建築とプログラミング
壁の記事ばかり投稿しているせいなのか、ログインしたnoteのトップページにはどういう訳かとても沢山の建築関係のタグが並んでしまっています。子供の頃は建築に興味がなかったわけではないのですが、建物というよりは部屋のデザインの方が面白そうに思っていました。
建築って、ある意味ものを作る人の究極の憧れのところがあります。長い間にわたり多くの人に見られ、使われ、生活の一部となる建物も多いです。だからこそ多くの規則が作らていて、ひとつずつ順を追って問題が出ないかを確認する作業を必要とします。結果的に普通の建築物は結構、保守的な判断を必要とすることになり、挑戦できる場所が限られてしまうなとは感じます。
ソフト屋から見ると、建築とシステムは似たところと、ぜんぜん違うところがあります。目的を決めてデザインして、設計してから組み立てて、現場合わせをして使える形にするところなどは似ているといえば似ています。まあプロジェクトごとに人月計算をしてコストを見積もり、人を集めてスケジュールを引いて工程管理をしているところや、下請けの仕組みが発達しているところなどは、似て欲しいわけではないのに、そっくりかもしれません。
ただシステムは構造計算もありませんし、コードを書くのに資格はいりませんし、出来上がった設計に対してお役所の認可も不要です。もちろん、だからと言ってシステムがいい加減だというつもりは無く、使う材料や動かす規模の進化が激しくて、範囲や用途を絞らないと、共通の基盤になる評価が難しいという事情があります。
システムが直接、人を傷つたりすることは滅多に無く、生命に関わるような用途には使ってはいけませんと明記してあることもあります。確かに正しく動作しなくても感電したりすることは無いですけれど、ご存知のように社会的に大きな影響を与えてしまう事故も増えてきています。普通のシステムはせいぜい10年も使えば、新しいシステムに切り替えることが多いのですが、ハードウェアやコードが新しくなっても、デザインと言うかインターフェースは、思った以上に長く使われます。プロトコルもバージョンこそ、少しずつ上がりますが、建物にもおとらない期間に渡って生き続けているものも増えてきました。
まあ、そろそろ建築物とまでは行かなくても、自動車のような何らかの検査体制が求められる時代が近づいているのかもしれません。まあ特定の機器ごとの対応になるのでしょうけど。でもソフトは目に見えないですし、意図するかしないかは別にして後から書き換えられるので、どう担保するかは難しいです。まさかパチンコのように封印するわけにもいきませんしね。
逆に建築の方も、せめて内装だけでも良いので、もう少し柔軟な作りが出てくると楽しそうだなとは思います。まあリフォームすればいいじゃないと言われそうですが、そんなに気軽に壁を剥がせるものではありません。配線や配管は思ったよりも早く陳腐化するんですよね。そんな話題もいずれ書いてみたいと思っています。
ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。
https://www.irasutoya.com/2016/08/it.html