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臨床検査技師国家試験 模擬試験5問
勉強お疲れ様です。去年の第70回臨床検査技師国家試験を合格し、現在大学院にて修士課程に属しています。今回noteにて国家試験の模擬試験を作成しましたのでぜひ、受験生、また受験生に限らず臨床検査学生の皆さん解いてみてください!
問題の難易度は本番より少し難しめにしてみましたので完璧にできた方は本番でも安泰かと思います。
まだまだ本番まで時間はありますのでぜひ日々の勉強への学習材料としてご活用ください。
また別件ですが、細胞検査士認定資格も取得しており、当時の経験をもとに作成した参考書をメルカリにて出品中です。細胞検査士を将来受けたい方や勉強中の方2手が出しやすいようほかの参考書に比べ価格も抑えています!ぜひご検討ください!
それでは始めます!
【問題】
第1問(病理学)
肝硬変の組織学的特徴として正しいのはどれか。
1. 肝細胞の萎縮と膠原線維の増生
2. 中心静脈周囲の壊死
3. 腺腫様増殖
4. 中隔状の脂肪沈着
5. グリコーゲンの蓄積
第2問(生化学)
クエン酸回路(TCAサイクル)の中で、FADH2を生成する反応はどれか。
1. オキサロ酢酸からクエン酸への変換
2. イソクエン酸からα-ケトグルタル酸への変換
3. α-ケトグルタル酸からスクシニルCoAへの変換
4. スクシニルCoAからコハク酸への変換
5. コハク酸からフマル酸への変換
第3問(微生物学)
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症で有効な抗菌薬はどれか。
1. ペニシリン
2. セフェム系抗菌薬
3. バンコマイシン
4. クロラムフェニコール
5. カルバペネム系抗菌薬
第4問(免疫学)
自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の診断に用いられる検査はどれか。
1. 抗核抗体(ANA)測定
2. 直接クームス試験
3. リウマトイド因子(RF)測定
4. 抗ミトコンドリア抗体測定
5. 血清補体価(CH50)測定
第5問(生理学)
腎臓の尿細管で、最もナトリウム再吸収が多い部位はどれか。
1. 近位尿細管
2. ヘンレループ上行脚
3. 遠位尿細管
4. 集合管
5. 糸球体
【正答一覧】
1. 1
2. 5
3. 3
4. 2
5. 1
【解説】
第1問(病理学)
解答:1. 肝細胞の萎縮と膠原線維の増生
解説:肝硬変では、肝細胞の壊死・萎縮とともに膠原線維の増生により線維化が進行し、偽小葉形成が認められます。他の選択肢(中心静脈周囲の壊死、腺腫様増殖、中隔状の脂肪沈着、グリコーゲン蓄積)は、肝硬変の特徴ではありません。
第2問(生化学)
解答:5. コハク酸からフマル酸への変換
解説:TCAサイクルにおいて、コハク酸デヒドロゲナーゼがコハク酸をフマル酸に変換する際にFADH2が生成されます。他の選択肢(オキサロ酢酸からクエン酸への変換など)はNADH生成やATPの産生に関連します。
第3問(微生物学)
解答:3. バンコマイシン
解説:MRSAはβ-ラクタム系抗菌薬(ペニシリン、セフェム系、カルバペネム系)に耐性を持ち、これらの薬剤では治療効果がありません。バンコマイシンがMRSAに対して有効です。クロラムフェニコールは広域抗菌薬ですがMRSAには効果がありません。
第4問(免疫学)
解答:2. 直接クームス試験
解説:AIHAは赤血球表面に付着した自己抗体が検出されるため、直接クームス試験が診断に用いられます。他の選択肢は、AIHA以外の疾患の検査に関連しています。
第5問(生理学)
解答:1. 近位尿細管
解説:腎臓の尿細管で最もナトリウムが再吸収されるのは近位尿細管で、60~70%がここで再吸収されます。ヘンレループや遠位尿細管、集合管での再吸収はそれぞれ少量であり、糸球体は濾過を行う部位です。