不妊治療で行う不妊検査一覧 スクリーニング検査編
不妊治療をスタートさせると、様々なタイミングで検査を行います。ただ、クリニックごとに行っている検査項目が違ったり、検査の時期が違ったりすることが多々あります。
そのため、検査項目がわかりにくい、必須な検査と選択できる検査の違いがわからない、などの声を聞くことも少なくありません。
この記事では不妊治療で行う検査の項目やタイミング、有効性などについて解説していきます。
*男性の検査に関する詳細は男性不妊に関する記事内で記載する予定です
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不妊検査を受ける前に知っておいてほしいこと
検査で全ての原因がわかるわけではない
「検査を受ければ原因がわかる」「検査で問題なければ大丈夫!」そう思っている人は少なくありません。
不妊治療の最初に受けるスクリーニング検査で、男女ともに特に問題なかったため、「しばらくは自己流で妊活を続けます」という判断をされるカップルもいます。年齢的に余裕があって、妊活を始めてすぐに検査を受けた場合は、1年ぐらいは自己流で妊活をするのもありです。
ただ、すでに半年から1年以上自己流で妊活をしている場合や、年齢的にもステップアップを急いだ方がよい場合は、「検査で問題なかったから」と自己流の妊活を続けることはお勧めできません。
不妊のスクリーニング検査は、あくまでも不妊原因の一部を検査しているに過ぎず、この検査だけで不妊の原因が全てわかるわけではないのです。
例えば、卵管造影検査を行っても、「卵子の卵管采へのピックアップ」や「卵管内での受精卵の輸送」などは検査では調べることができません。あくまでも卵管が閉塞・癒着していないかどうかを調べているだけです。
検査は万能ではありません。検査はあくまでも一部の不妊の原因を調べているだけなのです。
体外受精をしてわかることもある
不妊治療の場合、体外受精をしてはじめて不妊の原因がわかることがあります。
例えば、精子と卵子が上手く受精するかどうかは、体外受精で受精状態を確認して初めてわかります。胚盤胞まで成長するのか?良好な胚盤胞が出来ているのかも、体外受精を行ったからこそわかることの一つです。
体外受精(ふりかけ)で受精しない場合は、顕微授精で授精させます。
卵子の質そのものを検査する方法はまだみつかっていませんが、受精卵の成長具合からある程度の予測が立てられるようになりました。PGT-A検査を行うことで、受精卵の染色体異常の有無を判断することもできます。
体外受精であれば、一度に複数(10個以上)採卵して、妊娠の可能性が高い良好胚を選んで移植することも可能です。
不妊のスクリーニング検査で特に問題なくても、ある程度の期間で体外受精へのステップアップが勧められる理由のひとつに、このような要因も関係しています。
有効性がわかっていない検査もある
実は不妊検査の中には有効性がわかっていないものもあります。
特に現在先進医療Aで実施されている着床に関わる検査に関しては、医師によって考え方も様々であり、ガイドラインの推奨度も決して高くありません。
また自費で行っている検査においても、有効性が明確になっていない項目もあります。そのため全ての検査をただ闇雲に受ければ良いというわけではありません。エビデンス、ガイドラインの推奨度、自分にとっての必要性などを医師を十分に相談したうえで判断していく必要があります。
これらに関しては、反復着床不全に関する検査の記事で詳しく記載していきます。
不妊治療を考えた時に受ける検査(スクリーニング検査)
不妊治療を考えた時に受ける検査は、一般的にスクリーニング検査と呼ばれます。クリニックよって若干の検査項目に違いはありますが、体外受精まで実施しているクリニックであれば、ある程度は同じ内容の検査を受けることができます。
ただ一般婦人科等で不妊治療を専門としていない場合は、一部行われていない検査があるため注意が必要です。
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