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賢く育つために知って欲しい「運動と学習のつながり」の事

子どもにはかしこくなって欲しい。親なら誰でも自分の子どもにその様な希望を持っていると思います。


この数年でインターネットの普及による情報量が莫大に増え、その影響で時代の流れはかなり速くなっています。具体的には今の1日の情報量が江戸時代に住む人の一生の情報量に等しいと言われるほど。そのため、時代の流れに取り残されない様自分で考えて行動しないといけない時代になってきたと感じています。


僕ら親世代でその様な時代になってきているため、自分の子どもが大人になる頃にはさらに情報量が増え、自分で考え判断する能力が必要になってくると考えています。


そのため、今後子どもに必要になってくるのは自分で思考し考える力。最近では学校教育の現場においても、正解を答えるのではなく考える力を身につける学習法であるアクティブラーニングが注目されています。


子どもにしっかりと考えることのできる、賢い子になって欲しい。そのために塾に行かせたり英語を習わせたりと早期教育を行なっている方も多いかと思います。しかし、かしこく育てたいからといって勉強を行わせるのはちょっと待ってください。


実は子どもが賢くなるのに最も必要なのは、遊びや運動を通して、身体の基盤を作る事なのです。


今回は、遊びや運動がなぜ賢くなることに関係していくかを記事にしたいと思います。



身体感覚が学びの土台になる

遊びや運動が賢くなるために必要な理由の一つ目は、「人が発達・成長する過程で運動や感覚が土台になる必要があるから」です。


具体的に図に表してみたいと思います。

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こちらの図は、人間の発達において何が土台となっているかを表している発達ピラミッドというものです。


少し難しい図になるのですが、簡単に述べると、視覚や触覚、平衡感覚といった感覚システムが発達の土台になり、言葉や学術的学びが発達の頂点にあります。つまり、運動神経や身体感覚が育つことで発達の土台が安定し、高次の学術的学びが発展していくのです。


砂山でイメージして欲しいのですが、土台を大きく、しっかりと固めておかないと大きな砂山を作ることはできません。それと同様に、身体感覚が育っていないといくら知識を詰め込んでも上手く情報処理を行う事ができません。また身体感覚が上手く育っていないと姿勢や呼吸、目の動きや情報処理が上手くいかず、勉強に対しての成績やモチベーションが上手く上がらない原因にもなります。そのため、まずは身体感覚を高める事が非常に重要になるのです。


では身体感覚はどの様に高める事ができるのでしょうか。そこで大切になるのが遊びや運動になります。遊びでは体を使う事で子どもに多くの感覚刺激が入ります。その感覚刺激がたくさん入る事で子どもは身体感覚を成長させ、学習の土台を作る事ができる様になるのです。


運動で脳の機能が育つ

また、運動を行うことは脳機能の向上にも効果があるとされています。これまでにも様々な研究で、運動後の脳の神経シナプスの増大や血流の増大が確認されており、それらが脳の機能に大きな影響を与えている事が実証されているのです。


具体的な例としては、運動をする事で、運動や学習に関与するドーパミンホルモンの分泌の増強、長期記憶の向上、細胞レベルのシナプスの結合がうながされ、結果学習能力の向上につながるのです。



昔は「身体を動かして学ぶ」事が当たり前

ここまで、学習と運動には密なつながりがあることを書いていきました。脳のことを学べば学ぶほど、身体感覚や運動と学習は密接な関わりがある事がわかります。


なぜここまで運動と学習には密接な関わりがあるのでしょうか。私は人間が元々動いて学ぶ生き物だったからだと考えています。


そもそも、勉強と聞くとイメージされる座って勉強を行う風景は文明が発展してからのことです。文明が発展する前、人の先祖が狩りなどをして生活していた頃は、生きるために必要なことは体を動かして実際に体験することで学んできたのだと思います。


身体を通して体験し、学習することでより色々な事ができる様になる。自然とともに生きてきた時代なら当たり前のことなのでしょう。頭を使うことに慣れてしまった現代人は今一度身体を動かすことで学習能力も向上することを認識する必要があると感じています。


少し話は逸れてしまいましたが、子どもも体を動かさなくなってしまっている現代だからこそ、身体と学習の繋がりを再認識しながら両方を育む必要があると考えています。




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