ROCK IN JAPAN 2024 サザン最後の夏フェスを前に・・・
前回の2018のROCK IN JAPANからもう6年も経つ・・・
68歳の桑田さんをはじめメンバーの高齢化が理由だというが、どんなロックスターもいつかは終わりが来る。昨年にデビュー45周年を迎えた国民的ロックバンドの夏フェスという舞台の一部ではあるが、終わりを迎えると思うと時間の流れを感じる。
最も古いサザンの曲の思い出は小学校の音楽の授業で「チャコの海岸物語」をリコーダーで吹いた記憶だ。今でも不思議とソプラノリコーダーならこの曲を吹ける。あと「飛べ!ガンダム」も吹ける!(燃え上れ~!燃え上れ~!燃え上れ~!ガンダム~♪)
初めて自身の好みで音楽を聴き始めたのは中学校に入ってからだ。長男である私には年上の兄弟がいないため音楽の知識や情報はまったくなかった。兄・姉のいる同級生たちは当時のバンドブームだったのでブルーハーツ、JUNSKY WALKER(S)やユニコーン、X-JAPANなどの多様な音楽を聴き始めていた。おませな友達は洋楽BON JOVIやレッチリなどを聞いていた。それらの流行の曲も友達に合わせて聞いてはいたが、中学生の私が個人的に選んだアーティストはサザンオールスターズ・桑田佳祐だった。
当時の人気TV番組に「夢で逢えたら」というダウンタウン・ウッチャンナンチャン、清水ミチコ、野沢直子らが出演していた伝説のコント番組があった。その主題歌にサザンの曲「女神たちへの情歌」「フリフリ65」という曲が流れていた。また転職雑誌・週刊ビーイングのCMでも「忘れられたBig Wave」が放映されていた。同級生同士の話題ではバンド系でしか会話しない中で、個人的に家で聴きながら、サザンの楽曲とTVから流れて来るオシャレな映像の虜になった。これから40年近く続く事になるサザンとの出会いがこの頃に築かれた。
初めて買ったCDアルバムが「Southern All Stars」1990年リリースのアルバムだった。このアルバムは文字通り擦り切れるほど聴いた記憶がある。今も最高のアルバムだったと感じる。翌年には桑田佳祐のソロ活動が始まりこれまた名盤「KEISUKE KUWATA」のファーストアルバムは色褪せない傑作となった。これらの音楽を聴きながら当時全盛期だった週刊少年ジャンプを土曜日に読むのが何よりもの喜びだったのを記憶している。(田舎だったのでジャンプは土曜日に店頭で売られていました。)
この様に音楽を聴き始めるのが遅かった私はいわゆる「後期サザン」(アルバム「KAMAKURA」より後にサザンを聴き始めた訳だが、確か中学校2年ぐらいの夏休みにCD4枚組のベストアルバム「すいか」をレンタルして「KAMAKURA」以前の前期サザンも漏れなく履修していった。「すいか」に入っている曲で合わない曲はひとつとしてありませんでした。こんなに好みのアーティストに出会うことはこの後もありません。
ここまではサザンという楽曲に惹きつけられた記憶の流れなのですが、忘れられない記憶がもう一つあります。それは桑田佳祐という稀代のボーカリストの人間性に惹きつけられた記憶だ。当時サザンは休業中で桑田佳祐のソロ名義の活動KUWATA BANDのライブアルバムを聴いた時の事だ。当時の私はライブというものがどんなものかをハッキリとは知らない中学生だった。当時発売されたライブアルバム「ROCK CONCERT」は2枚組のCDで計24曲のライブ音源が収録されていて、桑田さんの「カモーン!」や「スタンド・アリナー!!」「もっと来んかい!」などお馴染みの桑田節が生音源で収録されていた。音源のみなので映像はないが、私の脳内には大観衆を前に1人立ち。コール&レスポンスで観衆を思うがままに操る桑田さんの姿が見えた。正直、この時の経験によって僕の脳内で再生された桑田さんの姿が40年経った今も私の価値観の中心に刻み込まれている。(聴いたことがない人はぜひオススメしますよ)
最初は憧れから始まり、桑田さんのように人前に立って歓声を浴びながら人をリードしていける人間像を目指した。様々な人生経験をする中でステージでメンバーやスタッフ。多くのファンを率いる桑田さんの苦悩やプレッシャーにも思いを馳せる事が出来るように年齢と共になってきた。いつしかサザンオールスターズは単なる音楽鑑賞ではなくなった。僕の生きる指針であり支えとなる存在となった。
サザンや桑田さんの曲がなかったら間違った道に行っていたかもしれないとつくづく思う。もう年齢に関係なくサザンと共に生きてきた人生だったと言える。
そのサザンが明後日の9月23日のROCK IN JAPANで夏フェス卒業となる。そんな2024年に僕も人生の後半戦を折り返した。身内で亡くなる人も増えてきた。慣れ親しんだ有名人も次々亡くなっていっている。そう言えばアントニオ猪木さんの最後も感じる事の多い出来事でした。サザンの楽曲は永遠かもしれないが、実存する彼らもいつか亡くなるのだ。
今回のフェスへは現地ではなくパブリックビューイングでの参戦ではあるが、13歳の頃からの思いを整理して当日に臨もうと思い。この投稿を整理している。ポエムであり私小説なので公開する様なものではないが、私のヒーロー:サザンオールスターズの晩節をしっかりと受け止めて心に刻みたいと思う。もう少し老いてきた自分が何を信じてどのように生きたいのか?この期に及んで桑田さんの姿を参考に見つけて行きたいと思います。