C言語教室 第15回 - 構造体の基本
同じ意味(型)の変数がたくさんある場合は配列を使うという說明はしましたが、異なる意味(型)の変数をまとめたい場合に構造体というものを使います。
構造体を使うには、まず構造体の型を宣言します。
例えば商品名と価格をまとめるには
struct product {
char name[32];
int price;
};
もちろん、同じ型の変数をまとめても構いません。座標を記憶する構造体を作ってみましょう。
struct position {
int x;
int y;
};
これらの型を使うには、まず定義してから、その名前を使って変数を宣言します。
struct product {
char name[32];
int price;
};
struct product stock;
構造体に含まれる変数をメンバ変数と言います。メンバ変数にアクセスするには、構造体として宣言された変数名に続けて “.” を書いてから、メンバ変数の名前を続けます。
stock.name = “Paper Knife”;
stock.price = 1500;
この例でもわかるように、name は char 配列で、メンバ変数に配列を使うことも出来ます。name の先頭の文字を取り出すのであれば、
printf(“top char of product name:%c\n”, stock.name[0]);
となりますね。
商品名の長さがわからないので、動的に確保するというのであれば、
struct product {
char *name;
int price;
} stock;
として、ちゃんと領域を確保してから使えばいいですね。
#define PRODUCT_NAME “Paper knife”
stock.name = (char*)malloc(strlen(PRODUCT_NAME) + 1);
strcpy(stock.name, PRODUCT_NAME);
さらに構造体の中に構造体を使うことも出来ます。先程の例に出した position を使ってみましょう。
struct rectangle {
struct position top_left;
struct position bottom_right;
} box;
box の座標を設定するには、
box.top_left.x = 0;
box.top_left.y = 0;
box.bottom_right.x = 100;
box.bottom_right.y = 50;
とすれば長方形のそれぞれの座標が扱えるわけです。
もちろん構造体の型を持つ変数の配列を使うことも出来ます。
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
struct position {
int x;
int y;
};
struct rectangle {
struct position top_left;
struct position bottom_right;
};
void main() {
struct rectangle boxes[10];
int i;
for (i = 0; i < 10; i++) {
boxes[i].top_left.x = 0;
boxes[i].top_left.y = 0;
boxes[i].bottom_right.x = i;
boxes[i].bottom_right.y = i * 2;
}
for (i = 0; i < 10; i++) {
int width = abs(boxes[i].bottom_right.x - boxes[i].top_left.x);
int height = abs(boxes[i].bottom_right.y - boxes[i].top_left.y);
printf("area of box[%d] = %d\n", i, width * height);
}
}
実行してみましょう。
area of box[0] = 0
area of box[1] = 2
area of box[2] = 8
area of box[3] = 18
area of box[4] = 32
area of box[5] = 50
area of box[6] = 72
area of box[7] = 98
area of box[8] = 128
area of box[9] = 162
構造体の「構造体名」と「構造体変数」で混乱しないように。構造体に含まれるメンバ変数は、構造体の変数名+"."+メンバ変数の「名前」でアクセスします。ここまでは配列で「変数名[正の整数]」を使っていたのが、構造体だと「変数名.メンバ変数名」となっただけだとわかってしまえば充分です。
ところで ChatGPT にもCの言語の構造体を説明してもらいました。
簡潔ですね。構造体の名前を大文字にする流儀もありますが、一般的であるわけではありません。
立体空間が難しければ平面でも良いですよ。
第14回の課題と演習は、今回の分と一緒に解答します。
ヘッダ画像は、いらすとや さんよりhttps://www.irasutoya.com/2015/12/blog-post_312.html
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