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愛され嫌われたCPU - SC/MP

いろいろなCPUについて書いてきましたが、忘れてならない悲しいCPUがありました。それはナショナルセミコンダクターのCPUたちで、パソコン向けで初めて登場したのがSC/MPというCPUです。

SC/MP

National Semiconductor SC/MP

これ「スキャンプ」と呼びます。このCPUのリリースはかなり古く、実際にいつから売られていたのかは諸説があるようですが、アップル、タンディ、ペットといった御三家が売られた頃には出回っていました。

SC/MP

National Semiconductor SC/MP

なかなか癖のあるアーキテクチャで、痒いところに手が届くというか届かないと言うか、いざ自分でコードを書こうとすると苦労が多かったようです。薄っすらとした記憶では月刊アイ・オーには、この石を使った記事がそれなりに出ていたような気がします。売れたかと言うと良くわからないのですが、少しずつ改良が加えられて、いくつかの後継チップも作られたようです。でも根本的な問題はそのままだった気がします。

SC/MP

ここが変だよ SC/MP-II CPU

SC/MP使いの憂鬱

もちろんボードから自作するだけではなく、このCPUを使ったマイコンボードやパソコンも登場しました。

人知れず消えていったマイナーCPUを語ろう(第2回):NS SC/MPが日本のパソコン自作に果たした役割とDr.パソコン(大原雄介)

その中であたかもアップルクローンであるかのような名前(とデザイン)を持つオレンジというパソコンがありました。

オレンジという名前のマイコン

スペックだけ見ると安価なのにアップルに迫る機能を持っているように見えるのですが、周辺機器が少なく、そして何よりも搭載しているBASICが機能不足な上に遅いことこの上なく、買ってしまったヒトは少し残念な思いをしたと思います。

もっと情報が残っていそうなのですが、とにかく名前がいけません。検索してもRaspberry PiのようなワンボードマイコンであるOrange Piばかりが引っかかり、このパソコンの情報にたどり着けません。

Orange Pi

ナショセミはなかなかエグいCPUを出してくるのですが、どうもパフォーマンスがいけません。この後も、これに懲りず32ビットCPUを出すのですが、こちらもなかなかクセがありました。そちらのCPUについては次の機会に。

ヘッダ写真は、以下のものを使わせていただきました。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:National_Semiconductor_SC-MP_Development_System.jpg
By Ellinor Algin - https://digitaltmuseum.se/021026356019/programmeringsutrustning, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=128818618

#CPU #ナショナルセミコンダクター #NS #SCMP #ORANGE  


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