APPLE II GS - APPLE][とMacを繋ぐもの
APPLE][シリーズは、1984年に//cがリリースされたものの、そのコンパクトさ故の拡張性の無さから、まだまだIIeが幅を利かせていました。APPLE社としても1984年に発売したMacが「絶好調!」とは言えないものの次々と周辺機器もリリースして1986年には2代目となるMacintoshPlusを発売しました。
さて、このままAPPLE][の時代は終わってしまうのかと言えば、豊富なソフトウェアに囲まれて、まだまだユーザは多かったのです。さすがにいろいろと綻びが出始めてはいましたが、特に古いユーザを逃すこともあるまいと、やはり1986年にIIGSを発売しました。相変わらずMacは高かったので、低価格帯の層を手放したくないという考えもあったのでしょう。
Apple IIGS
とにかく互換性の維持が大切です。IIe向けに売られているDISKIIのフロッピーを読み書きできる必要性はありましたし、ハードウェアを直接アクセスしているソフトが大部分なので画面を含め、可能な限り拡張スロットに刺さるカードも使えるようにする必要があります。
とはいえ時代の進歩に追いつく必要もあります。既にMacを発売している以上、ある程度GUIを使える必要もあり、それには拡張された画面モードであるとか、追加されたメモリも必要です。今度はMacのフロッピーも読み書きできると今後の展開に有利です。そんないろいろな都合をアクロバティックに結合したわけですね。
デザインはMacにも似せたIIcの延長線にある筐体としました。キーボードはMacに近い分離型です。しかしながら蓋を開けば昔ながらの拡張スロットが姿を表しますが、追加されたスロットも存在します。何せIIeからのアップグレードプログラムも存在したということで、アップグレードするのと新しく買うのではあまりコストが変わらないのでアップグレードした人がどれだけいたかはわかりませんが、互換性の維持に腐心していたことだけは確かです。
CPUは6502上位互換のカスタムチップで、これにより今まで苦労してバンク切り替えで拡張していたメモリも素直に8Mまで使えるようになりました。クロックもかなりアップしていましたが、互換性のためにその恩恵は限られていたようです。グラフィックモードは互換性のある画面はもちろんですが、新しく640✕200の画面を4096色中256色以上(ちょっと不思議なパレットの使い方をする)という当時のMacも顔負けの画面を使うことができました。そしてもうサウンドもカードを指す必要もありません。ちゃんと専用チップが載っています。
DOSもIIeの途中からはDOS3.3からProDOSが使われるようになり、GSにおいては多くのドライブが接続できるようになったので必須となりました。当初は6502のコードで書かれていましたが、新しいCPUのコードで書き直されパフォーマンスも改善し、すっかり16ビットマシンの風格も備えるようになっていきました。
APPLEIIGS
Apple IIgsがやってきた
1992 Apple IIGS Graphics and Sound College
https://www.kansasfest.org/wp-content/uploads/1992-heineman-gs.pdf
Apple II GS
個人的には1985年からPC-9801ユーザとなり、すっかりアップルな世界とは決別してしまったのですが、アップルを愛する友人が捨てがたいというので、譲ってくれて以来、大事に飾ってあります。最低限のソフトも揃っているので動かそうと思えば動くのですが、ちょっと調子の悪いところもあり、そのうちちゃんとメンテしないとなぁとは思っているところです。この時代のアップルはもう][の時代とはハードもソフトかなり違うので、ちゃんと調べないとなぁと思いつつ、そのままです。
2023.9.30 追記
GSユーザは、もう次のAPPLE][が出ることはないことを知っていたのでしょうが、時代は進化するのでいつまでも使い続けるわけにもいきません。徐々にGSでしか動作しないようなソフトも増えてきて、GUIな世界にも慣れたでしょうから、ここでアップルに見切りをつけてWindowsに飛び込む人もいたかもしれません。4年後の1990年には受け皿としてぴったりなMacintosh LCが発売されたので、そのままMacユーザになった人も多かったでしょう。なおLCにはAPPLE IIeカードを刺すことでAPPLE][として動作させるモードもあった模様です。
Macintosh LC
#レトロPC #APPLE #APPLEIIGS #キーボード #フロッピードライブ #65C816 #MacintoshLC