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キーボードはタイプライタで覚えた

中1で英語の授業が始まると、父親からタイプライタを貰いました。最初は指の力で押し込む機械式だったのですが、小指に力が入らなくて打ちづらいので、使っていなさそうだった電動式をちょろまかして使うようになりました。

いずれも標準的なものだったのですが、これで教科書にあるテキストを入力することで、タイピングを覚えました。徐々に慣れてタッチタイピング(手元を見ないで打つこと)ができるようになったのですが、速く打てるようになるにつれ、テンポよく打たないと、活字につながっているアームが絡まってしまうという経験をするようになりました。この「テンポよく」がどうも苦手でした。

タイプライタを知っている人は「あるある」なのですが、最初の行まで紙をすすめるのに、ローラーをぐるぐる回すとか、文字を打っていって予め設定してあった文字位置まで進むと「チーン」とベルが鳴るので、改行キーを押すとか、打ち間違えた時にバックスペースを押してからインクリボンの下に白い粉が出る紙を挟んで間違えた文字を打つと、その文字が白く塗られて、間違えた文字が消せるので、それから、あらためて正しい文字を打つとか、タイプライタ特有の使い方がありました。

そうそう、数字の1と0が無いのも、その時に初めて知りました。小文字のLと大文字のOで済ませるのです。記号は今のパソコンに比べると最低限しかない感じでしたね。

その後、パソコンを使うようになるまでに、ゴルフボール型のタイプライタも時々は使わせてもらうようになり、テンポよく打たなくても大丈夫なことに感動しました。それに、このタイプライタには取消キーがあって訂正の文字を打つための白色のインクリボンまでついているなんて、なんて素晴らしいのだろうと思ったものです。

他所で借りたときには、これ以外にも赤と黒の2色インクリボンが使えたり、フォントというか、活字部分を交換することができるものにも出会い、何とも便利になったなぁ、と思ったものです。

ある時、漢字が平たい板一面に書かれている和文タイプライタというのも使ったのですが、とにかく文字を探すのが大変で、タッチタイピングなどはありえず、ポツンポツンと数秒の1文字しか打てないのが、逆の意味で感動しました。それでも慣れるとおおよその規則はわかるようになり、活字もまるごと交換できて、書体を変えたり、さらに一部の活字は個別に入れ替えることができるようになっていて、外字にあたる文字(記号のたぐいが多かった)も使えるものなんだと知りました。

このような経験があってからパソコンを覚えたので、パソコンを使い始める時に、他の人が入力に苦労していたのも高みの見物で、バリバリと雑誌に印刷されていたコードを入力していました。最初がまともなキーのApple][だから良かったものの、平たく格子状のPETであったら不満タラタラだったでしょう。

その後、いろいろなパソコンでいろいろなキーボードを使いましたが、一番しっくりくるのは、ゴルフボール型タイプライタの打鍵感です。キーボードになってからのアレコレは次の機会にでも。

タイプライター

セレクトリック・タイプライター

ヘッダ画像は https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Brother_typewriter.jpg から使わせていただきました。


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