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【エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング:シーズン1-7】インボルブメント-人を巻き込み、動かす(前編)

(1)人はみな、一人では生きられない


こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
 
今日のテーマは「人を巻き込み動かす力」(インボルブメント)です。
「人を巻き込み動かす力」というのは、なんとなくイメージできると思いますが、「インボルブメント」(Involvement)と言われると、「はて何のことやら?」と思われる方も多いかもしれません。
 
“Involvement”という英単語は少し難易度の高いものですが、私が外資系の企業に勤務していたときはよく耳にした単語でもあります。たとえば、メンバーの協力を得る必要があるときに「じゃあ、あの人を“involve”しておいて」という感じで使われていました。ニュアンスとしては、「乗ってもらう」「参加してもらう」「協力してもらう」といったところです。“involve”の名詞形が“Involvement”になります。
 
言葉の意味だけを聞くと、「自分の都合で巻き込んで動かす」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんので、もう少し説明したいと思います。
 
まず、なんのために「人を巻き込んで動かす」のか。
その目的はもちろん「ゴールドビジョン」を現実のものとするためです。つまり、ご自身の夢、大きな目標に向かっていくなかで、こそこそ行なうのではなく、堂々と行なうのが、この「インボルブメント」なのです。
 
単なる人脈力、巻き込む力よりも、はるかに広がりと深みがあるものであり、この力があれば物事はうまくいきますし、逆にこの力が弱いとつまずいてしまう……。
そんな決定的に重要な力になります。人はみな、一人きりでは生きられないのは自明のことであり、誰かの力を借りながら前に進んでいます。別の表現をするなら、誰かの力を借りたほうが効果的であり、早く前に進めるのです。

(2)「応援される力」と「ロケットのエンジン」


私のコーチングの体系は認知科学を土台としています。私の二人の先生であるルー・タイスさんと苫米地英人さんから学んだことを、自分の体験、経験に重ね合わせ、自分なりに深めて発展させていったものが、「CEOコーチング」です。
 
その基本原則は「ゴール、目標を上手に設定する」ことと、「自分を信じる」ことの2つ。
この2つさえやっておけば、誰でも夢や目標が叶うと言っても過言ではありません。しかし、それらをしっかりとやっているにもかかわらず、うまく進まないという場面に遭遇することがあります。
 
しっかりとゴールを設定し、自分自身を高く評価できていれば十分なはずなのに、「現状維持」の側面が強すぎるがゆえにうまくいかない。この、現状を維持したいという人間に備わっている特性をCEOコーチングでは「コンフォートゾーンを維持する力」と呼んで強調していますが、この力が極めて強いため、現状を超えてブレイクスルーするのにはかなりの力が必要になります。
 
地球の大気圏を突破した経験のある方はほとんどいないと思いますが、宇宙船やロケットが地球の引力、重力に逆らって飛んでいく様子が映画などではよく描かれています。その際、エンジンの力が十分でなければ失速するでしょうし、十分であれば宇宙へとたどりつくことができます。
 
私がここでお伝えしたいのは、目標に到達するには、2つの基本原則に加えて、ロケットが宇宙へたどりつく際にエンジンの力を必要とするように、「人を巻き込み動かす力」という強力な力が重要になるということです。
 
この力は、「応援される力」と言い換えることもできます。
応援される力には2種類あります。1つは同じくらいのレベルの仲間たちから「がんばれ!」と押し上げてもらうもの。いまはあまり行なわれていないと思いますが、昔は海外赴任する同僚がいれば、みんなで成田空港まで見送りにいって「頑張れ!」「いってらっしゃい!」と送り出していました。
 
もう1つは自分よりも先に行っている人、たとえば業界の先輩、会社の上司、親や先生といった人たちに引っ張り上げてもらうもの。みなさん自身、会社の中で昇進したり、物事が前進するときに誰かに引っ張り上げてもらった経験があるはずです。
その際、同僚から応援してもらうことも重要な要素ではありますが、最後の最後は「君、これをやってみないか」という形で上司や先輩からぐっと引っ張り上げられなければ、チャンスはやってきませんし、先に進むことはできません。
 
みなさんの周りにも、この間まで同じくらいのレベルだったのに、やけに早く結果を出して、あれよあれよという間に出世したり、有名になったりする人が一人、二人いるのではないでしょうか。ご自身がそういうタイプだという方もいらっしゃるでしょう。そういう人たちが、知ってか知らずか発揮しているのが、「応援される力」、すなわち「人を巻き込み動かす力」なのです。
 
そういう人に久しぶりに会うと、「なぜだろうか」「何があったのだろうか」と思う反面、「運がよかったのだろう」と感じて納得してしまうかもしれませんが、彼らはみな、裏では「人を巻き込み動かく力」を発揮しています。

(3)抽象と具体-学び方は1つではない


次回は、具体的な例を挙げながら、「人を巻き込み動かす力」の7つのステップ(7つの力)を解説していきます。
今回は、本記事をはじめとして、私のコーチングにおける「伝え方」の話をして終わりたいと思います。
 
私はいつも2つの伝え方を意識しています。
1つは、わりと抽象的な伝え方。具体的な事例はたくさんあるにもかかわらず、具体的過ぎると、誰かに限った話、一社に限った話になってしまい、いくら意義ある内容であっても「これは自分とは関係ない」と感じる方が多いため、あえて抽象的に伝えることがあります。ですから、ご自身、あるいは自分の周りに当てはまりそうな人をイメージしたり、重ね合わせながら聞いていただければと思います。
 
一方で、「自分は具体例を聞いたほうが理解しやすい」というタイプの方もいらっしゃいまので、この連載でも、どちらのタイプにも届くように、ときには具体的な話を取り入れるようにしています。
 
どちらの学習タイプがいいとか悪いとかではなく、スタイルが違うだけの話ですので、みなさんも誰かに何かを伝える際は、相手がどちらのタイプかを考えながらお話しされるとよいでしょう。
あるいは、ご自身が具体的な話を聞きたい人であっても、あえて一度抽象的な聞き方でやってみるとか、自分とは違うタイプの学び方を実践すると、また違った発見があると思いますので、おすすめです。
 
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
また次回お会いできるのを楽しみにしています。

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