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【エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング:シーズン1-6】自分を信じて、チャンスをつかみ取る(後編)
(1)「成功する人」と「そこそこの人」は何が違うのか
こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
前回は、私たちが暮らしている社会そのものに、「自分を信じる力」「自己肯定感」を削り取る構造が内包されているというお話をしました。
だからこそ私は「自分を信じる力」の必要性を訴え、今回のテーマでもある「脳をしっかりと働かせてチャンスをつかみ取る力」というテーマを重要視しています。
ゴール、夢、ビジョンという目指すものがあって、思い描いた未来を現実にする方法論は、認知科学的にはすでに存在しています。そして、私の先生たち、諸先輩方のおかげで、必ずといっていいほどに結果が出るような仕組み「ゴールドビジョン」「CEOコーチング」が完成しました。
私のコーチングの体系で重要なのは、「ゴールを設定する」ことと、「自分はできると自信を持つ」ことの2軸です。
「目標はあるけれど、自分には無理だ」と思ったら、やはり実現は難しいですよね。あるいは、自信だけあっても、目指すものが明確でなければ、何に対する自信なのかもわからないので、これも難しい。だからこそ、上記の2軸が大切なのです。
しっかりと目標を設定していると、チャンスが目の前に現れるようになります。でも、やってきたチャンスをスルーしてしまうことが、非常に多いのも事実です。
いま、この記事を読んでいる方は、「どうして?」と感じるかもしれません。どうしてチャンスをスルーしてしまうのでしょうか。実はスルーした本人も「どうして?」と思って、「やればよかった……」と後悔していたりします。場合によっては、「あのとき、こうしていれば……」と何年も後悔している場合すらあります。
メソッド通りにやれば、まったくうまくいかない人はいないのですが、実際問題として、チャンスをものにできる人と、そこそこの成果に留まっている人に分かれてしまっている……。
その差となっている要素が、「ゴールドビジョン」や「CEOコーチング」の先にあるコンセプト「チャンスをつかみ取る力」になります。
(2)「ドリームキラー」という存在
では、なぜつかみ取る力を発揮できないケースがあるのでしょうか。
理由は簡単で、自己評価が低いため、ゴールを達成するためのチャンスが目の前にやってきてもつかめないのです。
よくあるのは、せっかくチャンスが訪れても「まだ早い」と思ってしまうケースです。「自分にできるだろうか」と心配になって、周りの人に聞いてしまう。
しかし、基本的に周囲の人というのは、「ドリームキラー」(あなたの夢をつぶす人)です。慣れ親しんでいる状態である「コンフォートゾーン」は、あなた自身と相手の間にも存在しています。
あなたがチャンスをつかんでしまうと、相手との間に構築されていた「心地よい空間」は崩れてしまいます。一緒につくってきた空間が崩れると、さまざまなことが不安定になるので、相手としてはできれば壊してほしくない。
だから、「このままでいいんじゃない?」とアドバイスするのです。
「そうね。いいチャンスだと思うし、やればできるかもしれないけれど、もう少し時間が必要なんじゃない?」という言葉の裏には、「あなたがそのチャンスをつかんでどこかに行ってしまうと私はさみしいから、このままでいいんじゃない?」というメッセージが込められているのです。
相手は無意識のうちに、「このままでいてほしい。そのほうがあなたも私も安全だから」と思っているわけです。
当の本人も、そうやって周りの人から言われると、「まだ早いのか」と思ってしまって、「そうだよね。じゃあ、次の機会にしようかな」と、目の前のチャンスをつかまずに見送ってしまう……。
こうなってしまうのは、自己評価、自分を信じる力が低いからです。書籍『CEOコーチング』の中の言葉でいえば、「コンフィデンス」(確信)が低いからです。だから、チャンスをつかむ、成功をつかむ、幸せをつかむためには、自分を信じる力が必要なのです。
にもかかわらず、そのことがよく理解されていないために、多くの人はたくさんあるチャンスをどんどん逃がしていってしまう。そして気がついたら「こんなはずじゃなかったのに」となってしまうのです。
通常、自分を信じる力を発揮してチャンスをつかんだ結果として、経営者、リーダーに登り詰めた方の自己評価は決して低くありません。
しかし、自分の持っている自己評価よりも上のものに関しては、気づかないうちにスルーしてしまっています。ですから、自分を信じる力が上がっていけば上がっていくほど、つかむことができるチャンスの範囲が広がり、確率も上がり、その分どんどん前に進んでいけるのです。
(3)「セルフトーク」には人生を劇的に変えるパワーがある
前回、「『自分はダメだからがんばろう』と思う必要はまったくありません。『ダメだ』と思うのではなく、『自分はできる』と思うことが『よいこと』なのです」とお伝えしました。
日本では古くから「言霊」という力が信じられてきましたが、私のコーチングの体系では、それに近いものとして「セルフトーク」という概念が組み込まれています。
どういう言葉を自分自身に対して発するかによって、自分がつくられていく――。自分が自分自身に発する言葉である「セルフトーク」には人生を劇的に変えるパワーがあります。書籍『フィードフォワード』(フォレスト出版)の中で、私は「セルフトークを制するものは人生をも制する」と格言めいたメッセージを記していますが、これは決して冗談ではありません。
自分で自分に語り掛ける言葉がポジティブなものであれば、自己評価は上がっていきます。自己評価が上がっていけば、結果として、チャンスをつかむ能力も上がっていきます。私自身、何度もそれを体験しています。
(4)時間は「過去」から「未来」へと流れているのではない
今回、もう1つだけお伝えしたいのが、「時間の流れ」についてです。
「過去」から「現在」、そして「未来」に時間が流れているとは思わないようにしてください。
読者のみなさんは、「?」と狐につままれたような気持ちになっているかもしれません。それでも、時間は未来からやってくる、つまり「未来」「現在」「過去」の順番で物事を考えていただきたいと思います。
例を挙げたいと思います。
いま、「未来」のことを決めれば、その未来が現在になります。
たとえば、この記事を書いているのが「金曜日」だとします。週末、すなわち土曜日と日曜日の予定を「いま」決めると、その未来はその日がやってくれば当然「現在」に変わります。そして、週末が明けた月曜日には「過去」になっていることでしょう。
まず「未来」を決める。そうすると、時間が経ってその「未来」が「現在」になる時がやってくる。そしてさらに時間が経つとその決めたことはいずれ「過去」になる。
このように捉えるなら、「未来」→「現在」→「過去」という流れも、あながち間違ってはいないと感じられるのではないでしょうか。
そう考えることができるなら、「未来は変えられる!」と思えて勇気が湧いてきて、自信が持てるようになります。
これまでのように、過去に制限されて「過去に自分はこうだったから、未来もこうだろう。どうせこれ以上は無理だろう」と考えるのではなく、「未来を決めると、その未来がやってくる」と思えれば、「いま、何を言うのか」「いま、どんなゴールを設定するのか」が重要になってきます。
そうやって考えられるなら、未来から逆算して、もっと広がりがある世界観を、人生にあるいは仕事につくっていくことができるのです。
今回は、「チャンスをつかみ取る力」を支えているのが、「自分を信じる力」だということをお伝えしました。
また次回お会いできるのを楽しみにしています。
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