小学校の動物を幸せにする①
小学校の校庭の片隅に、飼育小屋がある。
ある、という事は知っているが、基本的にはほとんど誰も見向きもしない。
五年生になって所属する委員会を決める時に「飼育委員会」という物が登場し、校庭の片隅にある飼育小屋の中にはウサギが3匹いる、という事を知る。
飼育委員としての仕事は、順番に餌を与えて小屋の掃除をする、という物でとりたてて大変では無いはずである。
しかし、小屋をみて児童はびっくりする。
ウサギのスピードが速くてすぐに逃げてしまい、ほとんど触れない。そもそも、毛が薄汚れてごわごわして悪臭さえ放ち、そんなに触りたくもない。
また、フンや尿があちこちに散乱し、キャベツやパンくずも同様である。
これらの惨状を見た小学校五年生の飼育委員たちは、ウサギの御世話をする事に何となく気が向かなくなってしまう。
また、飼育委員会の先生も上から割り当てられただけで、特にウサギを好きなわけではない。
御世話の仕方もウサギの触り方も詳しいわけでは無く、早く任期が終わらないか、ただそれだけを考えてしまう。
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