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アマプラドラマは二の舞になってほしくない【劇場版「龍が如く」】

初めてちゃんと通して観たがラストシーンを実写化したかったのかとしか思えない構成だった。


あらすじ
ミレニアム・タワーがそびえる不夜城・神室町に、伝説の極道・桐生一馬が戻ってくる。かつて「堂島の龍」と呼ばれた彼は、ある事件をきっかけに刑に服し、10年ぶりに町に現れたのだった。

ストーリー

映画は、主人公の**桐生一馬(北村一輝)**が10年間の刑務所生活を終えて出所し、再び神室町に戻ってくるところから始まります。彼はかつて所属していた東城会に裏切られたものの、かつての兄弟分・錦山との複雑な絆を持ちながら、仲間や敵と再び向き合うことになります。彼の目標は、失踪した幼なじみの澤村由美を探し、彼女が関わっていた100億円を巡る抗争の真相を明らかにすることです。

同時に、もう一つのストーリーラインとして、10歳の少女・**遥(夏緒)**が登場します。彼女は母親を探して神室町をさまよい、桐生と偶然に出会います。遥が持つ重要な秘密が、100億円を巡る抗争に大きく関わっていくことになります。

映画とゲームの違い

映画「龍が如く」は、基本的なキャラクターや設定をゲームシリーズから受け継いでいますが、オリジナルの展開やキャラクターアークも含まれています。以下に映画とゲームの主な違いを挙げます。

1. ストーリー展開の簡略化

映画は2時間程度の尺で収めるため、ゲームのような詳細なストーリーテリングやサイドクエストが大幅に削減されています。ゲームでは、多くのサブキャラクターやエピソードが掘り下げられていますが、映画ではメインストーリーに焦点が当てられ、特に100億円事件と桐生と遥の関係に集中しています。

2. ユーモラスなキャラクター描写

映画では、特に三池崇史監督ならではのブラックユーモアや独特のキャラクター描写が追加されています。特に、ゲームでは真面目なキャラクターである**真島吾朗(岸谷五朗)**が、映画ではさらにコミカルで狂気じみた存在として描かれ、エンターテインメント性が強化されています。

3. 戦闘シーンのスタイリッシュさ

ゲームの「龍が如く」シリーズは、ストリートファイトを中心としたアクションが特徴ですが、映画ではアクションシーンがよりスタイリッシュに演出されています。特に、桐生の戦闘シーンでは、現実的な格闘スタイルだけでなく、演出過剰なアクション要素が取り入れられ、映画ならではの視覚的な迫力が強調されています。

劇中では原作とは異なるオリジナルキャラやストーリーを占める群像劇になるがどれも100億円事件の繋がりには薄くていらなかった。低予算で企画だけ通して作られたのも見えるが最後のミレニアムタワーの爆発に向けて概要だけなぞって作られた印象だった。

メインキャストやオリジナルキャラになるキムギドク役のコンユまで、細かく役者は揃えた配役だったが、コミカルタッチがメインでキャラ同士のドラマは無いに等しくファンじゃない人が見てもよく分からない作品だったと思う。

メインキャラクターも不足していてファンは結局桐生と真島の兄さんのキャラクター再現を見るだけのものになる。モノマネにならない演技は流石だったが、今もそこしか評価されていないのはうなずける。個人的には2時間尺でそれだけを見せられるのも後半しつこかった。

ドラマを生んでくれる風間の親っさんや錦山の雰囲気も良かったのだが、後半のおまけ程度にしか出てこない。由美と錦山、そして桐生と戦わなければならないドラマも理由も描かれず映画としてもバタバタな構成のまま終わっていった。

実写化やオリジナルストーリーにする意義もファン以外のマスに向けて発信しているものが見えるならそれでいいと思っている派だが、この作品では誰も幸せにならなかっただろう。

Amazonオリジナルの方は二の舞になってほしくない

それから14年経てAmazonオリジナルドラマとして実写化が決まった。予告見る限り予算もかかっているし質感は格段に上なのは見えるので期待している。

ただこちらも最近どうやらオリジナルな展開になることが見えてきてファンはザワついている。

ゲーム中では「肩書なんていらない」と言った桐生が、ドラマでは「俺は堂島の龍になりたい」と放ったことでファンはざわついてるらしい。

プロデューサーによるとそのセリフも意味があるらしいので原作ストーリーをフリにしたオリジナル展開が進むのではと予測されている。インタビュー見てると脚本もそこそこ委ねていたようなのである程度変わっているのは確実だろう。

正直原作のまま再現しても十分今の時代でも面白くなると思うが、20年近く前から既に愛された原作を掘り起こすならドラマメディアとして新たな意義をつけて制作したくはなるのだろう。配信媒体考えても相手は海外の市場も含めたマスになる。

ゲームの方も最近はコミカルタッチな龍が如く8や真島の兄さんが海賊になるような作品の方が話題になる傾向を感じるが、歴史が深いほど新たなものはコアなファンに向けた暗過ぎるものはあまり勘定に入っていないのかもしれない。

映画に関しては予算や尺の都合上やっている部分も理解できるがヴィジュアルがメインでキャラの作りこみやドラマは二の次三の次だった。それでも愛している人もいる。

質は格段に上だろうしドラマとして新規にも向けた作りにする意義は十分汲んで見ようとは思うが、映画の如くヴィジュアルだけだったような二の舞になるモノにはなってほしくない。



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