アメリカ大統領選 ロサンゼルス市民の反応は?
ロサンゼルスに留学中のKazuyaです!
社会人留学をする中での体験や学びをnoteでシェアしていきます。
2024年11月5日、アメリカに限らず世界の未来を左右する、アメリカ大統領選挙が行われました。
SNSを見る限り日本でもかなり話題になっていたようですが、アメリカでは半年前くらいから大統領選挙が話題になり、ドジャースのワールドシリーズ、ハロウィーンの渦中でも一番の注目を集めていました。
今回はアメリカの大統領選挙当日をロサンゼルスで過ごし、体験した出来事をシェアしたいと思います。
◉アメリカの大統領選挙の仕組みは?
アメリカの大統領選挙は間接選挙の仕組みを採用しており、選挙人団を通して行われます。主な流れは以下の通りです。
・予備選挙と党大会
まず、各政党(民主党と共和党)が候補者を決定するための予備選挙や党大会を行います。ここで各党の大統領候補が選出されます。
・一般選挙
本選挙は4年ごとの11月の第1月曜日の翌火曜日に行われます。
有権者は直接候補者に投票するのではなく、候補者に対応する「選挙人」に投票します。
・選挙人団の投票
全米で538人の選挙人が割り当てられており、各州には人口に応じた選挙人の数が決まっています。
ほとんどの州では「勝者総取り方式」を採用しており、州内で最も票を得た候補がその州の全選挙人票を獲得します。
大統領になるには、選挙人票の過半数(270票以上)を獲得する必要があります。
このシステムのため、必ずしも全国の得票数で多くの票を得た候補が当選するとは限らず、選挙人票の分布が大きな影響を及ぼします。
また、投票については、日本と同じく選挙当日と期日前での投票が可能です。
場所によっては、紙ではなくタッチパネル式で投票ができるところもあったみたいです。(日本も早く導入してほしい…)
選挙直前の日曜日にたまたま投票所付近を通ると、かなり多くの人が期日前投票のために投票所へ向かっていきました。
◉ロサンゼルス市民はトランプ派?ハリス派?
ロサンゼルスが位置しているカリフォルニア州は54人の選挙人が割り当てられており、その数は全米で最多となります。
直近の大統領選挙におけるカリフォルニア州の投票結果は今回ハリス氏を擁する民主党が勝利していました。
今回もカリフォルニア州は約57%の得票率を民主党が獲得し、勝利を納めています。
ロサンゼルスの人たちはカリフォルニア州全体の結果と同じくハリス氏を支持する人たちが多いように感じました。
あくまで個人的な見解ですが、その背景にあるのは、「移民が多い」、「LGBTQの比率が高い」というロサンゼルスの特徴が関係しているのではないかと考えています。
まず、「移民が多い」という点から触れていきたいと思います。
ロサンゼルスはメキシコの近くに位置しているということもあり、メキシコを始め南米の国からの移民がたくさんいる州です。
それゆえに、ロサンゼルスでの第二言語はメキシコや南米諸国の母国語とされているスペイン語と言われています。
今回の選挙におけるトランプ氏とハリス氏の政策方針を比較すると、トランプ氏は「不法移民の取り締まり強化」や「移民制度の見直し」など移民に対して厳しい姿勢を表明していました。
その一方で、ハリス氏はトランプ氏と比較すると、移民に対して寛容的な姿勢を示していました。
投票権はアメリカ国民にしかないので、市民権のない移民には投票権はないのですが、こういったバックグラウンドからハリス派の人が多かったのではないかなと思っています。
次に、「LGBTQの比率が高い」ことについて触れていきます。
ロサンゼルスで生活をしていると、LGBTQの方、特にゲイの方と出会うことがたくさんあります。
前回の記事でも登場したウエストハリウッドというエリアはLGBTQの人が集まる場所として有名です。
LGBTQのコミュニティを祝福するPRIDE月間(毎年6月)には大規模のイベントが行われ、毎年数十万人の人が集まると言われております。
こういった背景から、ロサンゼルスはLGBTQの比率が高いエリアだと個人的に感じております。
これまでのバイデン政権では、LGBTQを支援する政策が実行されてきましたが、トランプ氏はそれらを撤回する方針も示しており、今後のトランプ政権ではLGBTQに対する支援が停滞することが見込まれます。
そのため、ロサンゼルスに住む多くの人はハリス氏を支持していたのではないかと思います。
実際、今回の選挙でトランプ氏が勝利したことを受け、SNSではLGBTQの友人による悲しみの声も散見されました…
◉大統領選挙の影響で騒然とする街中
普段から比較的治安が悪いエリアとして言われているロサンゼルスですが、選挙の数日前からさらに街が騒然としていたように感じました。
・差別的な扱いをされることが増えた
選挙と直接的に関係があるかはわかりませんが、選挙が近づくにつれて知り合いから差別的な扱いをされたという話を多く聞くようになりました。
エレベーターで乗り合わせた人に差別的な発言をされた人もいれば、車の運転中に信号で停車した際に隣で停車した人から日本人を嫌うような発言をされた人など、嫌な思いをした人がいたようです。私もいきなり目の前の人が自分に向かって突進してきたことがありました。
大したことじゃないのでよかったですが、いつもと少し違う街の雰囲気を身をもって体感しました。
・選挙結果に発狂する人たち
選挙の結果発表後、ハリス派の人はみんな口を揃えて”It’s gonna be worse.”(これから社会がどんどん悪くなる)と言っていました。
選挙当日の夜に街を歩いていた人から聞いた話によると、結果を受け入れることができずに発狂する際の叫び声が街の至る所から聞こえてきたようです。
アメリカの人たちは、良くも悪くも思ったことをストレートに言い、大きなリアクションで表現する人が多いので、これもアメリカならではなのかなと。
・友達同士の会話でもバチバチに
私と同じような留学生は、選挙権はありませんが、それぞれの背景によって支持する政党や、選挙で議論された争点に対して意見を持っている人がたくさんいました。
選挙の結果発表後、同じ学校に通う生徒同士が自然な流れで話出したのに、会話のトピックが選挙になるとだんだん意見のズレがわかってきた途端にヒートアップしてしまうこともありました。
特に海外で政治の話をするのはリスクがあることを身をもって体感した瞬間でした。
◉日本人の若者はもっと政治に関心を持つべき
今回、大統領選挙の時期をロサンゼルスで過ごして思ったことは、もっと日本の選挙に対して関心を持つべきだということです。(既によく言われていることですが…)
特に、中南米の国からロサンゼルスに来ている人と大統領選挙の結果について話しているときに感じました。
彼らは留学生なので選挙権はないのですが、今回の選挙についてかなり関心をもっていました。
それぞれの国の背景と今回の選挙結果が彼らの国に与える影響を語ってくれたのですが、彼らは自分達の国の状況を良く理解している。
それに対して、日本人と政治の話をすると、最近実施された自民党総裁選挙や衆議院議員選挙の結果もいまいちわかっておらず、「今の総理大臣って誰だっけ?」という話になるほどでした。
それもそのはず、アメリカの大統領選挙は戦後2番目に高い65%と言われる中で、10月に日本で行われた衆議院議員選挙は戦後3番目に低い53.85%と言われています。
なおかつ、日本では若者の投票率が極めて低い。
「どうせ政治で日本社会は良くならないでしょ」と思っている日本の若者が多いですが、果たしてそれでいいのでしょうか?
いつの間にか日本が住みにくい国になっているということが起こらないように、最低限自分の国の選挙には興味関心を持つことが大事だと私は思いました。
今回はここまで!
今後のアメリカ並びに世界情勢がどうなるか不安もありますが、4年に1度しか行われないアメリカの大統領選挙の期間をアメリカで過ごすことができたのは、すごく貴重な経験だと感じています。
また、この選挙結果を通じて新たなテーマに興味をもったので、その内容についても今後記事にしていきたいと思います。
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