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鉄棒遊びで運動の土台の「肩まわりの筋肉」を刺激する!

以前も記事に挙げましたが、公園の遊具は子どもの発達を促すことができる道具がたくさんあります。

最近は危険という理由で遊具が撤去されているところも増えていますが、全身を使って遊べる遊具が無くなってしまうのは非常にもったいない事だなと思います。


今回は、そんな遊具の中でもどこにでもあるけど身体の発達に役立つ「鉄棒」をご紹介したいと思います。


鉄棒で伸びる発達や遊び方を知ると、公園で遊ぶ時より楽しく子どもを遊ばせることができますよ。


日常生活、スポーツ動作全てに必要な「肩まわりの筋肉」

鉄棒で鍛えられるところ、それは「肩周りの筋肉」です。

代表的なところで言うと、肩甲骨の周りの筋肉、特に前鋸筋と言う名前の筋肉に刺激が入ります。

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前鋸筋は上の図の様に肩甲骨周りにつく筋肉で、肩を動かす際に肩甲骨を安定させる働きを持っています。


この前鋸筋が働いて土台である肩甲骨が安定することで肩関節に負担がない状態で運動を行うことができる様になるのです。


そしてこの前鋸筋、使わないとすぐに機能が落ちてしまう筋肉でもあります。この筋肉の能力が落ちてしまうと、肩甲骨が安定しないため他の筋肉に力を過剰に入れて肩甲骨を支えようとしてしまいます。その結果肩こりや肩の動かしづらさ、球技だと投球動作のパフォーマンスの低下につながってしまいます。


またこの前鋸筋、腹筋を介して骨盤とくっついており、走るときの腕の振りにも関与します。前鋸筋が働くことで走る時の骨盤の動きの安定性、推進力が向上するため、走ることが必要なスポーツ全般においても非常に重要な働きを持っているのです。


この様に前鋸筋は肩甲骨を安定させる役割を持っており、安定することでスポーツに必要な能力の向上が図れる、非常に重要な役割を持っている筋肉になるのです。


この前鋸筋を働かせる運動の一つに、「ぶら下がる」動作があります。ぶら下がって体重を支えることで前鋸筋の運動を引き起こすことができるのです。


そしてこの鉄棒で遊ぶ運動は、棒につかまってぶら下がる動作を求められる運動です。そのため、前鋸筋を上手く使える様にするために必要な運動要素がたくさんある運動になるのです。



ぶら下がる、回るで色々な刺激を入れてあげよう!

遊び方なのですが、特に難しいことを考えず、普通に鉄棒遊びをしているだけでも十分です。

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まだ1〜2歳ぐらいの子どもの場合は、鉄棒を握らせてぶら下がるだけでも肩まわりの筋肉の使い方が学習されます。1歳の子どもがぶら下がっても大丈夫かと不安であることを伝えてくれる親御さんもいらっしゃいますが、すぐに大人が助けられるポジションにいれば大きな事故は起こりにくいし、僕らが思っている以上に1歳の子どもでもしっかりと棒を握ってぶら下がり動作を行うことができます。


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ぶら下がり動作に少し慣れてくれば、足を自身で持ち上げてもらい前周りの練習に移ってもいいと思います。


鉄棒を握りながら足を上に上げることで、前述した前鋸筋〜骨盤の筋肉の連結を強くすることができます。この筋肉の連結はどの運動においても非常に重要な働きを持っているため、是非子どもの頃からやって欲しい運動になります。



また頭の位置が逆さまになったり、回転することで、身体のバランス能力の向上に関係する「前提感覚」にも刺激が入ります。



この様に、鉄棒は色々なやり方で遊ぶことで腕の力や走る力の土台となる能力を引き上げる効果があります。


是非公園に行った際は子どもと一緒にぶら下がったり回ったりして楽しんでみてください。

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