EMOTION40周年 - OVAの始まり
今年はなんだか「40周年」というフレーズをよく聞くのだけど、いったい1983年に何があったのだろうかと調べるとAIさんは、こう述べました。
これらの出来事が当時の世の中にどの程度のインパクトがあったのだろうかと思い起こすと、その年ではなく、その後の昭和末期の始まりだったのかなとも思います。この年の円ドルレートは1ドル=220―230円前後で、この翌々年1985年のプラザ合意をキッカケに歴史的な円高となりバブル景気が始まりました。1983年はまだそんなことも想像できず、中曽根首相がレーガン大統領と懇意にすることで何とか景気を立て直そうと奔走していた頃だったようです。
さて、そんな1983年ですが、TVアニメの新時代を迎え、キャッツ・アイ、キャプテン翼、キン肉マンといった今でも思い出される作品たちが始まった年です。他にもボトムズであるとかダンバインもこの年です(オーカスのことは忘れてください)。そして放送されることはありませんでしたが(権利的に出来ませんって)DAICONⅣアニメもこの年でした。
アニメが子供向けというカテゴリーを抜け出し、少し大きなお兄さんお姉さんたちまでが熱狂するようになり、ビデオの普及とともに放送を見逃すこと無く繰り返し見ることが出来るようになり、どうやら放送しなくてもビジネスが出来るのではないかと考える人達が出てきました。
そのひとつがEMOTIONレーベルで、バンダイがOVAブランドを立ち上げ放送されていないアニメビデオ作品を販売するという商売を始めました。もちろん、それまでにもアニメ作品のビデオを販売することも始まっていましたが、いずれも放送されたものであって、あまり多く売れそうになかったのか、権利の問題なのか、それなりにお高いもので、大人買いの出来る人向けの価格設定でした。まだレンタルというビジネスはキチンとは始まっていませんでした(権利関係が整備されていなかった)。
そしてEMOTION最初の作品が「ダロス」です。どうやらこれが記念すべき世界最初のOVAということになっているようです。この作品が選ばれた経緯に「ミンキーモモ」が関係しているとは知らなかったのですが、ちょっと高めの年齢を対象としたハードSFめいた作品で、好きな人は絶対にハマる内容です。
ダロス
ダロス - ぴえろ
EMOTION 40周年記念特番|第1回 「ダロス」特集 part 1
今でも配信サイトを探せば見つかるようですし、AmazonでDVDも売られているようです。
放送に比べれば全体のサイズも小さめで、良いところであっさり終わってしまうような気がしなくもないのですが、当時は放送以外からコンテンツが供給されたということ自身が衝撃的でした。オープニングのモアイ像が映画のような雰囲気を出していたのが印象的でした。DAICONアニメも衝撃的でしたが、テレビの枠にはまらないようなアニメ作品が次々登場する期待が高まっていました。
実はOVAというビジネスを始めたものの、その販売ルートには苦労していたようです。当時は通販なんて一般的ではなかったですし(この頃はカタログが送られてくる通販が一般的でした)、家電店にはコンテンツ販売のコーナーもありません。書店は本しか売ってくれませんし、レンタルビデオ店だってありません。私もダロスを手に入れるために、六本木に出来たEMOTIONのお店まで出かけました。六本木は学校に近く普段のフィールドなのでお店が出来た時点で見つけてはいました。OVAだけではなくコミックやグッヅも扱っており、なかなかオシャレで先進的な雰囲気を醸し出していました。そういえばWAVEがオープンしたのも、この頃でしたね。六本木のメディア界は熱かったんです。マルチメディアというものをコンテンツから攻めた地域でした。
モアイの謎〜EMOTIONレーベル創世記〜 | ANIMUSE
そう言えば、この時代はβだったなぁ。VHSが伸びだしたのは、コンテンツが販売されるようになってからで、SONYはビデオは「録るもの」という考えから脱却できなかったのが決定的だった気がします。
ヘッダ画像は、以下のものを使わせて頂きました。
https://publicdomainq.net/moai-easter-island-0000575/