子どものしたい遊びをさせる
子どもと遊んでいて思うのですが、僕ら大人が「この遊びはいい遊びだ!」と考えて提供するよりも、子どもがしたいと思っていることを一緒に遊んだほうが子どもの発達をより促すことができることを感じています。
子どもが好きな遊びの方が集中するのはもちろんのことですが、彼らは自分に欲しい刺激を感覚でわかっているし、自分の好きなことを能動的に行う方が脳の発達に優位であるとされているからです。
脳科学において解明されているのですが、受動的に取り組む課題よりも、本人が積極的に取り組む課題の方が、脳に入る感覚刺激が多いという研究があります。脳に入る感覚刺激が多いほど神経の発達が進んでいくので、結果自分で好きなものを積極的に集中する方が脳機能が向上しやすいのです。
また、子どもは自分が今どんな刺激を身体が求めているかをわかっています。頭で理解しているというよりは、身体が欲している要求に素直なんだと考えています。
例えば、もっと自分の身体イメージを明確にしたい、安心感が欲しい子は大人にべったりとくっついて触ってもらうのを求めてくるでしょう。
頭の位置や姿勢を保つために必要な前庭感覚に刺激を入れたい子は、大人にぐるぐる回してもらったり、ブランコや滑り台で遊ぶ遊びをしたがるかもしれません。
頭でイメージする能力を高めたい子は、パズルやおもちゃで空想遊びを楽しみます。
この様に、その子その子で能力を伸ばしたい感覚や今したい遊びは微妙に変わってきます。僕ら大人ができることは、その子のしたい遊びでどの様にしたら能力を高められるかを考え、遊びの選択肢を提示することだと考えます。
僕らが「これは偉い先生から教えてもらったいい遊びだ」と思っても、子どもに無理強いをして遊ばせると、最悪子どもの主体性を奪ってしまう結果につながってしまいます。
どうしてもこの遊びをしてほしい!と考えるのなら、まずは大人が楽しむ姿を見せるのが一番でしょう。こんなふうに楽しく遊べるんだよ!と子どもと一緒に楽しんで遊んでみてください。
決して真面目になりすぎるのではなく、一緒に遊んで楽しむということが、子どもの発達を促すためにとても大事なことだと考えています。