ひ~とびとの - ソニー初のMSX HB-55
自分が持っていたMSXについては、
FM音源を楽しんだ YAMAHA CX7M/128 - MSX
で触れたのですが、MSXが登場した頃は、ちょうどAPPLE][もいっぱいっぱいになっていて、興味は16ビット機に移っていたものの、お手軽で安価なPCとしてMSXも悪くは無いなとは思っていました。MSXのBASICは素晴らしく拡張性も良く考えられていて、いろいろと遊べるなとは思っていましたが、フロッピードライブも選択肢が少なく、3.5インチは、メディアがお高いですし、プリンタも新しくしないとならないなと考えると、全体としてはちっとも安くは無かったです。いまさらテープの時代に戻るつもりはありませんでした。グラフィック表示もMSXの時代は痒いところに手が届かない感じが残っていましたしね。もう少し様子見かなと思っている間に結局、PC9801に向かってしまいました。
という事で、いろいろ物色していた頃のMSXとして、なかなか良さげで印象深かったのが、ソニーのHB-55(とHB-75)でした。イメージキャラクタとして松田聖子さんを起用し、「ひ~とびとの、ヒットビット」というキャッチフレーズで大々的に売り込んでいました。
1983.11.21 ソニー「HB-55」発売。ひとびとのヒットビット。
懐かしいCM 1983年(昭和58年) SONY HitBit HB-55
当時のソニーのブランド力が伺えます。
Sony MSX Hit Bit HB-55 Japanese CM
ソニーとしては、ソニーらしい革新的な SMC-70 を出し、次の展開を狙っていた時期になります。多くのメーカーが高機能と普及価格帯の2つのシリーズを展開していた中、ソニーも高機能路線として SMC-777 をリリースし、普及価格帯としては MSX を採用した訳です。
ソニー SMC-70
SMC-777
そして MSXを含む普及価格帯の機器に HitBit というブランドを冠したのです。
HiTBiT
赤とシルバーの2色を用意したスタイリッシュなデザインで、キーボードは50音順のかな配列で、キーというよりもボタンでした。メモリは最低限の16キロでスロットもひとつと、MSXとしてのスタンダードな構成です。ソニーらしさと言えば梱包の箱も格好良いですね。
Sony - HB-55
Sony Hit-Bit 55
Sony HB-55P
HB-55
【ソニー】HIT BIT HB-55
HB-55より半年くらい後、メモリを64Kに増やしキーボードもまともにした HB-75もリリースされました(ちょっとだけお高めになりました)。以下の記事のヘッダ画像が HB-75 ですね。
MSX のキーボードと文字コード
(海外版は当然ですが、キーにかなの刻印はありません)
ソニーとしては家庭用PCは、どうあるべきか悩んだようで、スケジュール管理、住所録作成、伝言板用メモといったソフトを予め用意していました。もっともこれらの機能が便利なので、このPCを選んだという声を聞いた覚えはありません。
宣伝の力とソニーブランド、価格設定のバランスが良かったのでしょう、HB-55 は、それなりに売れて、HB-101 というチャレンジを経て、MSX2 の時代には HB-F1 をリリースして HitBit は続いていきました。
ソニー HitBit HB-55
MSXが主役!? 銀座のど真ん中にソニーの『HITBIT』見参!:MSX31周年
そういえば、フリーで使える HB-55 の画像が見つかりません。オークションサイトなどであればいくらでも写真はあるんですけどね。仕方がないので、AI に頑張ってもらって、それっぽい画像を作ってみたのですが、私のプロンプト力では、これが精一杯でした。以下のサイトで作りました。
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