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一緒に成長しよう(追記あり)

ガイナーレ鳥取では、2019年シーズン以降のトップチーム新監督が発表になりました。
髙木理己さんです。この人は、京都サンガや湘南ベルマーレでコーチ経験もありますし、ガイナーレ鳥取でも、2014年から2015年までコーチを務め、2017年からはU-18の監督を務めていました。

ガイナーレ鳥取がJリーグに参入してからこの方、何人もの監督を迎えています。

2011年:松田 岳夫氏(現・福島ユナイテッドFC監督)
2012年:吉澤 英生氏(現・栃木SCヘッドコーチ)
2013年途中まで:小村 徳男氏
2013年途中から:前田 浩二氏
2014年~15年:松波 正信氏(現・ガンバ大阪アカデミーダイレクター兼強化アカデミー部長)
2016年:柱谷 哲二氏
2017年~18年途中まで:森岡 隆三氏(現・清水エスパルスアカデミーダイレクター)
2018年途中から:須藤 大輔氏

このうち、2シーズン続いたのは松波さんのみ(厳密に言えば松田さんもJFL時代からの通算が2シーズンなので含まれるべき)。森岡さんは2シーズン目の途中でその座を降りています。

また、松田さん・吉澤さん・前田さん・柱谷さんには前任以前にJリーグチームなどでの監督経験があり、松波さんにもそれはありますが、彼の場合には、就任のきっかけが唐突だったことなどもあり、通常のケースとは少し異なるような気がします。
就任までにトップチームの監督経験がなかったのは、小村さん・森岡さん・須藤さんでした。このうち、森岡さんは京都サンガのU-18チームで監督経験がありました。また、佐川印刷でコーチもしています。

髙木さん起用の意義を勝手に推測する

今回の髙木さんはどちらかと言えば、小村さんや須藤さんに近い立場だと言えるのですが、その2人と異なるのは、上記のようにトップチームでのコーチ経験を有しているということだと思います。この点だけでも、アドバンテージになり得ますね。
ただ、いずれにしても、オーガナイザーたる監督の業務は、それをサポートする人々に恵まれないことには、なかなかうまくいかないものです。海外などでは、コーチングスタッフも監督と責任を一にするケースが多いですね。責任を適切にシェアするという考え方があるようです。

俺は森岡さんの就任時から漠然と思っていて、ここ最近になって確信に近い心情を覚えるようになったことがあるんですが、コーチングスタッフも含めた彼の起用というのは、監督含む首脳陣がチームと共に成長していく、つまり「選手だけ」に限らない広義の「育成」にチームとして着手してたんじゃないのかな、と。
森岡さんの次に須藤さんを連れてきて任に就かせたのは、恐らくはその路線の継続の意思を表示するものなのかもしれない、と朧気ながら思うようになってきました。
その思いは。今回の髙木さんの起用によって確信に変わったと言って良いと思います。

「育成」を旗頭に掲げるクラブは、選手だけを育成するわけではないのかもしれないと思うんですよ。指導者・スタッフ(どんなセクションにいる人も等しく)、そして応援する我々もまた、一緒にいろいろ考え、悩み、苦労をして、それで得られた結果に喜んだり、学んだりすると、よりサッカーに深くコンタクトできるんじゃないでしょうか
もちろん、それをより豊かにするべく、例えば専門性の高い戦術的・技術的な知識などがあると、良いと言えるでしょう。ただ、それらにしてもなるべく平易に理解できることが肝要、という大前提があるわけで、なかなか一筋縄ではいかないですね。

ともあれ、選手はもちろんですが、指導者も、フロントスタッフも、そして応援する当事者のこちら側も含めて、クラブに関わる誰もが同じような意識の下に、育っていく必要があるのかもしれません。無論、育つスピードは人によって様々だと思いますので、一概に同じような効率と成果を求めるわけにもいきませんが、それでもそういう成長にまつわるプロセスに関わっていけることを大切に思いたいですね。

髙木新監督の砦になれたら

髙木新監督と共にクラブも成長しよう、という意志が何となく見えてきている今(それは俺自身が勝手に思っていることではありますが)、基本的には外野のサポーターたる我々の役割というのは、髙木さんがやりやすい環境を整えてあげることなのかなって思うのです。
但し、ハードウェア的に、ではありません。それは強化部を含めたフロントの仕事です。

応援する側は、髙木さんの砦になってあげたいものですね。シーズンが進んでいく中で、満足だけで終えられたらどれだけ幸せなことか。しかし、それだけでは終わらないこともあり得るんですよ。2010年にJFLでぶっちぎりで優勝した時だって敗れた試合はあり、そのことには不満を唱える向きもあったわけです。

というように、うまく行かないことになった時、「取り付く島」がなかったら、指導者はやがて孤立してしまうのではないでしょうか。
そうなってしまった時、応援してるこちら側までもが、同じように突き放してしまっても良いのかな、という疑念にも似た心情を浮かべてしまうわけです。

砦になる、と言いますが、別に単純に慰めたりするのではなくて、どう表現したら最も適切なんでしょうねえ・・・、髙木新監督がうまく行かない時にも、癇癪を起こして糾弾するのではなく、何か言うにしても、言うこちらが落ち着いていなかったらダメなんだと思うんですよ。
迸る感情に任せてワーッと言っちゃうのではなく、一呼吸置いて冷静になってみて、感情を整理した上で、あれこれ対話してみるのが良いのかなって思うんですよ。

言っておきますが、「髙木さんを、あるいはガイナーレ鳥取を盲目的に信用しろ」という意味ではありません。
良くないことを話すなら特にですが、冷静になりましょう、って話なんですよ。興奮してそういうことを話したところで、売り言葉に買い言葉という状態にしかならないし、それは誰も得をしないんです。
言われた髙木さんにももちろんですが、言ってしまった方だって同じように得などしない。むしろ損失にしかなり得ないんです。
結局、ギスギスしてしまって、職を辞する時にケンカ別れに近い感情で去らなければならなくなる可能性がきわめて大きいわけです。

でも、ですよ。トップチームである程度の監督経験がある人ならまだしも、それをほとんど持たない人に必要以上にプレッシャーを与えてしまうのは、あまり得策とは言えない気がします。
髙木さんはなるほどコーチやU-18で監督をされてる。でも、U-18とトップチームとでは、いろいろな面で異なることがあると思うんですよ。それが髙木さん本人にとってある程度想定できている範囲のことだったら良いんですが、そうでない出来事に直面した時などに、応援する側が罵倒したり冷たくあしらったりするのは、できるなら避けたいな、と。
冷静に話してみることで、双方に何らかの気づきが生まれるかもしれませんものね。あくまでも冷静に相対することが肝要だと。そこなんです。
勢いに任せた罵倒合戦、言い合い、売り言葉と買い言葉の応酬は、やっている側にとっても後味が良くありませんし、そのせいで結局しこりが残ってしまいますから。なるべくなら避けたい。

共に成長するために

熱く応援すること自体はもちろん大切です。ですが、そんな中でも常に冷静で客観的な自分を同居させておきたいですね。

そうすることで、ひょっとしたらこちらの側も気づきを得られたりするかもしれないですから。

最後になりましたが、髙木理己新監督には、気負うなと言ってもなかなか難しいことかもしれませんが、それでも一つだけお願いしたいです。

どんな時でも、明るさだけは失わないでください。それだけを願っておきたいですね。2019年シーズンのガイナーレ鳥取は「何だかわかんないけど強い」という境地にいければ面白いですね。

以下の項を追記します(2019/1/12 22:24)。

オールガイナーレ

以下に、髙木新監督のコメントを転載します。
文中の太字は引用者によるものです。

ガイナーレ鳥取に関わる全ての皆様、こんにちは。この度、トップチームの監督に就任させていただく事になりました髙木理己と申します。
私は、2014、2015年の2年間をトップチームのコーチとして、そして昨シーズンまでの2年間をU-18の監督として、ガイナーレ鳥取に携わらせていただきました。
その延べ4年間という時間の中では、たくさんの出来事がありました。2015年のJ3最終節の悔しさは未だに心に残っています。それ以外にもたくさんの光景が脳裏に焼き付いて離れません。
ただ、そんな喜怒哀楽が渦巻く様々な状況であっても、選手達は常に前進し続けてくれました。どんな時も、日常に向き合い続けた選手達の姿勢は、私の生きる支えとなっています。
だからこそ、その選手達の姿勢や、選手達の想いを未来に繋げていく事。そして、その先にある、オールガイナーレの総意である『昇格』を掴み獲る事こそ、私にできる恩返しだと考えております。
オールガイナーレの皆様と共に、そしてこの鳥取県に関わる全ての皆様と、挑戦、前進し続けていきたいと思います。今シーズンも熱い応援を宜しくお願い致します。
そして、ガイナーレ鳥取のサッカースクールに通う子供達が、そのシャツを周りの友達に自慢したくなるような試合ができるように頑張ります!

髙木新監督は2度にわたって「オールガイナーレ」の表現を用いています。こういう表現をこのような場で使うことは、有効なメッセージになり得ると思いました。
日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、ヴァヒド・ハリルホジッチさんを日本代表チーム監督の任から外したあと、「オールジャパン」「ジャパンズウェイ」などの表現を用いて団結を呼びかけたのですが、これを見聞きした俺は「何言ってんだコノヤロー」と思ってしまいました。
ハリルホジッチさんに対して、曖昧な理由による解任を押しつけておきながら「オールジャパン」などと団結を呼びかけてしまう、その空々しさに反発を覚えてしまったわけです。

これに対して、今回の髙木さんの「オールガイナーレ」は少し違うような気がしました。この場合「オール鳥取」と表現しても良かったはずですが、敢えて「オールガイナーレ」と表現されました。

ガイナーレ鳥取には、確かに「鳥取」という地名が使われていますが、関わっている人々は必ずしも鳥取県民だけではありませんし、応援・支援している人々も、俺如きを含めても、鳥取県民だけではありません。
鳥取県という地域を超越した「ガイナーレ鳥取」を応援し支える人々も皆含めての「オールガイナーレ」だと思います。
恐らく、髙木さんが口にした「オールガイナーレ」には、そういう意味合いがあるんだろうな、などと俺は思っているわけです。

そして最も大きなことは、ハリルホジッチさんの時のようなゴタゴタの末の言葉ではなく、やむを得ない事情により監督が交代する中での心機一転の船出の場で、この言葉が使われたことだと思うのです。その意義は大きいと思いました。

ともあれ、上記のような理由により俺も、オールガイナーレの1人となり得るのです。そのことが嬉しく思えてなりません。

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KAZZと名乗る適当なおっさん
基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。