1,000文字のアートレビュー⑥ ダムタイプ『アクション＋リフレクション』

2019年11月26日 21:01

1995年、HIVで夭折した古橋悌二。彼が立ち上げたDumb Type（ダムタイプ）は、デジタルメディア、美術、ダンス、音楽、建築など異質な才能が絡み合うアーティスト集団だ。

残念なことに、僕は古橋悌二が生きている頃のダムタイプのパフォーマンスを生でみることは出来なかった。彼が亡くなって15年経って、僕は2010年に森美術館で『S/N』を観た（僕が日本で一番好きなアーティスト・高嶺格も出演している作品だ）。

身体と明滅。痙攣とアジテート。飼育と抵抗。
の、中で、ずっと無言（dumb）で叫び続けられる「寂しさ」

そういうもの。

そして2019年も終わりかけた頃、再びダムタイプを目撃した。

digital or continiuum?

言葉は、デジタルか連続体か？

イメージは、

デジタルか連続体か？

身体は、デジタルか連続体か？
運動は、デジタルか連続体か？

セックスはデジタルか連続体か？愛はデジタルか連続体か？

人間は、デジタルか連続体か？

空間は、デジタルか連続体か？時間は、デジタルか連続体か？

音楽はデジタルか連続体か？アートはデジタルか連続体か？

シグナルはデジタルか連続体か/ノイズはデジタルか連続体か？

性はデジタルか連続体か/人種はデジタルか連続体か/問いはデジタルか連続体か/答えはデジタルか連続体か/事実はデジタルか連続体か/虚構はデジタルか連続体か？

社会は、デジタルか連続体か？

生は、デジタルか連続体か？

死は、デジタルか連続体か？

Dumb Typeは、デジタルか、　連続体か？

（ソニーのトリニトロン・ブラウン管の上で）
I/
DREAM/
MY/
DREAM/
AND/
LOVE/

WILL/
DISAPPEAR/
（ソニーのトリニトロン・ブラウン管の上で）

歩く、近付く、すれ違う、走る、

立ち止まる、近付く、すれ違う、手を伸ばす、

世界は自転している、それぞれの猥雑さで、それぞれの速度で。

その回転は、出会うためか、離れるためか

いつか誰かが、誰かを抱きしめるだろうか

自分ではなく？

（2019年11月26日ダムタイプ『アクション＋リフレクション』）