
「デスストランディング」のモデルとも噂されたSFスリラー【映画「オブリビオン」】
個人的に今更プレイしているゲーム「デスストランディング」のモデルになっているのではないかという噂を目にしたので見てみた。
西暦2077年。60年前に起きた異星人スカヴからの侵略を食い止めたものの、核兵器によって荒廃してしまった地球。人類の大半は、土星の衛星であるタイタンへの移住を余儀なくされていた。そんな中、元海兵隊司令官コードネーム「Tech49」ジャック・ハーパーはヴィクトリア・オルセンと共にたった二人で地球に残され、スカヴの残党を始末するため、高度1,000メートルの上空から地上を監視する役目を担っていた。
「第9地区」の展開と思いきや「ニーア」のような近代的に描かれたSF
序盤はスカヴ対人間の争いのように描かれるが、汚染地区で宇宙船を発見しそこに残骸が散らばって生き残った女性と出会ったことでジャックは60年の真実を知り話は急変していく。
スカヴのヴィジュアルやあらすじ的には「第9地区」の展開を予想したが、生き残った人間がスカヴではないある組織から汚染地区に隠れていたことや人類の移住先となったタイタンの真実が明かされていくと
数年前に発売されたゲーム「ニーアオートマタ」のような近代的なSFストーリーの展開になっていくのは面白かった。
今見るとベタには感じてしまうが、公開当時が2013年だったことを振り返るとその後の作品の影響も少なからず与えている良作だったように思う。
デスストランディングの話自体はあまり共通していないが同じロケ地であるアイスランドを使った、荒廃したはずでも美しさは残る地球の見せ方や、革命を起こそうとする人間の心理やビジュアルなど世界観自体はかなり似ている。
仮に噂通りインスパイアを受けているとすると残った人間と0になった文明から再建させているデスストランディングはオブリビオンの最後である3年後の世界観を描いているともいえる。AI技術も滞らなくなり最後に大人が託したのが人工的に改良された赤子だったというのがあのゲームの答えになる。
この辺りもクリアしたら深く掘り下げられるのだろう。
作中ではテックが執拗に「二人は最高のパートナーか」とヴィクトリアに確認していたが、最後にジャックの声色で嘘を見極めていたのを見るとあれも一つの管理だった。
極端に有能なものだけを残し大量生産して機械的に管理していくAIに対するハリウッド的見解はこの映画でも変わらないなとは思った。