バーリーアーケード - ゲーム機なのにBASICでプログラムを組んだ
秋葉原の BitInn に通って TK-80BS の BASIC をいじるようなことはしていたのですが、自分のパソコンを手に入れる前に本格的な BASIC のプログラムを組んだのは友人が買ったバーリーアーケードの BASIC が最初でした。
Bally Professional Arcade \ Astrocade
Bally Astrocade
このバーリーアーケードというのはパソコンというよりはゲームコンソールで、ATARI 2600 のように ROMカセットを変えることでいろいろなゲームが出来るというものでした。
Second generation of video game consoles
この ROMカセットのひとつとして、Astro BASIC という BASIC が供給され、これを使うことで、BASIC のプログラムを組んで自分でゲームを作ることが出来ました。
1982 Bally Astrocade Video Game " ASTRO BASIC" Cartridge 6004, Overlay, & Manual
バーリーアーケード本体には、いわゆるキーボードはついていなかったのですが、4✕6のボタンは付いており、このボタンを駆使してプログラムを入力していくのです。よく使われるBASIC命令は多段シフトで専用のボタンが割り当てられているので1文字ずつコマンドを打ち込む必要はなかったとはいえ、プログラムを作るのは結構、大変でした。どんな風に使ったのかは以下の動画にも出てきます。
A Real Computer? Exploring the Bally Computer System aka Astrocade
この BASIC で作ったプログラムは、お世辞にも充分なパフォーマンスが出るものではなく、スペースインベーダーのように、多くの画面を描き変えるようなゲームは遊べるようなものではありませんでした(50以上のオブジェクトを1単位動かすのに1分近くかかる)。ですので、あまり多くのオブジェクトを動かさない(一般的には数個まで)ようなゲームで頑張るしかありませんでした。それでも低価格なゲームコンソールで自分の作ったゲームを動かすことができるのは衝撃的で、友人のご家庭の方には本当にご迷惑をおかけしましたが、週に2~3度もお邪魔してプログラミング三昧をしていました。
この経験でパソコンには、何が必要で何が大事なのかが見えてきました。BASICも大事ですがマシン語のサポートや、充分な技術情報が出回り、ハード・ソフトのサードパーティによるマーケットが形成されていること、それに熱心なコミュニティがあることです。個々のスペックの良し悪しは実はどうでも良かったりするんです。日本のメーカーの限らず、海外のメーカーでも、このあたりを良くわからずに製品を作っていたところも多かったような気がします。
バーリーアーケードも、扱う会社が変わったりして名前も変わったので、検索するといろいろな名前で引っかかるのですが、他のゲームコンソールでも BASIC が用意されてプログラムが出来るという環境の先駆けにはなったのだと思います。自分でゲームを作ることが出来るというのが、大きな「売り」となる時代でした。
バリーアーケード
Bally Astrocade
最後に、このゲームコンソールと搭載されているBASICについて、ChatGPT君(3の方ね)に聞いてみました。
まあ間違っているということはなさそうですね(Bingの方はちょっと的はずれでした)。
ヘッダ画像は、コンピュータ歴史博物館で撮影したもの。
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