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ケータイへの道は遠かった

大学に入ると同時にアルバイトに精を出すようになり、携帯もない時代なので家族や友人と連絡を取るのが困難となり、結局まだ流行っていなかった時代にポケベルを使うようになった話をだいぶ前に書きました。

ポケベルに「憧れなくて」

ポケベルに着信すると、そこに表示されている番号に折り返す使い方の時代だったのですが、わざわざポケベルに電話してくれる人も多くは無く、自分専用の回線を引いて留守電を設置し、留守電が録音されるとポケベルに電話するような設定をして使うようになりました。そうなると留守電を外から呼び出して内容を確認して必要な連絡を取るわけです。こうなると同じ電話番号にかけることが増え「ダイアラー」という自動で番号を押してくれる装置を使い始めました(手元の電話機がパルス式だと留守電を操作できないという問題の解決も必要だった)。

プッシュ式の電話は、2つの正弦波を組み合わせた音を使って番号を理解するので、電話機のボタンを押さなくても、そこで発生する音を受話器から聞かせてあげれば電話を掛けることが出来るのですよね。そこで予め番号を記憶させてから装置を受話器に当てて音を聞かせることでボタン一つで留守電に番号を掛けることができるようになるのです。また当時はタマにですが国際電話を掛ける機会もあり、この場合は間違い電話をしないように(なにせ桁数が多い!)予め記憶させてから電話をかけるという使い方もしていました。特に当時始まったクレジット払いが出来る安価な国際通話のサービスを使おうものなら猛烈に多くの番号を押す必要がありました。こういうときこそダイアラーの出番でした。

しかし、ダイアラーといい、その安価な国際電話サービスのことを調べようとしたら、簡単には検索で出てこないようで、古い細々した情報は意外とネットには残っていないものなのかなぁとあらためて思った次第。きっと明確なキーワードが必要なんでしょうね。このあたりをご存知の方、是非コメントで教えて下さい。

そんなポケベル時代を過ごしてたのですが、90年代に入るとケータイが徐々に普及してきました。かなりお高いものですし、サイズもとてもポケットには入らないような端末だったので(コートなら何とか入らなくはない)、積極的に使いたくはなかったのですが(いつでも捕まるのは勘弁してほしい)、ポケベルではいずれにせよ、こちらから掛ける必要があるので、会社からの連絡などでコールバックだと面倒くさい(内線が自動化されていない場所もあった)ということで、遂に会社から持たされるようになってしまいました。もっとも仕事関係の人しか番号は知らなかったですし、料金は会社持ちなので滅多なことでは私用では使わなかったので、重い端末を持ち歩く苦労だけが増えた感じではありました。

日本移動通信 - 確かここの端末でしたね

90年代も半ばをすぎるとケータイのようでケータイではないPHSというサービスが始まりました。殆ど東京の都心部から多摩方面の間をウロウロしていましたし、何より端末も通話料金もケータイよりだいぶ安いのです。そこで遂に自分で契約をして使うようになりました。当時はケータイよりも音質が良いとも言われていましたが、音質よりも繋がるかどうかのほうが大事だったんですけどね(PHSはサービスエリアが限られていた)。初期の頃は遠くに出かけると「ローミング」が必要で料金も変わったのですが、熱海辺りだとうまく(湯河原とかの)アンテナを見つけるとローミングせずに済んだりした記憶があります。

PHS

実はPHSを導入したのにはキッカケがあって、家の回線をISDNに切り替えたことも関係しています。PHSは、その仕組からデジタル化されていて通信との相性が良かったのです。当時使い始めたノートPCのカードスロットに端末を挿し込んで外出先でも通信が出来るようにもなったのです。また構内モードという使い方も出来て、適切な親機(ISDNルータ)を使えばPHS端末を家の中の内線電話としても使うことが出来ました。それに電波が無いような場所でも同じ親機に登録してある端末同士はトランシーバーのように直接相手を呼び出して通話することも出来たんです。まあ、こんなヘビーな使い方をしている人も滅多にいませんでしたが、イエ電とケータイを同じ端末でシームレスに使えるなんて、なかなかケータイでは真似できませんでした。これ以降、家の内線電話は原則コードレスで今に至ります。

ノートPCに差し込めるPHS端末

こうしてPHSの時代が続いたのですが、それはISDNと共にあったところもあって、ADSLの時代になり、ドッチーモというPHSもケータイも使える時代を経由して普通のケータイ生活になっていきました。NTTパーソナルという会社も消滅してしまいましたしね。

NTTパーソナル

という訳で、機会があればPHS時代をもう少し深堀りしてみますかね。

ヘッダ写真は、以下のものを使わせていただきました。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Mobile_phone_evolution.jpg
Anders - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1427841による

#ポケベル #ダイアラー #携帯電話 #PHS #IDO #NTTパーソナル #内線電話

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