ」に基づく行動を競いあうような状況にもなり得るのです。
「有害の男らしさ」の競いあい
先月、熊本の高校で、修学旅行中に複数の男子生徒が女湯を覗き、盗撮したという事件がありました。
このニュースを知った時に私が思ったのは、この男子生徒たちの目的は、女湯の覗きだったのだろうか?ということです。覗きや盗撮はもちろん悪事であり、純粋に目的がこれらであっても到底許されることではないのですが、目的は別にあるように思えるのです。
男子生徒の集団の中で、どれだけ「男らしい」悪事が働けるかという競い合いの末に起こった不祥事ではないかと思うのです。覗きや盗撮が、この男子生徒の集団の中では、賞賛に値する行為であったのではないかと。
そうなのだとしたら、この男性社会の仕組みを崩す必要があるのではないでしょうか。少なくとも、自分の息子には、「有害な男らしさ」を競う必要のある男性社会からは降りてもらいたいです。
同じ土俵で戦わない
「星占いで子育て2」でもお話しましたが、私は高校生の頃に教師が教壇で「女性には出産と育児があるから医者には向かない」と話すのを聞いたことがあります。女子生徒もいる中で。当たり前のように。
そしてそれを聞いた私は、「確かにな。出産育児で仕事に穴を開けるものな。」と思ってしまいました。
しかし、それは男性社会での価値観に過ぎないと今では考えています。
どの女性も、男性も、育児ができる環境をつくれば問題はないのです。
知らず知らずのうちに、私にも男性社会の価値観が染み付いていたエピソードです。
その価値観が抜けるきっかけとなったのは、女性学の先駆者である上野千鶴子さんの著書です。本のタイトルは失念したのですが、上野千鶴子さんは「女性の戦い方は、男性社会の土俵から降りることだ」と書いてありました。
男性社会の当たり前を疑い、男性社会と同じ土俵から降りたらいいんだ。
目から鱗でした。
それは、女性だけでなく、男性も男性社会の価値観を疑って、その土俵から降りたらいいのではないでしょうか。
「壊れてないなら直すなよ」という思考の成人男性に訴えることは難しいですが、自分の息子には男性社会の価値観を鵜呑みにせず、自分で考えるように促していきたいです。
幼児期から始まる男子の権力抗争
現在では、幼稚園や保育園、学校でも、保育者や教育者はジェンダー規範の押し付けをすべきではないとされています。研修などもあります。
「女の子だからお行儀よくしなさい」「男の子だから泣くんじゃありません」という指導をする保育者や教育者は、ほぼいないのではないでしょうか。
現代の教育現場では、「子どもの個性を尊重し、主体性を支援するという『児童中心主義』のもと教育を行っています。
だから、子どもの中に自然発生的に芽生えた「女らしさ」「男らしさ」は、その子の個性である。保育者や教育者がジェンダー規範を押し付けていないのだから…
本当にそうなのでしょうか?
保育者や教育者がジェンダー規範を押し付けていなくても、子どもたちは社会からジェンダー規範を受け取っているのです。
例えば。
小学校では年度初めの4月に、カメラマンさんに学校に来てもらって学級写真を撮ります。
その際に、カメラマンさんはポーズの指示をすることがあります。
「男の子は足を広げて、手をグーにして膝の上に乗せましょう。
女の子は足を閉じて、手を重ねて膝の上に乗せましょう。」
この指示は、カメラマンさんがプロとして知っている、美しくカッコよく撮るためのポーズなのでしょう。分かります。
でも、これはジェンダー規範の押し付けのひとつです。
カメラマンさんのこの指示を聞いて、私は「あ、まずい」とは思いましたが、自分の学級だけ別のポーズを取らせる勇気がありませんでした。
今思うと、自分で考える選択を与えたら良かったのかなと思います。
「カメラマンさんが教えてくれたポーズは、きっと綺麗にカッコよく撮れるのだろうね。
でも、どんなポーズを取るかは自由だよ。どんなポーズにするか、自分で考えよう。」
こう言ってあげれば良かったのでしょう。
社会から押し付けられるジェンダー規範について、「自分で考える」選択肢を与える。それが、子どもを自由にする道なのだと思います。
男の子にかけられた呪いを解くためには
私たちは、このような子育てが「男の子にかけられた呪い」を解くことができるのではないかと考えます。
母親である私たち自身が固定観念やジェンダー規範に敏感になり、社会から押し付けられるそれらに気づいたときに、子どもたちに適切に手助けをする・介入する。
そんな子育てをやっていきたいと思います。
我が子を、ピラミッド構造で「有害な男らしさ」が蔓延する男性社会から「いち抜けた」と逃すために。
このようなお話をしました「星占いで子育て4」のアーカイブはこちら。
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