あ ・・・
あの時の老婆だったのだ

ハンカチを受け取ると
老婆はどこかに消えていた

見覚えのあるハンカチだった
見ると 血がついていた

10年の間
僕はあれから何処に行っても階段を使うようになっていた
あの時の光景が頭の片隅から離れる事がなかったからだ