NASとバックアップ
仕事でPCを使っていることもあり、家族にもそれぞれPCがあるので、かなり昔からファイル共有とバックアップのためにNASを構築していました。以前はWindowsだけではなくLinuxも多かったこともあり、最初はsambaを使っていましたが、どうもWinodwsとの相性が悪く、権限の設定で問題が出たりファイル名の文字化けが頻発し、WindowsServerを使ってNASを作るようになりました。
NASの使い方としては、メディアなどの共有と各PCのバックアップです。ドキュメントやピクチャなどを直接ネットワークドライブに割り当てるようにWinodwsを設定することも可能ではあるのですが、何かと問題が出るので、ローカルなフォルダから適宜、手動で共有フォルダにコピーをしています。共有フォルダは、あくまで共有が目的なので、ローカルなファイルはバックアップで保護することにしています。
バックアップとしてはWindows自身のバックアップが一番、間違いがないです。但しデフォルトでは全ドライブをバックアップしようとしてしまうので、これはやりすぎです。ま同じPCにリストアするとしてもドライブの構成が同じであるとは限りません。基本的にはシステムドライブだけを対象にしておきます。Windowsの修復で使える形にしておくのが大切です。
NASに置かれたデータがNASのドライブ故障で無くなってしまったら本末転倒です。ドライブの故障に備える方法はいくつかあります。
一つがRAIDです。複数のドライブを組み合わせることでひとつのドライブが故障してもデータが失われないようにする仕組みです。RAIDにも種類があって、このうちRAID-0は、パフォーマンスを上げるものなので別とすると、RAID-1とRAID-5であるとかRAID-6といった種類があります。これらをハードウェアで行ってくれる装置もあるのですが、経験的に肝心なハードウェアが壊れてしまうこともあります。この場合はディスクは活きていることも多いのですが、誤ったデータが書かれてしまい全滅することもあります。RAIDはあくまで常時データをアクセスできる状態を保ったままドライブの故障に対応するもので、バックアップにはなりません。またファイルを誤って消してしまったなどの場合には、正しく消してしまうので、どうしたってバックアップは必要です。
なお、RAIDを使う場合にはRAID-1をオススメします。RAID-1にするには2倍の容量のドライブが必要で、RAID-5/6はより少ないドライブで冗長性を確保してくれるのですが、昨今のドライブの価格を考えると、ここで頑張ることも無いと思います。またRAID-1は片側のイメージからだけでも復旧が容易で、ペアの作り方にもよりますが、あるドライブが壊れた場合に影響のある範囲がわかりやすいのもメリットです。それから専用ハードのRAIDよりもソフトウェアによるRAIDをオススメします。専用ハードの場合、複数の同じシステムを持っていれば良いのですが、そうでない場合は、同じハードを用意しない限り、RAIDカードが壊れた場合に、ドライブを復旧できないことが普通です。ソフトウエアであれば同じソフトでRAIDドライブをアクセスすれば、異なるPCからでも復旧が出来ます。もちろんパフォーマンスなどの影響はありますが、今のCPUは速いので、さほど気にすることもないかと思います。ソフトウェアRAIDを使う場合、linuxにしてもWindowsにしても、最初にドライブを認識させる時に一癖ある場合があるので、大事なデータを入れる前にたっぷりと障害時の復元手順を練習しておいてください。ぶっつけ本番の復旧は、かなり危険です。
もう一つの方法であるバックアップに関しては、Windows標準のバックアップでも間に合います。WindowsServerを使っているので標準のバックアップサービスを使っています。これでも、ちゃんとスナップショットを作成して、きちんと特定の時点でバックアップされますし、復元も容易です(CDを入れて起動した状態で使える復元データであることが肝要です)。また毎日のバックアップを差分で行ってくれているみたいで、ディスクがいっぱいになるまで、うまいこと古いバックアップも保持してくれます。ただあまり細かな設定を試みるとなかなか思い通りにならず深みにはまるので、なるべく標準的な使い方にとどめることがコツみたいです。
NASのシステムは、それで良いのですが、共有フォルダのデータに関しては、何せ容量が大きいので、いろいろ工夫をしないと瞬く間に容量を使い切ります。以前はいろいろ自作していたのですが、今は FreeFileSync で済ませています。
FreeFileSync
このソフトはいろいろな設定ができるのですが、結局、普通に一方向の同期で使っています。
ところでバックアップの法則という謎の経験則があって、バックアップは必ず2つ、元のデータと合わせて3つないと、いつかはデータの損失が発生する可能性があります。一番ありがちなのが、何らかの間違いでバックアップの向きを間違えると、新しいデータに以前のデータを書いて、両方とも古くなってダメになります。そんなことはしないと思っていても、一部のドライブが認識されずにドライブレターが狂った拍子などにバックアップが動いていてしまうとか、長く使っている間には想定外の事が起こるものです。Googleのgfsも必ずデータは3つですしね。そこで世代バックアップは諦めたものの、異なる周期で2つのバックアップをとるようにしています。今のところかなり長いこと、このやり方でデータを失わないで済んでいます。
ヘッダ写真はサーバラックを使っていた頃のNAS。本体とキーボード(とディスプレイ)は今でも変わっていません。
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