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【祝新アニメ化】再び映像化してほしいトラウマ回や原作おすすめ回5選(枕返し、はたもんばなど)【地獄先生ぬ~べ】

今年で連載から30周年を迎え、25年に新アニメ化も決定したので久しぶりに原作を通読し個人的映像化してほしいと思った良かった回をまとめたい。




あらすじ
童守小学校に赴任してきた5年3組担任の鵺野鳴介(通称・ぬ~べ~)。普段の彼は、ドジでおっちょこちょいなところはあるが、どこか憎めない愛すべき先生として生徒たちに親しまれている。しかしぬ~べ~には、日本でただ一人の霊能力教師という、もう一つの顔があった。

枕返し

ファンの中でもトラウマ回の一つとして有名な回にもなる。

生徒の郷子が寝ている最中、妖怪まくらがえしによって枕をひっくり返され未来のパラレルワールドに送り込まれる話になる。

その未来では郷子はOLで疲弊する日々を送っており、恋人だった広も別の女性と結婚。挙句ぬーべは除霊に失敗して廃人と化し律子に介護されてようやく生きているという最悪で胸糞な世界に。

最後はぬーべが鬼の手によって妖怪を諭して除霊に成功し元の世界に戻って終わる。

枕は持ち主の生霊がこもっているともされており、それをひっくり返すということは生死を反転させることだともいわれる。古くは枕返しは生から死へと誘う妖怪として恐れられていたが、現代は妖力は薄れそんな話は聞かなくなった。

当時は最終話手前でアニメ化もされ、見ていた小学生はしばらく枕を使えない子供もいたらしい。

枕をひっくり返す妖怪は座敷童や樹木の精霊などもいたずらでされるともいわれており、大人になっても安易に枕をひっくり返したりするのは注意したくなる。

はたもんば

こちらもそこそこ有名な回だが、令和の子供が見ても教育的な話になると思うのでぜひ現代でもアニメ化してほしい。

江戸時代に罪人の打ち首に使われていた刀が長い年月で妖刀になりさらに妖怪化した名前ともされる。

ぬーべでは生徒の木村克也が妹のためにゲームを買おうとしたが、予算が足りずある神社の賽銭を盗んで買ってしまっことが話の始まりになる。

その翌日クラスで写真撮影をしたところ木村の首から上だけ切られるように写真に写っておらず、前日のできごとを原因と気づいた神社についてぬーべに相談。

その神社は元々処刑場に使われていた場所で、はたもんばもうろつく所だったと聞かされる。彼は再び罪を謝りに行くがすでに罪人とみなされ覚醒し、逃げ込んだ学校でぬーべと対峙していく。

ぬーべが初めて鬼の手で打ち負かされる最初の回だったともいわれる。同じ目的で使われる古い道具ほどその執着が残り妖怪化するということも伝わる話だった。

安易に古い道具に触ったり壊したり、事件や事故があった不穏な場に躊躇もなく入る若い人も増えている中で、こうした見えない妖力や呪いの危険性を分かりやすく学べる最適な回だったと思う。

因みに余談になるが罪人を裁く妖怪の繋がりで「麒麟」の回もよかった。

麒麟はキリンとは違い古くに日本や中国インドなどで分布した動物で神獣ともされておりそのルーツも感じられる。

はたもんばとは違い罪滅ぼしをすれば減刑をする公正な神官として描かれ、自然や動物の神としてもされていた高貴さもでる話で終わる。

話の後に続く作者の解説では西洋圏で違う呼称をされていたユニコーンとの違いの話も対比させてくれているので非常にこちらも勉強になる。オカルトばかりと思いきや神話や宗教に関連する話も多く作りが手厚い。

散歩する幽霊

こちらもガチホラー系。

テーマはベタなトイレの花子さんきっかけの話ではあるが意外と知られないそのルーツも見える話で良かった。

律子からトイレの花子の退治を頼まれるが童守小ではトイレで死んだ子供はいないのになぜトイレに出て、渡り歩いているのかという有名な怪談を逆手に根本的な話を問う回になる。

結論としては戦時中にトイレから逃げ込んでいた子供が学校の中で逃げ遅れそのまま焼死してしまったことの悔いによって成仏ができなかったという話だった。

ぬーべは鬼の手は使わず彼女の思いに寄り添うことで無事成仏する。原作の花子の劇画はトラウマになるぐらい怖くて印象に残る。

トイレの花子のルーツも様々あり昔は汲み取り式で穴が深かったために子供がそのまま落ちてしまう事故が多かったことも背景の一つとしてある。この話も怪談として語り継がれる理由の一つの時代背景がよく見える話。

またぬーべのトラウマ回でもっとも有名な「赤いチャンチャンコ」もトイレ怪談から来ている。

夜ごとの蛇

夢魔の話。

ある女優が寝ている最中に金縛りにあい夢の中で蛇妖の夢を見ることで身体に締め付けられる跡ができるという相談がぬーべの元に。

最初は神経症の金縛りとして片づけられるが、腹の上にのしかかる夢魔の減少も疑われ始める。思春期の女性にしか現れず腹や胸のあたりに黒いようなものが乗って現れることがあるらしい。

ぬーべでは基本的に怪奇現象に合うのが女性キャラクターであることが多い。それは原作の解説コーナーでも書かれていたが、怪奇現象などは基本的に念や霊力によって発揮されるものが多いらしく若い女性ほどその力が多いかららしい。

この回ではその蛇妖は亡くなった母親の守護霊が、その先に起きる事故を防ぐために見せていた夢だったというオチがついて終わるいい話に。

夢については今だ科学的に説明されないことも多いが、短い話で世界の霊力から多角的に見れる新鮮な話だった。

鬼の手

ぬーべの鬼の手の起源の話については原作を読まないと知らない話だった。

ぬーべは幼いころから霊感が強くいじめに合っていたが、同じ霊感を持つ美奈子先生に唯一寄り添ってもらい大人になっても恩師として仰いでいる。

ある日ぬーべの前に地獄の深遠の獄卒・覇鬼が彼を襲い左手を奪われる。そこに庇うように美奈子先生は覇鬼をぬーべの左手に封じられたことが始まりになる。

美奈子先生は彼の良心を認め人のために鬼の手の力を使うことを託し、鬼の手の外側から美奈子先生は封印ぬーべは中から封印しどうにか封じていたらしい。

以来ぬーべは鬼の手を霊力と白衣観音の力で制御し黒い手袋で隠しているが、霊力で太刀打ちできないときにしか力を解放しない。

その後も覇鬼の兄弟となる絶鬼や妹の眠鬼なども現れ彼と度々対峙することになる。旧アニメやメディア化に際してはほぼカットされていたようだが、この辺も新アニメで描くのかどうか。

終盤では覇鬼の封印が解けて復活し、再対決を経て和解もしていく。

封印が解けると鬼の手がなくなり、眠鬼の力を左手に代用して取り外しが可能になったりなど無茶苦茶にもなるしこの辺は評価されないかもしれない。

続編NEOでは覇鬼は地獄に帰っているらしくぬーべの鬼の手もかなりパワーダウンして戻ってきているらしい。能力を使わない話も多い中で新アニメでより現実に寄り添った正しい目線の成仏の話もより出てきたら面白い。


そのほかメリーさんやぶっきらぼうなどのホラー系や、古代文明の道具の妖力を追ったオーパーツ、ガリバー旅行記から追うラピュタの話などテーマも幅広くおすすめを上げるとキリがない。

原作は特に著者による毎話の後に論理的かつ慎重な情報で解説もされていて面白いので読むことをすすめる。この解説だけでもオカルトから神話までかなり広い範囲で学べることは多かった。

連載当時の年代を追うと丁度バブルがはじけてから、オウム事件なども経た混沌とした平成初期の漫画だったので見えないものへの話を求める人も多かったのだろうと感じる。

この辺は現代とも通じる部分もあるし、最近は分かりやすいものへ執着する人も増えてきた混沌の令和にいい新アニメになることを期待する。





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