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腕時計型デバイス

その昔、怪獣と戦う隊員たちが使っていた通信装置に腕時計型の物があり、子どもたちはそんな装置に密かな憧れを抱いていました。計算機も徐々に小型のものが作られるようになり、電卓サイズのポケコンを使う人も増えてきました。そうなるとやはり次は腕時計型と思う人もいたかどうかは分からないのですが、やはり出てきたのが腕時計型のコンピュータです。

まずはヘッダ画像(月刊アスキー1985年5月号記載の広告[一部])のエプソン RC-20。RC-20は1984年にEPSONからリリースされたプログラム可能なリストコンピュータです。

最初のスマートウォッチ EPSON RC-20!

見た目はデジタルウォッチにも見えるのですが、オリジナルのプログラムを走らせることも出来ました。CPUはZ-80コンパチ、RAMも2Kありました。画面は7✕4文字と時計としては充分ですが、ゲームなどをやるには心もとない感じではありました。液晶がタッチパネルになっていることが特徴で、何らかの通信こそ出来ませんが、遂にコンピュータを腕に巻けるようになったと話題になりました。

RC-20のページ

EPSON RC-20 リストコンピュータ (のカタログ)

最大の課題は「腕時計で何がしたいのか」という部分ではあったのですが、センサーなどが内蔵されているわけでもなく時計以外の情報も持たず、少ないメモリで出来ることは何なのだろうかと悩むヒトが多かったです。

VintageDigitalWatches - Ep 18 - Epson RC-20

当時の欲求としては、まず時計に連動したスケジュール管理、そして携帯もない時代なので電話帳でした。単にメモだけでもありがたいといえばありがたかったです。いつでもボタン一つでアクセスできることが最大の魅力でした。

その後、セイコーからもRC-1000が登場したのですが、メモとして使うには入力が大切ということでキーボードが付いたり、パソコンとのデータ転送ができたり、なかなか実用性が高かったのですが、ちょっと欲張りすぎて使いこなせるヒトはなかなかいなかったような気がします。

月刊アスキー1985年5月号記載の広告ページ

80年代のデジタルウォッチ『 SEIKO RC-1000 』

Seiko RC-1000 Wrist Terminal

Seiko RC-1000

この時代は自分好みの腕時計を使えるだけで満足していて、正義の隊員たちのように通信が出来たわけではないのですが、その後も新しい技術をコンパクトに出来るのかという課題の答えとして試作品的要素の強いものも含めて定期的に腕時計型のデバイスが登場しています。マイクロソフトもハードが大好きなので試作品を観た覚えがあるなぁ(2003年だったっけ?)。

Digital watch

スマートウォッチ

そして今ではスマートウォッチという形で、それこそビデオ通話も含めて何でも出来るようになりましたが、そもそも腕時計をしない人も増えましたね。昔はしていない人なんていないくらいだったのですが。

Part 4:スマートウォッチの簡潔な歴史

ところで、自分でプログラムできる腕時計型デバイスとしては、教育用マイコンボードでもあるマイクロビットや、一体型マイコンデバイスの m5stack を腕に巻くためのキットも出ているので、スマートウォッチのように何でもできるとはいきませんが、自分好みの機能を盛り込んだ腕時計を楽しむのもいかがでしょうか?

micro:bit用バングルモジュールキット

M5StickC Plus2 ウォッチアクセサリキット

腕時計っていくつも同時に使うものでもありませんし、そのサイズも限られているので、そこに何を求めるかはなかなか興味深いところでもあります。まあ社会的ステータスの誇示を求めている人も少なからずですけど。

#レトロデバイス #腕時計 #エプソン #EPSON #RC20 #セイコー #SEIKO #RC1000 #microbit #m5stack  

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