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必要なものはもう私の中にある

スピーチの練習を通じてコミュニケーションとリーダーシップのスキルを楽しみながら身につける国際教育NPO「トーストマスターズクラブ 」。その月例会がありました。

私が所属する「大阪サンシャイントーストマスターズクラブ」は今年2月にアメリカの国際本部から正式に認可された出来立てホヤホヤのクラブです。私が言い出しっぺとなり、20年近く所属している「なにわトーストマスターズクラブ」のメンバー数名と、新しいクラブを作ろうと2018年11月にクラブ設立の活動をはじめました。2019年2月から毎月デモ例会を重ねて少しずつ輪が広がり、2021年2月に27名のメンバーで新しいクラブとしてスタートを切りました。

(トーストマスターズクラブ とは何をする団体なのかについては、以前書いた記事があるので、この記事では割愛します。)

クラブは会長をはじめ7人の役員で運営します。役員は7月1日から1年任期で交代するので、今回は私の「会長としての最後の例会」でした。会長の役割に加え、都度変わる例会の役割として総合司会も担当したので、2時間の会議を英語・日本語で取り仕切りました。終わったあとは安堵の気持ちでいっぱいでした。

自分で立ち上げたこのクラブへの思い入れは強く、その会長の任を解かれた時は予想していた以上に「一区切りついた」気持ちになりました。良い機会なので今までの経緯と今の感情を記しておきたいと思います。

クラブ設立でやってきたこと

新クラブ設立で、多くのことを学びました。やってきたのは

・ビジョンを明確にする
・仲間を集める
・必要な人に届ける(広報、SNS、口コミ)
・来てくれたゲストの期待に応える
・入会してくれた人の成長に寄り添い、見守る

ことでした。この活動全体として国際本部が掲げるビジョンやミッションはもちろんあります。ただ、既存のクラブと別に新しいクラブを立ち上げるにあたり、他のクラブとどう違うか、どんなクラブにしてどんな人に入ってほしいのかを最初に明確にする必要がありました。

もといた「なにわトーストマスターズクラブ 」は英語のみで全ての活動をおこなうクラブです。英語にそこまで自信がない人でも、また、日本語でスピーチの練習をしたい外国人の方にも入ってほしいと思い、英語・日本語のバイリンガルクラブにしようと決めました。また、子ども連れの参加もOKのファミリーフレンドリーなクラブ、というのも考えていました。私自身、娘が生まれたあとの数年はクラブに参加できず、さみしい思いをしたからです。

デモ例会を重ねた2年間、なかなか人が集まらなかったり、ゲストが来ても入会いただけず落ち込んだりすることも多々ありました。広報や毎回の例会の質をあげるために、トライ&エラーを繰り返しました。

「対象がバラけ過ぎ」と他のクラブの方に指摘され、言語を特定するか、お子さん連れを諦めるか、と悩んだこともありました。でも、当初のビジョンを見直すことはしませんでした。英語・日本語のレベルや、子どもがいるかどうかに関わらず、人前で話すスキルとそこから得られる自信は誰にとっても重要だと思ったからです。「言語の壁や家庭の制約で他のクラブには参加しにくい方たちにも、一歩踏み出したその先から見える世界を味わってほしい」その想いは譲れませんでした。

結果として集まった27人の設立メンバーは実に多様です。赤ちゃんや小さいお子さんがいる方、日本語を勉強中の外国人の方、英語は自信がないのでまずは日本語ではじめたい方、英語力はあるもののプレゼンテーションが苦手でそれを克服したい方、など様々な想いで参加されています。それだけ違うバックグラウンドなのですが、お互いを尊重して、自分のペースで、経験からの学びを楽しみながら進めています。私が理想としていた、いやそれ以上の素晴らしいクラブが、パソコンの画面越しに毎月集まって活動しているということは、本当に感慨深いです。

クラブ設立を通じて、趣味の活動とはいえ、本当にかけがえのない経験をした2年間でした。

この経験を他に生かせるのか

この数ヶ月、自分のできることで誰かの役に立てないか、ビジネスとして構築できないか、と模索しています。

でも「さぁ一歩踏み出そう」としても「経験もないし」「実績もないし」と、つい出来ない理由を探してばかりでした。ところが昨日の例会を終え、自分には十分過ぎる経験も実績も、やりたいという想いもあることに気がつきました。NPOの活動であること、他の会員の方と同じ立場で活動していること、クラブ設立や運営に携わっても何の報酬もいただいていないことで、自分の経験・実績として考えられないと思っていました。ですが、昨日、そんなことにいつまでも卑屈になっていてどうするんだと感じました。

必要なものはもう自分の中にある。それに気づきました。あとはそれを誰かに届く形に変えるだけだと感じています。

届けたい「誰か」とは誰なのか。何をどう届けるのか。そこを深掘りしていきます。

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