【考察】アニオリ新エンドは「Eエンドのその後」か。祖先2号と9号の原罪から解き放たれた世界線とは?【NieR:Automata Ver1.1a】
制作延期が続き7月にようやく止まっていた9話から12話まで放送された
アニメ「ニーアオートマタ」。
3話でもレジスタンスリリィとA2の過去を描いたオリジナル展開はされていたが、終盤にもその流れは続いた。
ゲームではアダムが2bに倒され、兄の死に闇堕ちしイヴが暴走していくのがAエンドであったが、
アニメでは二人の展開は逆になっており、複製された街でイヴが庇って死んでしまいその復讐に戦うのがアダムという内容だった。
ゲームではイヴが闇堕ちするほど兄アダムを心の底から愛しており、ただ一緒に過ごしたい願いも叶わなかったことの悲しみを知る話であったが、
アニメではイヴの死によってアダムにとって彼はどういう存在であったのか、原作では描かれなかったアダム視点の補完をするオリジナルな内容になっている内容だった。
制作延期の理由は感染症による影響の遅れという発表しかなかったが、おそらくこのアニメオリジナル展開によるストーリー制作の影響もあったと思える。
2期の制作決定も発表されたが最後はアニメオリジナルの新エンドが描かれるのは最終話の2号の登場でも感じさせられる。
個人的にはヨルハ計画の秘密に合わせた2bと9sの祖先9号と2号の裏設定も描かれるのではと思えるので、その理由と今後の考察をしていきたいと思う。
「旧約聖書」を彷彿させる原罪の象徴は2Bと9S
1期でもヴィランとして登場したアダムとイヴはご存じ「旧約聖書」の話にも登場する人物と同じ名前である。
旧約聖書のアダムとイヴは禁断の果実であるリンゴを口にしてしまい神から楽園を追い出され、
その先の二人の人生は「原罪を背負う象徴」として語られている。
冒頭からリンゴを手にしていたニーアのアダムとイヴも原罪を背負う存在として描かれていると思いきや実はそうではない。
むしろ真逆でアダムは地球の探求心を追い求めた先に人間の生活や思想にたどり着き、思想や感情を持たないアンドロイドである自らは人間になろうとした。
その結果「複製された街」を作り、痛みを知ろうとすることで人とおなじような感情を持とうとした。
イヴにいたってはただ自らの幸福に従いただ兄のアダムと一緒に遊ぶことを望み、兄が探求の中から帰ってくることを平穏に待つことができればそれでいいという存在だった。
彼らに背負わされた罪はなくただ自らの幸福に従い解放していた楽園が地球だったということ。
しかしアンドロイドによってそのやり方や場所が間違っていたために彼らの望む平穏な幸福も叶わなかったのが二人の悲しいお話でもあるのだが。
ただアダムとイヴの話は2Bと9sの対比的なストーリーであり、本当に罪を背負わされてる象徴なのはこの二人である。
これは2期に繋がる「ヨルハ計画」の秘密にも関わりネタバレになるので多くは語らない。
2Bと9Sの関係にはそのヨルハ計画に繋がる非常に深いわけがあり、彼らも実は悲しみを背負う関係。
そんな関係になってしまったのは2Bと9Sの祖先に繋がる元となる機体、「2号」と「9号」の関係にも遡る呪いに縛られている。
最新型であった9号は好奇心も強く持ちヨルハ計画の全てを知ってしまいその計画を企てた人物を殺そうとした過去がある。
そしてそれを防ごうとしたのは2号でありその後9号を。。。気になる方はしらべてほしい。
そのような過去の背景があり今も二人の関係性には祖先の罪を背負わなければならない呪いがある。2Bは「感情を持ってはならない」としきりに9Sに言うがあれは自分にも言い聞かせているともいえる。
これは原作でも描かれていない裏の設定でもあるが補完として、またオリジナル新エンドに繋がる話として描かれたら面白い。
1期の最終話で9Sの記憶に9号を登場させたのもその伏線だと考える。
アニメ新エンドは原罪から解き放たれたハッピーエンドか
ゲームのEエンドはヨルハ計画の秘密をすべて知った9Sが復讐に燃えるがA2によって止められて亡くなる。奇しくも9号と同じ道を辿っていくのだった。
そして亡くなったアンドロイドの記憶を運んで月に向かう「記憶の方舟」に9Sもアダムによって乗ることを誘われるが、彼は断る。
最後までヨルハ部隊の義務を全うし2Bとの背負わされた原罪もここで終わらすため自分の記憶ごと消えていくのが彼の選択だった。
大切にしていた2Bとの記憶もヨルハ隊員として消えていく悲しい終わり。二人で買い物に行く望んだ時間も最後まで叶わない。
アニメの新エンドがあるならば原作でのこの儚い終わりを補完するハッピーエンドの方向も考えられる。
舞台版では実際にEエンドのその先も描かれているらしく、2Bが記憶の方舟から降りた9Sを救い記憶を呼び覚まして無事二人で平穏に暮らしていく話もある。
1期の最後に9号を登場させたことも含めて裏設定にある二人の呪いの螺旋の背景ぐらいは語られていくのだろうと考えると、
最後に臨むのはその罪から解き放たれた二人の平穏な暮らしの姿である。
アニメ版の説明不足と駆け足具合から正直原作をプレイしていないとついていけなかった自分にとっても、どちらかと言うとファン寄りに作られている作品には感じる。
終盤でゲームの忠実な再現からは完全に離れたのは理解したので、原作からは外れた補完としての二人の幸せな展開はアニメというメディアで考えても非常に理想的な終わりに思う。
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