エリザベス女王と英国通常切手
9月8日にエリザベス女王が亡くなられたことは私にとっても大きな喪失でした。実はイギリスには未だに行ったことは無いのですが、中学生の時にハマっていた切手収集でのメインテーマがイギリスで使われていた、あたりまえの切手だったからです。
ご存知の方もいるでしょうが、イギリスの切手は、その始まりの時から、その時点での王または女王の肖像が使われてきています。当然ではありますが、私の知っている範囲で現役で使われていたのは、ずっとエリザベス女王だったわけです。
またイギリスの切手で特徴的なのが、国の名前が入っていないことです。今は万国郵便連合(UPU)の決まりで切手には国の名前を入れることになっているのですが、最初に切手が使われた国という理由でイギリスに関しては国名表記が免除されているからのようです。このため、切手の図柄は女王の肖像と金額の表記のみとなり、とてもシンプルなデザインになっています。普通に使われる通常切手のデザインはすべて同じで、金額により色だけが異なっています(高額のものは一回りサイズは大きいです)。
万国郵便連合
Universal Postal Union
この美しさに惹かれて、どれもこれも同じように見える切手を集め始めたのですが、切手収集の常で、単に売られている使われていない切手を集めるのではなく、郵便物に貼られて使われ消印の押された切手を、郵便物から剥がして、消印ごとに分類してなんていうことをやるわけです。使われた切手は本来の意味の価値は無いので、ある意味、安価に入手できますし、学生がやる収集にはもってこいな訳です。
切手収集の云々や、切手収集のサークル活動の話は、別の機会にまとめてみようと思いますが、切手に関するアレコレはネット上には、思ったよりころがっていないようで、検索してもなかなか見つからず、少し手間取りそうです。ネットな世の中になったのと反比例して切手への注目度は下がりましたからね。
代表的な現行通常切手(とは言っても私が集めていた時代ですが)は、こんな感じです。今でもほぼ同じようなものが使われています。これが新しくなるようなので、どんなデザインになるかは今から楽しみです。
補助通貨が10進になる前のデザインも、基本的には同じですが、通貨単位がPではなくてDになっています。
スターリング・ポンド (デシマル・デーは、1971年2月13日)
イギリスは連合王国ですから、地域ごとに切手が発行されており、イングランド以外の切手には地域の紋章が入っています。とはいえ基本的に料金や使われ方は共通です。
エリザベス女王の期間は長かったので、即位直後のデザインは今とは違っていました。もう50年以上昔の話ですが、切手の印刷技術の向上に伴い、今のデザインに変更されています。このデザインの女王は若さに溢れていて、なかなかですね。
こうして封筒や消印ばかり見ていたので、行ったこともない見知らぬ土地であるにも関わらず、かなりの片田舎までいろいろな地名を覚えてしまっていました。思い入れのあるこのデザインの切手が過去のものになってしまうことを考えると、流れた歳月が重く感じられます。
エリザベス2世