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#01 ≪2人目妊活 私が一人っ子を決断するまで≫ 思い描いた通りの「人生」にはならない 

年末にクローゼットを片づけていた時、ふと私の目に飛び込んできたものがあった。産後の骨盤ベルトだ。

6年前に妊娠・出産に関するものは断捨離したはずだったのに…
なぜか産後の骨盤ベルトだけ、クローゼットの片隅に忘れられたように放置されていた。
もしかしたら、断捨離後に誰かに貸していたのが戻ってきて、クローゼットの片隅に放置したのかもしれない。

なぜこんなところにあるんだ?と思いつつ、何のためらいもなくゴミ袋の中に掘りこんだ。そんな自分の動作に、一人っ子を決断するまでのあの数年間の葛藤を思い出した。

捨てるに捨てられず、収納ボックスに押し込んでクローゼットの上段の棚に押し込んだあの時のことを…

2人目以降の不妊は気軽に話せる場所がない

不妊カウンセラーの仕事をしていると、2人目不妊や3人目不妊に関するご相談が決して珍しくない

・1人目は自然に授かったが2人目がなかなか妊娠しない
・1人目は不妊治療で授かり、2人目不妊治療をするか悩んでいる
・2人目不妊治療中だが終わり時を模索している
・1人目の時の凍結胚の移植だけにしようか悩んでいる
・子連れでクリニックに受診出来ないの治療が再開出来ない
・治療してまで2人目が欲しいのかわからなくなってきた

上記の内容はほんの一部であり、ご相談内容は多種多様・抱えている背景も本当に様々である。
ただ全ての人に共通していることがある。それは「周りに気軽に相談出来ない」ということだ。

1人目不妊に関しては、SNS内での交流やオフラインの交流会など、様々な場所で悩みや思いを共有することが出来る。しかし2人目以降の不妊に悩んでいる人が思いを共有できる場はあまりない。

そう、1人目不妊と2人目不妊の間には大きな壁が存在するのだ。
「2人目不妊さんお断り」これは私が不妊治療をしていた10年以上前から変わらない風景である。

1人目不妊と2人目不妊の大きな壁は壊れはしないし、壊す必要もないと私は思っている。それだけ、置かれている境遇が違いすぎるからだ。

ただ様々な背景がある、2人目不妊のコミュニティーづくりは、1人目不妊のコミュニティーより難しい。だからこそ2人目不妊に悩む多くの人は一人で答えを求めて悩み続けるのかもしれない。

そして、私もまたそんな一人だった。

話せる場がない苦しみ

「一人いるんだからいいんじゃない?」「一人っ子は可哀そう」

相談もしていない、話題にもあげていないにも関わらず、人は勝手に自分の意見を押し付け、心をかき乱す。

私自身この気持ちを、この悩みをどこで打ち上げればいいのかわからず、SNSで呟くこともままならず、自分の心の中に押し込む。そんな日々の繰り返しだった。

一人目不妊に関しては、SNS、ブログ、書籍、様々なところで当事者の体験を目にすることが出来る。

時にはどのように終結を迎えたのか、どのように自分の気持ちの整理をつけたのかまで詳細に書かれているものもある。

ただ、2人目不妊に関する当事者が発信している情報が少ない。
どのようにして気持ちの整理をつければいいのか、参考になるものがほとんどないのだ。

コミュニティーもない。同じ立場で話が出来る人もいない。参考になるような体験談もなかなか見つからない。

道しるべになるものがなく、暗闇の中手探り状態で進んでいる…私を含め、そんな人もきっと少なくないのだろうと思う。

私の葛藤から決断までの経験が誰かの参考になれば

不妊治療退職をし1人目を出産して11年、一人っ子を決断して6年、私の今の気持ちは、「思い描いた通りの人生なんて歩めない」である。

今の私は、20代の頃に思い描いていた人生とは全く違った人生を歩んでいる。時には自暴自棄になり、自分は何をしたかったのだろう?と思う事もあった。

ただそんな葛藤をひとつひとつ昇華しながら、ここまで歩んできたのも事実だ。

「人生なんて思い通りにならない。だったらその場その場で軌道修正しながら歩んでいくしかない」
ようやくそんな風に考えられるようになった。

語っている人が少ないのであれば、私が語ればいいのではないか?
私の葛藤や思い・経験が、もし誰かの役に立つのなら・・・・

そんな思いで10回にわけて、≪2人目妊活 私が一人っ子を決断するまで≫をお届けしていこうと思います。

残り9話、もしよければお付き合いいただければ嬉しいです。
*毎週金曜夜に更新します

第2話はこちら




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kazuyo usui 不妊カウンセラー・臨床検査技師
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