ロックの日

6月9日、ロックの日
おそらく今日、SNSで
にわか野郎たちが書き綴ってるだろう
1991年6月9日に
俺は音楽仲間たちと
当時住んでた岡山駅前の噴水広場で
4時間にわたるゲリラライヴをやった
あれから30年という年月が
重ねられたことになる

俺以外の四人はもう音楽をやってない
家で爪弾く、カラオケで歌うなんて
音楽やってるとは言わないぜよ
あいつらが音楽をやめた理由と
俺が音楽を続けている理由は
比例しているのか反比例しているのか
答案用紙には書き込めなくても
そこには埋められない差ってもんが
あるんじゃねえかなって思う

“センチメンタルな気持ちじゃ
悔やんでばかりだよ”なんて
尾崎も歌っていたけどよお
ロックの日が来るたびに
それでも俺は
あいつら元気にしてんのかなあって
思っちまうんだよなあ
あいつらも思い浮かべてくれりゃ
深イイ話しにでもなるんだけどさ

その後もいろんな音楽を通じて
たくさんの出会いと別れもあった
笑ったり泣いたり怒ったりした
あの噴水広場も
今年中にとり壊されると聞いた
コロナ禍の中で歌ってるヤツもいれば
俺みたいにだんまり決めてるのもいる
あとどんぐらい生きるつもりだよ、俺
最後はテロリストとして死ねよ、俺

Kazz Yanagawa

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