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MULTI16 - 遂に三菱電機もパソコンを出した
三菱電機と言えば、いち早くコンピュータを商品化し、MELCOMシリーズとして大型機では有名でした。オフコンとも呼ばれるオフィスコンピュータという商品を最初にリリースしたのも三菱電機で、1968年に最初の製品が登場しています。その後、ミニコンのカテゴリの製品も出していたので、いつパソコンが登場するのかと待ち望まれていました。
MELCOM
そんな中、1981年末に8ビットを飛ばしていきなり16ビットパソコンを投入してきました。
【三菱電機】 MULTI16 - コンピュータ博物館
MULTI 16シリーズ
既にこの年の夏には元祖IBM PCが登場していているので、あくまで「日本での」初の16ビットパソコンです(OKIのifとあまり変わらない気もする)。CPUは8088でメモリは128~256K、グラフィックは640✕400(上位機種は8色カラー)で1~2台のFDD(両面倍密)を装備していました。IBM PCを意識したのかOSはCP/M-86またはMS-DOSで、もうROMにBASICは搭載されていません。
三菱パーソナルコンピュータ MULTI16 - 産業技術史資料データベース
三菱MULTI16 - パソコン博物館1978-1983
そしてフロッピーからフォントデータを読み込んでグラフィック画面に漢字を描画する方法で日本語処理を可能とし、DOSで日本語データを扱うためにシフトJISコードを制定したのも、三菱電機の提案だったそうです(諸説あり)。
Shift_JIS
インパクトは強かったのですが、価格が100万前後だったので、パソコンと言うよりはオフコンのカテゴリだと受け取られていましたし、販売チャネルも限られていたようです。汎用DOSで動作すると言ってもオフィスソフトなどは同社のオフコンから移植されたラインナップで、サードパーティが参入する余地は少なかったようです。
MULTI 16に捧ぐ弔歌
そういえばDOS時代の表計算ソフトの代名詞であったMultiPlanは、このMULTI16向けに作られたのが、名前の由来であるらしいのですが、ちょっとホントかな?とはおもってしまいます。まあ時期的に矛盾は無いのですが、そんなにマイクロソフトと仲が良かったんですかねぇ。
MULTI 16 (MP-1605U) / 三菱電機
Microsoft Multiplan
なお、このシリーズはそれなりの地位を築き、時代位の進歩に合わせた後継機種がリリースされたのですが、Windowsな時代になった頃には静かに消えていきました。その後は新しいシリーズに移行していき、それなりの存在感を示していたのですが、21世紀に入ると徐々にフェードアウトし三菱電機としてはパソコン事業からは撤退してしまっています。
ヘッダ画像は、月刊アスキー1982年2月号のASCII EXPRESSの記事の一部。
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