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知識ゼロからG検定(2025#1)に向けてしたことのすべて



総括

  • 自身のスキルアップのためにG検定(AIに関する検定)を受験しました。

    • 受験に向けての準備や参考書の所感を残しておきます。

  • AIに関しては深い知識は持っておらず、ITと数学に関する一般的な知識から始めましたが、参考書と過去問で十分対策になりました。

  • 白本→黒本が最短ルートですが、白本は初見では相当分かりづらいです。

    • 過去問の難易度:赤本 > 本番 > 黒本

    • 試験準備は30-50時間程度だが、安全マージンを考えると60-80時間ぐらいになるかと思います。

事前準備

G検定について知る

下記の公式サイトから、試験概要、試験日、申込み締め切り日などの基本情報を確認しました。
少し前までは、120分で200問だったものが、最近は160問程度になりました。

合わせて、勉強法も確認します。
公式サイトにある合格者がどんな参考書を使ったのかと、インターネットの情報などを確認して、白本→赤本にすることに決めました。
また、多くの方が30-50時間の勉強時間だったとの情報もあり、概ね2冊をやれば大丈夫だろうと考えました。

G検定で学べること

ざっくりですが、G検定では以下のようなことが知識として学べます。

  • AIの定義や分類や歴史

  • 教師あり学習、教師なし学習、強化学習の手法

  • 機械学習とディープラーニングの基礎(活性化関数や混合行列など)

  • 誤差関数と学習方法

  • CNN(畳み込みニューラルネットワーク)/RNN(リカレントニューラルネットワーク)

  • トランスフォーマー/オートエンコーダ

  • ディープラーニングの応用

    • 画像認識、物体検出、自然言語処理、音声処理、マルチモーダルなど

  • ディープラーニングの学習方法

  • 説明可能AI・ゲームAI・データ生成・モデルの軽量化など

  • AIの社会実装に関連する知識(AIのプロジェクト、開発環境、契約)

  • AIに関する法律(著作権、特許、独占禁止法など)

白本(公式ドキュメント)で勉強する

下記の白本の第3版を読みながら勉強ノートを作っていきました。
前半は内容も簡単なので良かったのですが、最も重要なディープラーニングの詳細や事例については、説明の分かりづらさと情報の非構造化に苦しみました。

公式ドキュメントはこれしかなく、なんとか咀嚼したものの、ドキュメントとして、下記のような勉強しやすい工夫がされていればありがたかったなと思いました。

  • 箇条書きで情報を整理/構造化する

  • 論点や重要な因果を紐づける

  • 主要な部分とオプションの情報部分に濃淡をつける

(ドキュメントのせいにするわけでは有りませんが)「本当にこれ覚えないといけない情報なのか?」が疑心暗鬼になってしまい、中盤は斜め読みになってしまいました。
※先に結論を申し上げておきますが、この本に書かれていることは基本全て出題されます。特に別色で強調されたキーワードはすべて覚えるべきものと認識したほうが良いと思います。

加えて、本書に登場しないキーワードや概念も出題されます。
さらに、単語だけではなく、どういうときに使えるのかといった理解をとう問題も一定数出題されます。

赤本で問題集を解く

覚えた内容がどこまで通用するのかを確認するため、赤本を解きました。
結論から言って、3-4割ぐらいの正解率にとどまったと思います。
理由は下記のとおりです。

  1. 白本の理解が浅い

  2. そもそも赤本は難易度が高い

ここで危機感を持ったため、追加で黒本を解くことに決めました。

黒本で問題集を解く

黒本はノートを見ながらですが、80%ぐらい解けました。
この本で良かったのは、最初の白本で飛ばした部分で出題される部分の答え合わせができたところです。

「こんなニッチなところ出るわけ無いじゃん」がでたり、「見開き2ページも使っているのに一切でないのかよ」が確認できたり、赤本の出題内容と重ね合わせて、どのへんを覚えて置く必要があるのかの感覚が掴めたと思います。

勉強ノートを作り直す

赤本と黒本のコメントを追記しまくったせいで、勉強ノートの情報が煩雑になってしまったため、手間だったのですが作り直しました。

白本の順番よりも、自分にとってわかりやすい順番や表現に修正したり、最初の白本で飛ばしてしまった中盤の細かい部分について見直してノートに落としました。

試験準備(時間配分表/チートシートを準備する)

扱いが微妙なのですが、G検定は自宅受験という性質上、チートシートが有効です。今回は下記の先人のお知恵を借りることにしました。
また、過去より問題数が減ったとはいえ2時間で160問もでるので、時間配分表を作成しました。

模擬試験をする

先に記載しておきますがこの部分はやらなくても大丈夫な部分でした。
総仕上げ的な位置づけを想定していたのですが、思っていたのと違ったので、別の参考書をやるほうが良いかと思います。
※当日の問題と見比べても、あまり出題傾向/出題形式が似ているなども有りませんでした。

ここまでで知識のほうはなんとかなると思うのですが、時間配分や回答ペースが掴めていないので、無料で利用できる模擬試験を使って時間配分を確認しました。

問題は2種類(直前対策と新シラバス用)が準備されています。

1つめ(直前対策)の223問ある模擬試験(サンプルクイズ)をやってみたのですが、どうやら2018年8月に作成されたもので、かなり古いものでした。
最新のシラバスとはかなり乖離がある印象ですが、それでも、5割ぐらいは単語の確認にはなりました。

また、ア、イ、ウのようなものが別の問として扱われていましたが、実際はこのような形式ではなかったです。加えて解説がないものもあるので、そこまでガッツリやらなくても大丈夫だと思います。

223問を2時間で解き切れたのでペースは大丈夫そうという確認はできました。(実際は2時間で160問なのでかなり余裕がありそう)
また、一応合格点167/223に対して、184が取れたので合格だそうです。

途中終わったのですが、1問ずつ採点しないといけないのかなと思いましたが、2時間経過すると自動で全問採点されました。

2つめ(新シラバス対応)は、試験範囲全体というよりも、新シラバスで追加された分の確認ができるというものになっていました。なので、既存部分/過去シラバスと重複した部分は殆ど出題されず、特定の部分だけが濃度高く出題されます。

こちらも、74/98に対して、78点だったので合格ではありますが、参考情報程度ですね。

試験当日

  • 10分前から受けられるので、12:51分ぐらいから開始

  • 思ったよりも回答も長文のものが出ました

    • 難易度は「赤本 > 本番 > 黒本」

  • 残り30分ぐらいを残して見直す時間が取れましたが、流石に2周確認する時間はなかったです。

  • やっぱり白本に出てこない内容や、白本からさらに突っ込んだ観点での質問も多くされました。

  • 加えて、AIプロジェクトやAIの法律系が意外とたくさん出た印象です。相対的に技術的なものは思ったよりも出ませんでした。

  • 主観では下記ぐらいだと思うのですが、合否まではわかりませんね。

    • 10%:サービス問題で読めばわかる

    • 60%:すぐに分かる

    • 15%:2択まで絞り込んでこちらかな

    • 10%:チートシートなどで確認が必要だがわかる

    • 5%:わからない / 時間がないので飛ばす

  • あと、同じキーワードに関する問題が2問でたり、王道のメインと言うよりも、周辺の質問が多かったようにも思います。

試験の合否

2025/1/27追記:無事合格しました。
70%がボーダーらしいので、各カテゴリすべてで上回れていたようでした!

総受験者数 4,633名
合格者数  3,414名

■シラバス分野別得点率(小数点以下切り捨て)
1.人工知能とは. 人工知能をめぐる動向:90%
2.機械学習の概要:82%
3.ディープラーニングの概要:95%
4.ディープラーニングの要素技術:87%
5.ディープラーニングの応用例:83%
6.AIの社会実装に向けて:100%
7.AIに必要な数理・統計知識:100%
8.AIに関する法律と契約. AI倫理・AIガバナンス:82%

試験を振り返ってみて

  • 試験の合格もですが、AIについて基礎知識を得たかったので、通常よりしっかり準備をしたほうだと思いますが、その分知識がたまりました。

  • 年末年始に勉強時間が取れたこともあり、結局推奨の30-50時間よりも大幅に超過し80時間ぐらいは勉強に費やしたと思います。

  • 白本と黒本をやったあとに、出されているキーワードに似たようなものがないか、技術の背景なども理解すれば十分合格点に届く内容に到達できるともいます。

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