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IBM PC-AT - 互換機の代名詞となった新機種

IBM PCは、その最初の機種が1981年に登場し、1983年には改良版であるXTがリリースされました。XTは小規模な進化だったので期待外れのところもあり、翌1984年の夏には第2世代とでも言うべきATが登場しました。

IBM PCの進化 - XT と 5550

CPUは80286(クロックは6MHz)となり、搭載するメモリも256K以上に増えました。さらに5インチフロッピー2台だけでなく標準で20~30MBのハードディスクを搭載するようになりました。ソフトウェアもハードウェアの進歩に対応すべくPC-DOSはVer3となり、少し遅れて80286が扱える大きなメモリと保護モードが活用できるOS/2も用意されました。

PC/AT(5170)

キーボードも機能キーやテンキーの位置が分離され独立し、今の一般的なキー配置に近いものになりました。また拡張バスも16ビット化されATバス(ISAバス)となり、ビデオカードもEGA(640✕350✕64色中の16色)と解像度と色表現が上がりました。

Industry Standard Architecture

Enhanced Graphics Adapter

ところでIBM PCは、オープンな規格で作られていたこともあり、多くのハードウェアベンダーがいろいろな拡張カードなどを出すことが出来、その普及に一役買ったのですが、PC自身のクローン(複製品)が多く登場し、当初は公開された資料を使って、そのまま複製したものもあったのですが、BIOSに関しては著作権上の問題があり、これを仕様から作り直した互換BIOSが使われるようになり、合法的にアーキテクチャが互換なPCたちが多く売られるようになりました。これをきっかけとして台湾のマザーボードメーカーが躍進しました。日本でPC互換機が普及した時期が、このATの時代だったためにPC/AT互換機という言葉が使われるようになったようです。

PC/AT互換機

その片鱗は、今でもAT(ATX)電源であるとか、マザーボードの大きさなどの種類をAT基板、ATケースなどという呼び方で残っています。互換機の普及でIBMの影響力は弱まり市場はIBM抜きで発展を続けました。もちろんIBMも座して甘んじていた訳ではなく、1987年には32ビットCPUとなった80386を使ったPS/2を出すのですが、もう互換機の勢いは止められて無くなっていました。

ヘッダ写真は、マイコン博物館所蔵のIBM PC-AT。

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