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APPLE/// - ハードウェアを売るのは難しい
APPLE][シリーズについては、もう書き終えてしまったのですが、敢えて忘れていたAPPLE///がありましたね。
APPLE][の成功に気を良くしたアップル社は、多くのユーザが実はVisiCalcやApple Writerといったビジネス用途で使っていることに気づき、これらのマーケットに対して、より高性能で使いやすい機種を用意すれば、もっと価格が高くても買ってくれるだろうと、ビジネス向けのPCを開発することにしました。
Apple III
フロッピーを最初から搭載するのは当たり前として、APPLE][で不足していたメモリ、英語の小文字とより広い画面を始め、テンキーであるとか意外と大事だったキーリピートなんかを強化しました。そしてソフトウェアもDOSに代わるSOSと呼ばれるOSの上に、多くの自社製アプリを動かせるようにしました。もちろんAPPLE][用に売られているソフトもそのまま使えるようにする工夫は怠りません。但しオープンな路線は影を潜め、ハードもソフトも自社で囲い込もうという戦略が台頭します。これは今でも続いているアップル社の路線ですね。
apple3.org
これでホビー向けAPPLE][とビジネス向けAPPLE///の2本立てのハイローミックスで行ければ良かったのですが、まだAPPLE][しか(APPLE1と][はほぼ同じ基板)売ったことのない会社には新しいハードの開発は勿論、その製造と保守に関しては経験が足りないところが多くあったようです。まずリアルタイムクロックが頻繁に故障し、騒音を嫌って設けなかった冷却ファンのために熱問題も頻発しました。他にもハードウェアに起因するトラブルが収まらず、わざわざ高いポンコツを買わなくても安いAPPLE][で充分ではないかとユーザからはそっぽを向かれることになってしまいました。
今日のAppleの歴史回顧:手遅れだったApple IIIのアップデート
日本のパソコンメーカーの多くは大型機や家電製品のノウハウを持っていたので、この手の苦労が露見することは少なかったのですが、アメリカでは他にも多くのメーカーが漏洩電波であったり、電源であったりでトラブルを起こしている例が絶えなかったように思います。ソフトウェは数人の天才が頑張れば後はコピーするだけですが、ハードウェアの設計と製造に関しては多くの人が携わりますし、小さな会社が大量生産の品質管理のノウハウを持っているはずが無いので苦労が絶えなかったようです(これはミニコンでも顕著だった気もする)。今でもMSXなど古いパソコンが中古市場に出回っていますが、日本製はまだまだ動作するものが多いのですが、アメリカ製は修理が必要なことが多いです(出回った母数が大きいので動くものは残っていますが)。
そういえば、APPLE///の開発に冷めた目で見ていたウォズですが、先日、メキシコで倒れたという報道がありました。とりあえず軽症だったとのことですが、もうそれなりのお歳なので心配です。彼こそがアップルの生き証人なので長生きしてくれることを願っています。
スティーブ・ウォズニアック
Appleの共同創業者スティーブ・ウォズニアックがメキシコシティの病院に搬送される
ヘッダ画像は、以下のものを使わせて頂きました。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Apple3.jpg
CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=205447
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