JR-100 - ついにNationalも登場
いろいろなレトロPCについて書いてきましたが、中には全く覚えていない機種も結構あります。最初の頃からのパソコンマニアにとっては、ソフトウェアこそ大事なものであって、新機種が出たからと言ってもソフトが揃っていないようなパソコンに乗り換えるには相当な勇気がいります。もっとも最初の頃はパソコンを持っていないどころか、見たこともないような人のほうが多かったので、どのメーカーも「出せば売れる」と思っていたフシもあります。
当時のNational(現パナソニック)も、独自の家電ルートを持っていたこともあり、ウチもパソコンをラインナップに加えないといけないと思ったのかもしれません。1981年の秋にJR-100というパソコンを5万円とちょっとの価格で発売しました。CPUは6800系でメモリは16Kも積んでいました。とはいえ画面はモノクロのテキストのみ、カタカナもありません。とはいえ図形文字によるセミグラフィックはありました。面白いのは最初から32も自分のユーザ定義文字が使えPCGのように使うことが出来ました。
JR (コンピュータ)
この時期のホームPCはコストのためか判で押したようにキーボードが犠牲になっていました。JR100もゴム製のボタンキーボードで間違ってもタッチタイピングなんてできません。そしてキーボードをたくさん押さなくて良いように、BASICの命令を1ボタンで入力できる機能がありました。
JR.100 - TImeMachine
筐体のサイズや機能を考えるとシンクレアZXを意識していたのかもしれません。入門用としていたにしては随分と大きなRAMを持っていたなぁとは思います。シンクレアなんて本当に雀の涙ほどのメモリしかありませんでしたから。
シンクレアとVIC - 日本では広まらなかったけど
ただ代わりに値段のほうが魅力的なものになっていません。特にさらにメモリを増設するためのユニットが本体価格を超えるような設定になっている辺り、いろいろと無理があるなぁとも思います。拡張してまで使いたい人は別のパソコンを買ったほうが良いような気もすれうので、開発する人向けだったのかもしれません。
JR ファミリーへの家族愛 JR-100
JR-100 - 計算機室
まあ最初に出す機種はメーカーにとっても試行錯誤で、決まったコストでどこまでできるのかという段階でユーザに気を配る余裕なんて無いのかもしれません。出してから反応を見て、次の機種を作るというサイクルで良いと思っていたのでしょう。他の家電と同じように考えていたのは間違いありません。
コンパクトで可愛いパソコン『ナショナル JR-100』
このJR-100も翌年にはカラー表示もできるJR-200を発売しますが、値段はさらに上がりJR-100との互換性もありません。その後もJRシリーズは継続して発売されましたが、MSXの話が出るとさっそく参入したのは判るような気もします。日本の家電メーカーにはソフトウェアの大切さがなかなか理解できていなかったような気もします。
[ナショナル]JR-100①本体紹介編[松下通信]
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