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生き物たちの暮す森|No.015「海を渡る蝶・アサギマダラ」

4月下旬、満開だった桜の存在感は嘘のように薄れ、初夏に近づいてゆく季節の頃。

春日山原始林のとある場所に「キジョラン」の葉が生えることをお世話になっているSさんに教えてもらい、2年前からずっとこの出会いを心待ちにしていた。

キジョランの近くを通るたびに、葉の裏側や食痕を入念にチェックし、ようやく出会えたアサギマダラの幼虫。(体長4cm程)

アサギマダラの幼虫

幼虫のころから名前の通り、綺麗なマダラ模様で見惚れてしまうほどの存在感、夢中になって撮影した。

しかし残念ながら、蛹になる頃にはキジョランごと誰かに捕られてしまい撮影する事が出来なかった…

⚠️春日山原始林内は昆虫植物の採取は禁止されています⚠️

あれから半年が経った10月中旬、春日山原始林で成虫のアサギマダラにで出会う事ができた。

アサギマダラ

翅を広げると全長は10cmほどの大きさで、ナワシログミの小さな白い花の蜜を求め、生い茂る葉や枝の隙間をふわふわヒラヒラと器用に舞う姿を眺めながら、出会えた安堵の気持ちと嬉しさが込み上げてきた。

長距離を飛翔することで知られるアサギマダラ。

秋になると南へ移動し、沖縄や東西諸島、なかには台湾まで海を渡って移動する個体もいるそうで、何度聞いても信じられないほど凄い蝶だ。

来年は必ず蛹の姿も撮影したい。

目標と楽しみが一つ増えた秋の出会いだった。

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