カフェ空間の特徴と魅力 〜パリのカフェから学ぶ場づくり〜
法政大学 長岡研究室が主催する、オープン・ゼミ(通称カフェゼミ)に参加してきました。
5年近く前に奈良 吉野のイベントお逢いしてから、長岡先生やゼミ生の方々とは交流する機会があり、定期的に開催するカフェゼミや自画持参などのイベントに参加させてもらっています。
カフェゼミは、大学で定期的に開催しているゼミを学生や社会人の垣根を超えてカフェや飲食店で開催する、越境的で創造的な場造りに挑戦するゼミです。
長岡研究室では毎週木曜日にゼミを行っています。カフェゼミはその一環として実施するもので、「お客様を招待する目的で企画したイベント」ではありません。あくまでも、大学のゼミをオープンなかたちで行うことを通じて、新たな学びの場の可能性を探索していることを理解いただければ幸いです。
カフェゼミ 26th April 2018|Facebook より引用
長岡研究室の活動スタイルとして、長岡先生は以下の3つが挙げられていました。
1:参加体験型のグループ活動
2:越境的活動を個人で展開
3:デザインを思考したスタイル
個人的に上田先生のようなワークショップと、加藤先生のようなフィールドワーク、そして自作自演というキーワードが分かりやすく的を射ているなと、微笑んでしまいました。
今回のカフェゼミのゲストは、書籍【caf´eから時代は創られる】で有名な、 飯田美樹 さん(カフェ文化研究家、東京大学情報学環助教)。
パリのカフェと日本のカフェの比較をしつつ、カフェという「居場所」の特徴と魅力についてのプレゼンテーションでした。
個人的にビックリしたのはパリのカフェは、テラス席は基本海外観光客しか座っておらず、テラス席はカウンター席と比べてコーヒー1杯の値段が数倍高いということ。
また、パリのカフェがサードプレイスになり得たのは、飲み物よりも会話がメインであり、また変わった人も受け入れる主人の懐の広さがあること、そしてここに行けば何かいいことが起こるかもと期待感が持てる場所であったことが要因との説明もありました。
当日の様子は #melc2018 で検索すると出てきますので、興味持った方は是非チェックしてみてください。
後半は参加者同士の対話セッションと、飯田さんと長岡先生とのパネルセッション。
パネルセッションの中では、日本人はセルフサービスという形に慣れてしまっている。そしてセルフサービスでは出逢いや会話は生まれないという話しがでるなか。スターバックスで店員との日常会話することがある人という質問では参加者から多く手が上がった。
ただし、セルフサービスのスタイルを取っている以上は、注文している最中に長く話すことも難しく、またメニュー表に無いものを頼むというのも御法度な環境であるという指摘もありました。
最後に、長岡先生からは、冒頭で「なぜカフェで専門書を読むのか?」という問いに対して、いかなる肯定的な機能にも特化せず相反している多様性が混在しているからこそ、そのような行動が起きているのではないかという、カフェの魅力を説明していました。
多様な人達を受け入れながら、イスに座って大きな声を出さなければ、ある程度参加者は自由に活動できる。そこに固定的な機能はないからこそ、本人に気づきが生まれる。
カフェだけでなく、そんな場を増やしていくことが、創造的なコラボレーションが生まれる出逢いやヒントなのではと、気づかされた1日でした。
そしてこの記事をスターバックスでいつも注文する、スターバックスラテを飲みながら書いている私も、まだまだルールに縛られているなと思った今日この頃でした。
カフェゼミは、春学期と秋学期に各3回、市ヶ谷の街中で開催するとのことですので。もし興味もった方はこちらのページからチェックしてみてください。