AppleII の新時代が始まった - apple //c
1983年にApple IIeがリリースされた頃、アップル社ではLisaに続きMacintoshの開発がタケナワでしたが、その屋台骨はまだまだAppleIIシリーズが支えていました。ちょうどジョブズのプライベートな問題も噴出し、日本においても東レとの契約があるにも関わらずLIsaに関してはキャノン販売と提携をするなど、なかなかキナ臭い様相を呈していました。
そうした中、AppleIIシリーズもテコ入れが図られ、Macintoshのようなスタイリッシュなデザインを持つ apple //c がMacintoshリリースと同年の1984年リリースされました。
Apple IIc
バッテリーを持っているわけでは無いので電源は必要なのですが(実はACアダプタが死ぬほど大きい)、持ち運べるようなコンパクトな筐体になり「どこでもアップル」というイメージを模索します。まあMacintoshにも取っ手が付いているくらいですから、運べることにコダワリが伺えます。PDAが出現するのは90年代からですが、既にその方向を目指していたのかもしれません。
反面、拡張性はほぼ無くなりました。拡張スロットは無くなり、背面にはCRTやプリンタ、モデムなどの端子が配置されるだけになりました。今までのように自由にサードパーティに拡張カードを作らせるのではなく、デバイスも純正で押さえていくという方針に切り替わったのもMacintoshの影響なのかもしれません。
apple //c は格好いいんですよね。デザインは gs にも引き継がれましたが、やはりこのコンパクトさが素敵なんです。映画「2010年宇宙の旅」にも、だいたい最初から19分と少しの辺りで一瞬ですけど、モノクロ液晶モニタを繋いだ状態で浜辺で //c を使っている様子が登場します。これに物凄く憧れた覚えがあります。まあ、これだけではなくて、もし唸るほどお金があったら、きっと海辺に家を建ててイルカと遊ぶ生活がしてみたいと思っていたような気もします。この映画を見直して、今となってはHALとの会話も何か特別なことではなくて、どこか当たり前に感じてしまうようになったことに気が付きました。まあ今はもう2020年代ですからねぇ。
Appleの初代ポータブルコンピュータ、Apple 2c
1988年にはフロッピードライブを3.5インチに変更し、CPUも強化された//c PLUSがリリースされましたが、莫大なAPPLEIIシリーズの資産を使い続ける人くらいしか、もう使っていなかった気がします。少なくとも日本では日本語が使えないPCは、もうお呼びではありませんでした。
キーボードや文字コードについては、そちらのマガジンとして書くつもりです。
ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Apple_IIc_with_monitor.jpg
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