着床前診断が産み分けに利用されている現状について思う事
着床前診断と産み分けの話、以前からなんとなく風の噂では聞いていましたが、最近はSNSで何の迷いもなくそれらの情報を発信している人を見かけることが増えました。
実際にnoteでも着床前診断と産み分けについて発信している人を見かけることがあります。
この記事では、着床前診断が産み分けに利用されている現状について綴っていきます。
着床前診断とは
本題に入る前に着床前診断について簡単に解説しておきます
着床前診断とは、体外受精で出来た胚盤胞の一部を採取して、遺伝子や染色体の本数や構造に異常がないか検査するものです。着床前診断にはPGT-A PGT-SR PGT-Mの3種類の検査があります。
PGT-A
受精卵の染色体の数を調べる検査。反復着床不全や流産や死産を2回以上繰り返している場合に選択することが可能な検査です。PGTを選択する場合は、多くの方がこの検査を選択することになります。また今回取り上げる産み分けに関しても、PGT-Aの検査を行います。
PGT-SR
夫婦に染色体異常がある場合に行う検査。染色体の構造異常を調べます。
PGT-M
重篤な単一遺伝性疾患を対象とした検査。生まれてくる子供がその病気を発症させる可能性がある場合に検査を行います。事前に審査があり、誰でも受けられる検査ではなく、適応疾患も限られています。
着床前診断の産み分けは国内では原則禁止
着床前診断の産み分けは国内では原則認められていません。日本産婦人科学会が患者向けに出しているチェックリストにも、「性染色体の情報は原則開示しません。男女の産み分けが目的ではないからです」と明確に記載されています。
ただしこれらに罰則規定はありません。そのため、原則認められていないのを知ったうえで着床前診断による産み分けを提供しているクリニックもあります。
ここから先は
¥ 800
よろしければサポートお願いします。いただいたサポートは今後の活動費に使わせていただきます