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MSX のキーボードと文字コード

MSX規格は、ソフトウェアのみならずハードウェアも規定している規格なので、キーボードも決まっています。もちろん具体的なレイアウトや個々のキーの形なんかは機種によって個性があります。MSX の時点では JIS フルキーにファンクションキー5つ、機能キー5つに方向キーだけでしたが、MSX2 からは、テンキーも付くようになりました。

日本語に関しては「カタカナ」のみならず「ひらがな」も使え、かなに関しては、JIS 配列ではなく初心者にやさしい「五十音順」のレイアウトを選択した機種もあります。MSX2 からは、ローマ字入力でカナを入力できる機能も追加されました(SHIFT+かな でローマ字入力モード)。

さらに漢字についても拡張されている機種もあり、単漢字変換のみならず文節変換の機能も備えている機種もありました。これら日本語に関する拡張は、海外で販売されていた機種では異なるはずですが、今回は除外します。


基本のキー配置
SHIFTキーを押しながら

英数字に関しては「あたり前」の ASCII 配列です(SHIFT+2がダブルクオートですね)。CAPSキーとかなキーにはLEDがついていることもあり、そのモードが有効だと光ります。

GRAPHキーを押しながら

罫線文字と記号や一部の漢字が文字として使えます。GRAPH キーを押しながら入力します(モードではなくロックしません)。年時分秒はアルファベットのYHMSの位置に割り当てられていて覚えやすくなっているのですが、日と月が曜日の一部なので数字の1、2の位置になってしまっています。円も¥の位置ですね。TRSの時代からなんですが何故かπはあります。

カナモード
カナモードでSHIFTを押しながら

カナモードは CAPS OFF で「ひらがな」が入力できます。「カタカナ」を入れたい時は、CAPS ON にします。一部のカナ記号と小文字は SHIFT を併用します。

かなに関しては50音順配列を採用している機種もあって、その場合は以下の配置になります。

50音順カナ配列
カナモードでSHIFTを押しながら

CAPS キーの使い方は同じです。確かにかなモードでは CAPS LOCK する必要はありませんね。50音順レイアウトでも、目的のカナを見つけやすいかといえば、やはり微妙です。そこで MSX2 からはローマ字入力もできるようになりました。CAPS の使い方は同じみたいです。なお、X は長音記号に割り当てられているので、小さな文字は L を使うタイプです。

MSX2 以降ではテンキーもついている機種が多くなりました。

テンキー部分

極めて標準的というか最低限のキーのみです。

MSX2+(Panasonic)の例。よく見ると他にもいくつかのキーが追加されているようだ。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:MSX_FS-A1WX.JPG より
(CC 3.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/)

表示のための文字コードは 8ビット分 フルに使っています。

グレー部分は文字コードとしては制御文字になる

&H00~&H1Fのコードは制御文字として使われており、そのまま出力しても制御文字として機能します。これらを表示するには &H01に続けて指定することで表示できます(CHR$(1)+CHR$(9)で"円"が出る)。カタカナの文字コードは JIS の通りですが、ひらがな は未定義部分に押し込んだため、カタカナの前と後に分かれて配置されています。

MSX の SCREEN 0 では、ひらがなのフォントサイズよりも小さなドットしか扱えないので、ひらがなを使うと少し欠けます(SCREEN 1 なら大丈夫)。MSX2 以降では欠けないフォントが用意されたようです。

漢字に関しては、別の機会にまとめたいと思います。

(参考 )かな・日本語入力

ゲームなどでキーを直接スキャンするときのコード(フルキーとテンキーの区別も必要)

MSX キーマトリクス表

MSX


おまけ

なかなか良い資料が見つかりました。

キーボードコレクション

今回の図で使ったファイルは以下です。ご自由にお使いください。

ヘッダ画像は、以下の場所のものを使わせていただきました(CC 3.0 です)。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:MSX-Hit_Bit_HB-75P.jpg


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