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Web4.0(AI✕IoT✕ブロックチェーン✕XR)を牽引できるテックリード最強説


はじめに

エンジニアの量的飽和と質的不足の記事を執筆している中で、質がいいエンジニアと言われる要素は整理できたのですが、今度はどんな直近でどんなテクニカルスキルがあると市場価値を高くできるのか?という点が疑問に浮かんだので整理をしていきたい思います。

どんなプログラミング言語を学ぶべきか?

プログラミング言語のシェア

まずは、エンジニアにとって一番身近なプログラミング言語のシェアについて調べてみました。
企業や団体によって、順位が一定ではないのですが、概ね下記が上位を占めています。

  • Python

  • Java

  • C/C++

  • JavaScript/TypeScript

非常に汎用性が高く、AIにも強いPythonはほぼどのレポートを見ても1位であり、Java/C系のサーバサイドのガッツリした実装をするための言語も、引き続き大型案件などでは利用されるためシェアが高いようです。

フロント系では、JavaScript/TypeScriptが人気であり、その他Swift/GO/Kotlinなどの比較的新しい言語も次点として続いているようです。
これらの言語は、若干上下に移るものの、ここ数年で大きな入れ替わりはなく、概ね安定して推移をしているように見えます。
参考1:https://www.tiobe.com/tiobe-index/

プログラム言語別の年収

一方で、プログラミング言語別の年収を見ていくと、PythonとJavaは確かに案件数も多いのですが、その分エンジニアの人数も多いので、単価としては安くなる傾向が見られ、GOやKotlinなどのほうが収入が高くなるパターンもあるようです。
参考2:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000105.000045678.html
参考3:https://www.sejuku.net/blog/127222#index_id1

学ぶべきプログラミング言語

上記から考察すると、以下のような学び方が良いのではないかと思われます。

  • 学生/初学者は、Python/Javaあたりから汎用性の高い癖のない言語から学び始める

  • Python/Javaを扱えるようになったら、Go/Kotlin/Swiftなどの案件の特徴に合わせた新しい言語に手を出していく

どんな業種が年収が良いか?

IT業界といっても、様々な業種があります。プログラマやセキュリティエンジニア、プロダクトマネージャー、コンサルティングなど、業種は多種多様です。
この業種の年収も業界では高い関心ごとで、様々な個人や団体が定期的に分析をしています。
参考4:https://www.sejuku.net/blog/76889
参考5:https://it-sales-note.com/average-annual-income-in-the-it-industry/
参考6:https://freelance.levtech.jp/guide/detail/1824/

市場価値の高い3つの業種のグループ

参考4、参考5、参考6を含め、ネット上の情報を平均年収が高いとされる業種で整理していくと、大別して以下の4つのカテゴリに整理されるようです。

  1. ITスペシャリスト

    1. セキュリティエンジニアやクラウドエンジニアなどの技術的に高い専門性を有するエンジニア

  2. エンジニアリングマネージャー

    1. プロジェクトマネージャやプロダクトマネージャーなどの技術やエンジニアの課題が分かるマネージャー

  3. 技術顧問

    1. 技術と経営を結びつけ、ITコンサルなどビジネスの建付けができる人材

  4. テックリード/リードエンジニア

    1. 複数の技術及び育成、マネージメント、ビジネス素養などをバランスよく持ち、上記3つの間のバランサーとなれるエンジニア

これらは、ITエンジニアのキャリアパスにマッピングすると納得ができるものだと思います。つまり、下図のように、技術力と経営/マネジメントのレベルを2軸にとると、原点からの距離でそのエンジニアのスキルをベクトル化することができます。
原点から遠いほど高いスキルで希少なエンジニアだということになります。

2024年時点の市場価値の高いテクニカルスキル

最後に、市場価値の高いテクニカルスキルについて考察していきます。
なおここで言う市場価値の高いスキルは、シンプルにIT関連のテクニカルスキルを取り上げ、以前の記事で紹介したスキルピラミッドでいうところの、ポータブルスキルやスタンスやポテンシャルのようなレイヤのスキルは取り扱いません。

市場価値の高いスキルは、年代や業種によって変わりますが、IT業界全体で見る場合は、参考7のテクノロジーレーダーや、参考8のガートナーのハイプ・サイクルが良い指標になります。
参考7:https://www.thoughtworks.com/radar
参考8:https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20240807-future-oriented-infra-tech-hc

今回は、参考8の「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2024年」をベースに分析をしていきます。

主流の採用までに要する年数が5年未満のものを集めてみると、概ね下記のようになります。
※下記に分類されないものとして「スマート・ワークスペース」や「衛生コンステレーション」や「イマーシブ・エクスペリエンス」など若干数ありますが大勢を掴むために除いていますのでご容赦ください。

次に必要となるスキルはWeb4.0の要素

これは、完全にWeb4.0の構成要素です。
参考9:https://www.sbbit.jp/article/cont1/129470

サイバー空間とフィジカル空間の融合という表現を使う内閣府のSociety 5.0とも近しいかと思われます。(こちらは、AI/IoT/ブロックチェーンの言及はありません)
参考10:https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/

Web4.0の課題

ただし、Web4.0といっても、それぞれの要素は未だ発展途上で、有用性が見えている一方で、課題も浮き彫りになってきています。
PoCなどの実証実験までは良いのですが、商用利用をするうえで、技術的に課題があったりマネタイズをするビジネスモデルが不完全だったり課題は山積しています。

各要素の組み合わせ例

これらの課題を要素を組み合わせて解決したり、シナジー効果を生み出そうとするアプローチも出始めています。

  • AI✕ブロックチェーン:ディープフェイクにブロックチェーンの公証性を利用

  • AI✕XR:XRコンテンツの動的生成

  • XR✕IoT:旅の再現、リアリティのある疑似体験研修

  • AI✕IoT:AIoTによるスマート家電の活用

  • ブロックチェーン✕XR:デジタル住民権をNFT化

  • AI✕XR✕IoT:スマートシティのデジタルツインでの防災シミュレーション

いきなりWe4.0が実現できるわけではありませんが、徐々に近づいてきているのは間違いないでしょう。

個人的な結論

①必要とされるテクニカルスキル

今回の調査で、まず今後必要とされるテクニカルスキルにWeb4.0関連(AI、IoT、ブロックチェーン、XR)が含まれることは、まず間違いないと考えられます。

ただし、Web4.0だけができれば良いというわけではなく、下地として、IT基礎やプログラミングや、フロント/サーバ/クラウド/SREなどのスキルももちろん重要です。
加えて、今回取り上げなかったWeb4.0以外の新規要素もゼロではない点には留意が必要です。

②必要とされる業種の領域

そして、年収が高い(≒市場価値が高い)業種の領域として、ITスペシャリスト、エンジニアリングマネージャー、技術顧問、テックリードがあることが判明しました。

①と②の交点領域が最強

ここから導かれることとして、Web4.0✕市場価値の高い業種の領域は確実に必要とされる領域だと思いますが、もう少し狭めても良さそうです。

Web4.0の4つの要素をあげましたが、現状全ての要素を使うプロダクト/サービスは存在していないように思います。そのため、浅く広く4要素全てを知識だけで知っているよりも、2つの領域を深く組み合わせるスキルのほうがニーズがありそうです。

また、Web4.0の領域はまだまだコンサルや高度なマネージメントができるほど市場が成熟しているとはいえないため、現状では、技術力の高いエンジニアの価値の方が高いと言えそうです。

さらにいうと、技術とビジネスの間を繋げられるテックリードのような人が重宝されそうです。
テックリードは他の3つに転向しやすいというメリットもありますので、シーンが変わるタイミングで、シフトしていく柔軟性もあると思います。

つまり、結論として「Web4.0の2要素を組み合わせられるITスペシャリスト/Web4.0をビジネス化できるテックリード」が今後市場価値が高いと考えています。

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