地域リーグ・都道府県リーグを見てみよう。
実は、最初に書いたテキストを破棄した。以下のツイートを書いたことが原因だった。
元々このツイートはゼロファジさんのこちらをご紹介するためのツイートのつもりだった。
ゼロファジさんのnoteにあるようなサッカーに使う時間の何%かを地域リーグだの都道府県リーグだのに消費しているのが現状の俺で、例えば俺は(現状)J3のガイナーレ鳥取の試合を観に行く一方、昨年まで中国リーグにいて今季から島根県リーグ1部に降格したデッツォーラ島根ECなどの試合を観に行ったりもするし、やはり中国リーグ参加経験がある鳥取県リーグ1部所属のSC鳥取ドリームスの試合もよく観に行く。
他にここでもご紹介した、松江市に本拠を置くSTREAM FCというチームの試合をたまに観に行ったりもする。
楽しさが第一義
斯くの如く、地域リーグはおろか都道府県リーグや市域のリーグ(の参加チームが登場する試合)などにも顔を出したりする。物好きと言われたらそれまでの話で、何ら反論する術がない。
人はそんな俺に問いたいであろう。「そんなレベルの低いサッカーの何が面白いの?」と。
幸いなことに、まだ面と向かってそのように問われたことはないし、そもそも問われても答える義務もないのだけれど。自分よりずっと技量があって、一生懸命やってて、時には楽しそうに、時には感情をむき出しにしてプレーをする、そういう選手たちに、我々のようなド素人が専門家ぶって、やれ「君らはレベルが低い」だのとケチをつけることなどできようはずがない。
彼らはスポーツという「娯楽」をやっているのだ。そんな彼らに外野がどうのこうのと言えた義理ではない。
そもそも、俺の場合は、地域リーグや都道府県リーグなどに属するチームや選手たちには、自ら楽しんでプレーしてほしいと願っている。サッカーを見せて幾ばくかのお金を得ようとするプロ、あるいはセミプロならばいざ知らず、彼らは仕事でサッカーをしているのではなく、仕事などに対する余暇という建前でサッカーをしているだけなのだ。
そんな彼らに「レベルが高い、低い」などの話をすること自体、意味がないのではなかろうか。
プレーレベルが高いか、低いか、と言われた場合、現状の彼らについては高くないのかもしれない。そして、その高くない状態を好意的に受け止めているか、もっと向上心を持っていて、現状に不満を感じているかは、選手それぞれに於いて異なるだろうし、そんな風に意識の高低差がある選手たちが混在していても何ら不思議ではない。
ただ、1つ間違えてはいけないが、現状の(チームとしての)プレーレベルを是とするか非とするかは当事者たる選手たち若しくは指導者が話し合った上で決めるべきで、間違っても外野で応援するような我々が価値観を押しつけて決めるべきものではない。彼らが楽しんでやっていることの方向性ぐらい、彼ら自身に選択権があるべきだ。チームとしてもっと上のカテゴリで勝負したいというのなら、その方針でやっていきたいと思う選手は続けていくだろうし、それができない選手は脱落するのもやむを得ない。それだけの話なのだ。
プロスポーツは、なるほど勝敗は1つの重要な要素なのかもしれないし、勝ったらより多幸感が生まれるだろう。種目の別はないし、勝敗や優劣が明確な差として生じるものについては、個人競技や団体競技の別もない。
これに対してアマチュアスポーツは、確かに結果としての勝敗は生じるであろう。ただ、勝敗以外の要素も介在し得る。選手たちがプレーすることの楽しさ、喜びであったり、満足感だったり。そういうものが介在し得るのが、アマチュアスポーツと言えるかもしれない。
何度でも繰り返し言うが、あくまでも、上を目指すか目指さないかの選択権は、当事者自身にあるべきだと思うし、周囲でただ応援しているだけの外野が押しつけるものではない。好きにさせたら良いのだ。彼らがもっと高いレベルに挑戦したいと思うのなら、その選択を尊重すれば良い。
彼ら当事者たちも我々外野の人々も楽しむことが重要で、上のカテゴリを目指すことに楽しみを見出せたのならば、それはそれで応援したいと思うならすれば良いだけのことだと思う。
俺の場合、少なくともガイナーレ鳥取やデッツォーラ島根などではそうしてきた。
楽しむのにレベル云々は関係ない
以前、こういうnoteを書いた。
よく、海外(この場合は欧州や南米の一部の国々を指しているものと思われる、無駄に大きな主語)と日本(主にJリーグ)とを比較して、「海外はレベルが高いのに、Jリーグは何とレベルが低いのだ」という意味の常套句を口にする連中が存在する。
でも、別にプレーレベル云々でアマチュアサッカーを見たいわけではない。だいいち、ド素人の我々が、そんなレベルの違いをいちいち解説できるはずもなければ、理解できようはずもない。うまい選手は皆一律にうまい。それだけの話で良いではないか。
もちろん、一般的な選手たちと比較して、どこがどう上手いのかをわかった方が良いとは思うが、それはそういうことを知識として知っている人々に解説をお任せすれば良い。
だいたい、俺は常々不思議に思っているのだが、世界で最もサッカーが上手な選手というのは、どういう選手のことを指して言っているのだろう?
そんなものが果たしてどういう基準で決定づけられるのか。だいたい、サッカーというのは団体競技である以上、一個人の選手に極端に比重がかかるわけではない。仮に1人の中心選手が突出して活躍しているように見えているにしても、中心選手を下支えする選手たちの働きがあってこそ、中心選手が光って見えるものなのだ。
例えば、バルセロナはメッシが中心のチームだが、メッシのみの能力だけでどうにかできてしまうチームではないはずだ。メッシを下支えする選手たちがいて、彼が中心選手たり得ている。どこのどんなチームでも同じだ。メッシが、例えばズラタン・イブラヒモビッチだろうが、クリスティアーノ・ロナルドだろうが、同じことである。
サッカーが団体競技である以上、どこの国のどんなチームがやろうとも、基本的にはそういうものなのだ。無論、日本のアマチュアとされるカテゴリのチームだってそれはまったく一緒である。
リフティングが上手だからサッカー全般がうまいのかと言えば、決してそんなことはない。リフティングが上手でなくてもドリブルが得意だったりシュートが上手な選手もいる。
それに、だ。サッカーはフィールドプレーヤーだけの競技ではない。ゴールキーパーだって存在する。襲いかかるシュートを鬼のように止めてしまうゴールキーパーも当然ながら「上手い」に決まっており、その前段階の準備も含めた動き方が優れていれば、それで名ゴールキーパーたり得るし、もっと言えば世界最高の名選手という称号すらあり得る。
このようにサッカーに於けるレベルというものは、一筋縄ではいかないし、単純に測れるものでもない。だいたい、どんなカテゴリにしろ、選手として活躍している以上、素人である我々より上手いに決まっている、それで良いではないか。そう納得したら、それで済む話だ。
半可通ぶって小難しく語ろうとするからわけがわからなくなる。そんなものは、自分より上手い人たちがやっている、と納得しておけば良い。
例えば、決定的なシュートチャンスを外してしまった選手に対して「ヘタクソ!」と罵声を浴びせるあなたは、その選手よりシュートに至る能力が優れているのですか?という話だ。
「しょうがないよ。今度はうまくやりなよ!」で良いと思う。特に上昇志向とは無縁のアマチュアならば。
だいたい、チームによって目標は異なる。全国リーグを目指したいチームもあれば、地域リーグで満足するチームもあるだろう。そういうものが混在して作っているリーグで、レベルが云々とか詮ないことは言わなくても良いのだ。言うこと自体無駄だとも思うし。自分よりも明らかにうまい選手たちが集って試合をしている。それで良いだろう。
レベル云々など、地域リーグや都道府県リーグで求めている人々は恐らく多数派ではないだろう。だって、少なくとも自分より上手い連中がやってるんだから。
レベルの高い低いを観に行くのは愚の骨頂で、そんなものが見たければ、少なくともJ1以上、できればACLだったり、あるいは日本代表の試合だったりで堪能すれば良い。
地域リーグや都道府県リーグなどはそういうものを見る場ではないと思っている。もっとこう、プリミティヴ(素朴)な楽しみを味わう場であった方が良い。
確かに応援しているチームが勝った方が良いとは思う。でも、それだけではないものがそこにはあると思っている。
だからこそ、地域リーグだけではなく、都道府県リーグとか観に行ったりするのだ。行ったらとりあえず、苦行みたいでないサッカーがそこにあると思うから、行くのであって、そこが一番デカい。
Jリーグはともすれば苦行みたいに感じられる部分があるように思えてしまうことがある。
無論、楽しさもある。スタジアムグルメだったり、各種イベントだったりは楽しませてくれるものだ。試合の結果が伴えば、楽しさも倍増するが、それはそれ。
だが、結果が伴わないと、お通夜みたいな雰囲気にすらなってしまうことがあり、それがどうにも耐えがたく思えることがある。何も負けたら明日にでもチームが雲散霧消するわけでもないのに。深刻に捉えすぎなのだ。
特に下の方のカテゴリのチーム同士の試合を見る時は、もっと気楽に見ましょうよ。負けて命とか取られるわけじゃないんだし。
負けたら、次がなくて、もうチームが解散するまで追い込まれているとかなら話も違うんだろうけれども、そうでなければ、もっと気分を楽に見たら良いのだ。
最初の方で引き合いに出したSTREAM FCなどはそういう楽天的な気分で見ている。あのチームのノリは楽しいし。
構えずに
俺としては、何度も言っているように、地域リーグや都道府県リーグは、そんなに御大層なことは考えずに見るようにしている。自分よりは確実に上手い人たちが一生懸命やってることに、少なくとも嘘はないと思うし、だったらそれで良いってことにするべきだ。
何も取って食われるわけじゃない。構えず気楽にその場で繰り広げられているサッカーだけ見とけば良い。ゆっくりとその様子を見て楽しい気分を味わえば良いってことにすれば良い。
余計な講釈とか必要ない。フラッと訪れて気楽な気持ちで目前のサッカーの試合見て、それで良い。応援したければすれば良いし、しなくても見ているだけでも違う。
そういうのを、コミュサカだ何だって言ってるけど、別にそんな大層なものじゃない。決して構えることなく気楽にカジュアルな気分で目前のサッカーを見る。レジャーの一環なんだもの。そう思ったら、誰にも気兼ねすることはない。余計なことは考えなくて良いので、一度飛び込んでみたら良い。それだけのことで良い。
だいぶ、当初とテキストの趣旨が変化したような気がするけれど、とりあえず、ようやく1本モノにできた・・・。