岡山でプロ俳優として進む~出口のない街なのか
2024.4.13
昨日は岡山大学演劇部の新入生歓迎公演を見てきました。
若い方たちが演劇を熱を持って演じている姿、満席のお客様が真剣にそれを見ている空気感。とても懐かしい雰囲気でした。
大学演劇をやっていた自分は、プロ劇団の芝居を見て、いつかはあちら側に立ちたいと夢見ていたものです。
そこで、ふと思ったのです。
岡山はこういう若者たちの夢の行き先になる場所はあるのかと。
アカデミーやスクールというインプットの入り口は本当に沢山あります。
でも、それをお客様に見せる出口の数が圧倒的に少ない気がしています。
さらに演劇となると今はほとんどなくて、メインはミュージカル。
芝居を突き詰めるには、なかなかつらい街だと思います。
場がないとプロは生まれない。
という話を以前書きました。
岡山でプロ俳優として進む~そもそもプロって?|kazuya oiwa (note.com)
そのことを考えるときいつも愛媛県東温市にある「坊っちゃん劇場」のことを考えます。
坊っちゃん劇場は西日本唯一の常設のミュージカル劇場として、瀬戸内の伝説や偉人を題材にオリジナルミュージカル作成、1年間を通して公演をしています。
東京の実力ある俳優さん、スタッフさんも関わるすごい劇場です。
数年前は岡山桃太郎伝説も取り上げられました。僕は殺陣指導・振付、出演で参加いたしました。
今ホリプロのブロードウェイミュージカルピーターパンで、主演のピーターパンを演じている山崎玲奈さんご存じですか?
彼女は坊っちゃん劇場があったから生まれたといっても過言ではないと思っています。
坊っちゃん劇場が出来て10年くらいたって、歴史ある松山市市民ミュージカル以外でも、坊っちゃん劇場協力の市民ミュージカルが行われるようになったんです。その中の作品に参加していたと記憶しています。
市民ミュージカルが盛んなのは岡山も同じですが、大きな違いはやはり通年で公演を打ち、そこに出演している俳優は芝居をしながら食っていけているという現実が目の前に。
自分にも出来ると、夢を目標に置き換えられる現実があったことは大きいと感じています。
もちろん彼女の努力はすごかったと思いますよ。(才能とは言いません。あの子は才能があるからという言葉は、時として努力をしない人の言い訳に使われてしまうから。)
でも、やはり自分を信じて、やりたいことに立ち向かった。その夢を後押しする環境が身近にあったことは大きいと思います。
坊っちゃん劇場はビージョイという一企業が思いで始めたんですよ。
今でこそ沢山の協力がありますけど、始まりは当時のビージョイの会長がわらび座の公演を見て感動して、愛媛にもこれを作りたいと走り出したと聞いています。
20年近くの時をかけ、今は愛媛県下の子供たちは一度はミュージカルを見て育つという幸せな環境になりました。
学校公演で作品を見ていた子が、坊っちゃん劇場に出演するケースも増えてきました。
素晴らしい循環です。
でも始まりは、一人が、一企業が思いで始めたことなんです。
残念ながらこうした活動はお金になりません。
坊っちゃん劇場もいい時も悪い時もあったみたいです。
でも、思いでつなげてきた結果、今があります。
ビジネスとして考えたらリスクは高いと思います。
それでも、続くことに意味があると思ってくれている人がいるから、かろうじて続いています。
これからも是非続いてほしいと願っております。
僕個人としては岡山に坊っちゃん劇場のような場所があれば、状況は変わってくると思っています。
今、色々な岡山発のミュージカル企画がありますがどれも単発です。
企画を立てている方々は夢の出口をどう考えているのか気になります。
どのくらい本気でプロを育成できると考えているのでしょうか。
育成したプロはどうするのか。
世界や東京で頑張ってと送り出すのか、岡山で活動できる場を作るのか。
本気で参加する皆さんは、きちんと出口も意識して始めたほうが良いように思います。
一番わかりやすいのは先生やスタッフさんがどのくらい本気の顔ぶれかということ。
皆さんの目標とする場所に道を繋げてくれる環境なのか。
そういった戦略を持ちながら是非歩んでいってほしいと思います。
最後に一つ。
岡山では出来っこない。岡山にはプロはいない。
そういう考え方が残念ながら岡山のあちこちにあります。
東京から来た人は凄い。
といった考え方は強いです。
ですが、はっきり言っておきますが、東京から来ても凄くない人は凄くないし、岡山でやっている人でも素晴らしい人はたくさんいます。
表面的な肩書や立場や状況に流されないで、自分の目を養って、しっかり判断してください。
プロを名乗っていても凄くない人はたくさんいます。
みんなが頼りにしている
元宝塚
元四季
元JAC
など。
養成所でやめても、実績がなくても元は元です。嘘はついてません。
肩書を利用している人は残念ながらいます。
自信がない人ほど肩書を前に出すかもしれません。
頼りになるのは自分の目と心です。
しっかり見極めてください。
そういう意味では、僕のこともしっかり見極めてください。
僕は僕の考えでこれを書いています。
信用できないと思ったら、そう判断してください。
自分のことを一緒に考えてくれて、共に夢の実現に向けて歩める人は必ず近くにいます。
あなたという商品を良いと言って、共に歩んでくれる人の存在は本当に心強いものです。
是非素敵な出会いを重ね、ここ岡山で力を蓄えて羽ばたいて欲しいと願っています。
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